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本当のサステイナビリティーとはデ・グロースでしかないと個人的に思う。

今週、デ・グロース(Degrowth)という言葉を知った。
デ・グロース=脱成長。簡単に言うと、資本主義が目指すところの拡張型の経済とは真逆の考え方になる。

地球温暖化が叫ばれてから数十年たち、脱炭素という言葉が一般的になってきてはいるが、経済の成長や現在の生活スタイルを保持しながら、気候変動の波を抑制するのはかなり厳しいのではないのだろうか?

2019年の国連気候行動サミットでの若き、環境活動家のグレタ・トゥンベリさんのスピーチの中で”Fairytails of eternal economic growth”という表現があった。すなわち”永遠の経済発展というお伽噺”。私にはこの言葉がやたらひっかかった。
え?資本主義ってそういうものじゃないの?と。

15年程前、北欧諸国で推進され、すでに根付いていた、再生可能エネルギーの状況を仕事を通じ知り、いたく感動し、「地球によいことしかない、これだ!」と若気の至りで思った。ただ知れば知るほど、地理的条件、国の方針、インフラの状況などで国や地域によって向き不向きがあることも理解した。
更に自然が相手だと、需要に合わせた供給が常にできるわけでもないので、万全ではないし、安定供給のためのバックアップが必要となる。
ようやく日本でも洋上風力が広まってきたので、それと共により安定的な供給の新たな道や蓄電の技術が進化していくことが期待されるところではあるが、これ単独で解決策には当然ならない。

斎藤幸平作、人新生の「資本論」という本がある。以前、読書感想文をnoteにまとめたが、私の稚拙な文章では残念ながら消化不良に終わっている。

人類の経済活動が地球を破壊する「人新生」=環境危機の時代。気候変動を放置すれば、この社会は野蛮状態に陥るだろう。それを阻止するためには資本主義の際限なき利潤追求を止めなければならないが、資本主義を捨てた文明に繁栄などありうるのか。いや、危機の解決策はある。ヒントは、著者が発掘した晩期マルクスの思想の中に眠っていた。世界的に注目を浴びる俊英が、豊かな未来社会への道筋を具体的に描きだす。

人新生の「資本論」
裏表紙より

正にデ・グロースを体系的に説明した内容なのだ。
因みにデ・グロースは1970年代に誕生した急進的な経済理論だ。前述の人新生の「資本論」のヒントになっているのは晩期のマルクスという。警鐘はこれまでにも何度も鳴らされているのだ。

ただ、地球温暖化がこれまでに身近になり、どの国、地域に住んでいても何らかの形で誰もが感じられるようになった昨今、耳障りのいい解決法ではすでに間に合わないと認識せざるを得ない。

人新生の「資本論」の著者は問題解決には”困難な「闘い」になるのは間違いない。”と言っている。ただ、可能性はあるとも。

希望は「3.5%」だそうだ。”ハーヴァード大学”のある政治学者の研究によると”3.5%の人々が非暴力的な方法で、本気で立ち上がると、社会が大きく変わる”とのこと。

ここ最近毎年のように降る”記録的”大雨、猛暑、国によっては干ばつ、繰り返す山火事。
デ・グロースが万全ではなく、反対意見も勿論存在する。でも対策、急務ですよね、急務。


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