詩/房葉(ふさば)の影

「房葉(ふさば)の影」

少し燻(くす)んだ窓ガラスの右肩に
房葉の影が揺れている

振り子のようにお辞儀をする影
時々風に揺さぶられ
もとの場所でまた漂う

またここにいるのかと
溜息にもなれない珈琲を飲み残し
不安の風に揺さぶられ
もとの場所でまた漂う

房葉(ふさば)の影が揺れるように


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