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【フィルムカメラマンの本音】撮影にあたって実は考えていること・お願いしたいこと

SNSでの活動を始めて7年、
ありがたいことに、4万人以上の方にフォローいただき、
カメラを通じて知り合った友達と撮影したり、
撮影依頼をいただけるようになりました。
色々な方と撮影できることは、
貴重な経験でやりがいもあり勉強にもなります。

私が良い撮影にするために必要と思っていること、
ご一緒するにあたってお願いしたいことについて、
自分の気持ちの整理もかねて書いてみたいと思います。

シナリオよりもその場の感動が原動力

カフェに行った帰りに海岸に行ってみたら、
トンネルから見えた景色が予想以上に綺麗だった

私の撮影スタイルとして、
撮影中の「感動」をトリガーにシャッターを切っています。
私にとっての「感動」は、
想像以上だったり思いがけない情景に出会った時、
これは残したい!と思う瞬間に出会った時が多いです。

そのため、
作品の設定やストーリーを事前に作りこむよりは、
日常や自然な雰囲気の中にある瞬間を残す方が得意と思っています。
例えば、「河川敷に撮影に行く」ということだけ決めて、
いくつか小道具を見繕って撮影場所に行きます。
そして、現場で歩いて見つけた木漏れ日や、
水面に反射した光など、
いいなと思った場面で撮影します。

こう言うと、作品を作りこむスタイルを否定しているように捉えられてしまうかもしれませんが、そうではありません。
「このストーリーを撮りたい」という目標を持って、
確実にその場面を実現していく、
そのことに感動を感じる方もいると思います。
計画性や表現力、実行力があるからこそなのだと思います。

まだまだ自分はそれらが未熟ですが、
今後はそういった撮影にも挑戦して、
撮影の幅を広げていきたいと思っています。


撮影予定を立てるときはお互いに意見を出し合いたい

「人魚姫のようなイメージで撮影したい」と提案してくださり、
淡いブルーのドレスを着てきてくださった被写体さん

正直、こう↑思っています。
相手から撮影に誘ってもらった時や依頼撮影の時は尚更です。

大抵、撮影前に撮影場所やイメージ、持ち物などの相談をするのですが、
その時に、
お互いにやりたいことを言い合えたり、
実現したいイメージを共有できたり、
積極的に予定を決めていけると、

撮影前に撮りたい構図の目星をつけておけたり、
場合によっては事前にロケハンや小道具の準備ができたり、
「頑張るぞ」「楽しみだな」
というモチベーションで余裕をもって臨めます。

逆に、
相談の段階で極端に連絡が取れない、
相手の意見が得られないなどすると、
なかなか話が進まず準備がギリギリになってしまったり、
内心「私の意見ばかり言っているけど大丈夫かな…」「本当に当日撮影できるのかな」
と思ってしまい、
釈然としないまま撮影に臨むことになってしまいます。

クオリティ高い撮影にするためにも、お互いの満足度を上げるためにも、
撮影前の話し合いは大切にしたいと思っています。

こちらのオーダーよりもその人らしさを大切にしたい

カジュアルな服装、パーマが似合っていた

撮影前のやり取りで、
「服装の指定はありますか?」
と聞かれることが多いです。
これについては、
こちらがお願いして着てもらうよりも、
被写体さん自身が輝けるものを着てもらいたい
というのが本音です。
(「スタジオが青基調なので背景と被る青は控えてほしい」、
「暗い場所なので黒は避けてほしい」など、
撮影に支障が出そうな場合はオーダーすることがあります。)

あるカメラマンさんの撮影に同行した時のこと。
いわゆるギャル系の被写体さんの制服の着こなしに対して、
「スカート丈もう少し長くできる?」
とオーダーしていました。
おそらく、カメラマンさんの中では清楚なイメージで撮影したかったのだと思いますが、
被写体さんがどことなく落ち着かない様子だったのが気になりました。

撮影のイメージや軸をはっきりと持っていて、
その世界観のために、被写体さんにこういった衣装を身に着けてほしい
という考えのカメラマンさんは尊敬しています。

一方で、私個人の考えとしては、
自分の世界観をもとにコーディネートするよりも、
その人の普段の様子がどんなで、
どういった撮影を好むのか、
どんな雰囲気が似合いそうかというように、
被写体さんのアイデンティティに合わせて撮影方針を考えていきたいタイプです

被写体さんがモード系のファッションが好きであれ、
サマンサ〇スモス系のファッションが好きであれ、
それぞれに合った撮影にしたいし、
それを考える過程も楽しいです。

被写体さんが撮影方針に共感してくれているか、
楽しんでくれているかが、
撮影のクオリティにかなり関わってくると思っています。
だから、本人が写りたいもの・輝けると思うものを身に着けてほしいと思っています。
特にこだわりがない、本当に何を着たらいいかわからない、
という場合は相談に乗るようにしています。
(一応パーソナルスタイルコーディネーターの資格を持っています)

また、何度もご一緒していて関係が深い相手であれば、
「〇〇ちゃんとこういう雰囲気の撮影してみたいんだけど〜」
と提案することもあります。
初めての撮影は、相手のありのままで。
回を重ねたら、新しい撮影にも挑戦したいです。

「おまかせ」は正直悩む

初詣に行くので神社で和装で撮影してほしい、
と言ってくださった被写体さん

依頼の撮影で、依頼者の方から
「わかなさんはどういうの撮りたいですか?」
「わかなさんが撮りたい雰囲気・場所・服装すべておまかせします!」
というオーダーを受けると、内心悩みます。

依頼撮影は私が撮りたいものを撮る撮影というよりも、
依頼してくださった方の目的を叶える・喜んでいただくために撮るものなので、
依頼者の方の希望を知りたいです。

被写体やモデルの経験がある方であれば、
ある程度撮影場所についての知識があったり、
撮影イメージの見当がついている方が多い印象なのですが、

私に依頼してくださる方の約7割前後は
「これから被写体を初めてみたいと思っている」
「興味があってとりあえず連絡してみた」
という動機のようです。
そういった方々は、フォトスポットや撮影についての知識があまりなく、
「詳しくないので教えてください!」というスタンスのようです。

その場合は、具体的な場所やイメージでなくても、
ちょっとしたことでもいいので伺えるように頑張っています。
「私の投稿の中で気に入っていただけた写真はありますか?」
「自然な雰囲気と作品っぽい雰囲気はどちらがお好きですか?」
「(いくつか参考画像を見せて)今の季節であればこういった雰囲気はどうですか?」
というように、質問を重ねて、「要望のかけら」を集めていきます。

それでも何も引き出せない場合は、
依頼者の方の雰囲気や季節・天候などを踏まえて、
こちらですべて考えます。
ただ、依頼してくださった方の要望を叶える・喜んでいただく
ということを第一にするのであれば、
相手の要望を直接聞けるのが一番です。
要望を引き出せるヒアリングをすることもひとつの実力だと思うので、
日々試行錯誤しています。

撮影時間が短い=気が乗らないではない


仕事の休憩時間に近所で撮影。
超短時間だったけれど大満足で解散。

私は、撮影にかける時間は日によってまちまちで、
依頼撮影の際にも、時間ごとに料金を設けている形ではありません(2024年2月現在)。

また、撮影を早めに切り上げたからといって、
撮影がはかどらなかったというわけではありません。

撮影場所の散策をおおかた終えたから、
被写体さんの体力的に限界と判断したから、
などの理由のほかに、
良い場面が多すぎて、既に十分満足した(撮れ高が十分になった)
という場合もあります。

それについては撮影条件や撮影相手などその場の状況によって判断しています。

ただ、撮影依頼のご連絡で、
「撮影は何時間くらいで終わりますか?」
「撮影時間は短くていいので料金お安くなりませんか?」
といった質問をいただくことがあります。
やはり、撮影時間は明確に決めていたほうがいいのかな、
と最近、検討しています。

おわりに

いろいろと書いてしまいましたが、
一番は、「相手にとっても、自分にとっても、良かったなと思える撮影にすること」だと思っています。
依頼の場合は相手が第一、自分が第二。

ご依頼いただけた際には、
「この人に頼んでよかったな」と思っていただけるようにフル回転しますので、
どうぞよろしくお願いいたします!


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