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「廃鉄」という趣味

鉄道趣味にもいろいろなジャンルがあるが、既に廃止された路線や計画または一部工事が進められながら、営業されることのなかった路線(未成線)の痕跡を訪ねる、という趣味がある。廃線探訪をテーマにした書籍も発売されている。
インターネット上でも、廃線や未成線を訪問した記録を主テーマとしたサイトやBlogがいくつか存在する。中には非常に多くの廃線跡や未成線の痕跡を精力的に探訪し記録している方もおられる。
かつては過去の地図を購入したり、図書館で郷土史資料を閲覧するなどしないと情報が手に入らないケースも多々有ったが、幸い現在では国土地理院の「地図・航空写真閲覧サービス」を利用することで、かなり高精細度の航空写真を居ながらにして無料で閲覧できるようになっている。更に、Googleの航空写真やストリートビューなどを利用すると実際に現地に行かなくても現地の状況をかなり詳しく知ることが出来る。特に現況の空中写真は分断されて断片化した廃線の痕跡を俯瞰的に見つけることが出来るため、十分な予備知識無しで現地に行っても見落としかねない現存する遺構を確認する手助けとなることが期待できる。また現地に行っても工場敷地内などで立ち入ることが出来ない部分についても、線路の繋がり具合が見えてくる場合も有る。
この数日、少しずつ暇を見つけて、かねてから興味を持っていた既に廃止となった、とある貨物駅及びそこから延びていた支線群について調べてみた。個人Blogで得た情報と、現在のGoogle空中写真を照らし合わせることで廃線・未成線たちの姿をほぼ把握することが出来た。今回調べた事例は、海岸の埋立地であったので、未成線部分についても用地が予め確保されていたようであった。そのため幸運にも未成線部分も含めて、用地の痕跡が緑地などとなってかなり良好に保存されていることが判った。線路の曲線部に沿って不自然な形で切り取られた建物や、周囲の建物と異なる角度で建てられた建物なども見つけられた。
せっかくここまで情報が得られたので、もう少し図上調査を進めてから、ポイントを絞って現地探査に行ってみたいと考えている。

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