保険の営業マンに必要なのは営業力ではなくマーケティング能力では?

私はその仕事上、ある業種の人と多数会ったことがあります。
そうです。保険の営業マンです。
某外資系の生命保険にお勤めの営業マンの方がダントツで多いです。

私たちと彼らの接点が深い理由は下記にあり
①素行調査などを頼まれることが多い
②別れさせ・復縁の何らかのターゲットになっている

この2つが主なものです。
②は普通にわかると思うんですが①はどういうことだろう?と思われるかもしれません。
あまり詳しくは書けない部分もあるのですが、彼らはサラリーマンではなく個人事業主として営業活動しており、所属はあるもののほぼ「一人親方
」なんです。
またお金を扱っていることからコンプライアンスに厳しいので「この人どんなことしているのか調べて」みたいな依頼が来ることがあるんです。
そして、ただの行動調査だけの場合もあるんですが工作員を起用した人物調査などを依頼されることもあります。

そんなこともあってこの某外資系生命保険の営業の方はたくさんの人と会ったことがあります。
そしてこんな特徴があります。
・みんな大抵数年で退職
・稼げている人は本当に僅か
・年収は事業所得となるので実際に手元に残るお金は思っているより少ない
・飲み会参加費用や喫茶店利用代など自腹なので下手したら赤字で貯金切り崩したり、カードローンしてる人もいる※飲み会代は経費で落ちるんでしょ?という声をよく聞くのですが彼らの経費はサラリーマンのように会社に請求はできません。確定申告の際に使った経費が多ければ税金が安くなる、という方法でしか還元されません。よって全額は返ってこないので経費で落ちる、という表現は正しくはないと思います。

年収青天井と言われて転職したものの…
確かに青天井です。本当に稼いでいる人は億のレベルの収入の方もいるそうです。
でも、そんな人たちは本当に極僅かです。
YouTuberを目指してもみんながヒカキンになれないのと同じです。
ヒカキンになれないほとんどの人がまず目指すのが年収1,000万です。
保険業界全体でも年収1000万を稼ぐことができる人は「MDRT」という会の会員になれ、そこそこ売れている人として生きていくことができます。

年収1000万…?
確かに凄いです。年収1000万稼げている人は普通に素晴らしいと思います。
でも上の項目でも書いた通り彼らの年収は「事業所得」ですからサラリーマンの年収1000万とは異なります。
支給額から営業経費(交通費・飲み会代・商談の喫茶代などかかったすべてのお金)を引いた残りが本当に稼いでる金額です。
営業経費は人によって異なりますが、大抵の方は毎日死ぬほど飲み会に行きまくらないといけない道を通るので、仮に一日5,000円飲み会代がかかるとしても一か月30日で15万です。
これだけでもまず年収820万になりますよね。
ここから交通費、商談の際の喫茶店代なども更に引かれるとなるとサラリーマンの年収と比べてそんなにいいものではないことが分かります。
でも、そのレベルで「そこそこ売れている人」を名乗れるのですから、業界的にいかに突き抜けるのが難しいかが見えてくると思います。

実際に話してみて感じたこと
わたしは上記のような営業マンと結構な数お喋りをしてきました。
みなさん感じよく、爽やかでパリッとした人が多いです。
そこら辺の男性の中ならモテそうな人と称される人ばかりと思います。※女性の営業の方には遭遇したことが私はありません。
ただ皆さん頭の中は常に「どうやって保険に入るやつを見つけるか」で頭がいっぱいで、それ以外のことは考えられる状態ではない人ばかりでした。
なので、表情や振る舞いは爽やかですが、幸福度は低そうな人が多いなというのが私の印象です。
仕事を下に見ているとかではありません。ただ、四六時中会う人会う人にどうやって売り込みをしようか?と考えながら接するというのは相当ストレスが発生するでしょう。

私ならどうやって保険を売るか考えてみた
私は彼らに接してみて、「自分はこの仕事は絶対にできないな」と感じたので実際にやっている人はむしろすごくたくましい方ばかりだなと感じます。
ただ、そういった方たちを見ていて「なんかもっとうまいやり方ないのかな」と思うことが多かったです。
やったことが無い私が言うのもおこがましいですが、「営業力が磨ける会社だから入った」「営業力を試してみたいと思った」と皆口をそろえて言っていましたが私はむしろこの仕事は営業力ではなく「マーケティング能力」の方が必要な気がします。
多分そこがわかっていない人が多いので「なんかもっとうまいやり方ないのかな」と思ったのだと思います。
それをふまえて私がやるとすると、とにかくまず人と知り合うためにいろんな飲み会に行ったり人を紹介してもらったり、までは同じだと思います。
その上で「この人にとって何が一番メリットがあるのだろう?」と考えて、そのリソースを自分が提供できる人を私はターゲットにします。
これができている人は正直一人もいなかったです。
皆さん「自分にとってメリットである保険をどうやって買わせよう?」と思っているので相手にとって何が大事なのか把握している人はいなかったです。
これは工作員活動の際にも私が一番念頭に置いていることで「人はメリットや楽しいことが無いと動かない」というのが私の持論です。
そのために「相手にとってどうやったら自分は必要な存在になれるのか?」を徹底的に考え、どんな些細なことでもそれを行う姿勢を見せます。
そうすると人は自分に好感をもち、時間がたてば信頼してもらえるのです。
なので、工作員として対象と仲良くなるのと同じように人と仲良くなり、信頼してもらって理想は向こうから保険の話をしてほしいと言わせることだと思います。
これは営業力ではなくマーケティング力だと思います。
他の人ではなく自分から買ってもらうメリットを見出して実行するのですから。あと、これをやると「自分を必要としてくれる人はどんな人か?」も分析できるようになってくると思います。これもまたマーケティングですよね。


ただ、これ書いてて思ったんですがめっちゃ時間かかるので来月の売り上げが無かったら生きていけない的な状況の人は真似できなそうですよね。
とはいえ、営業力よりマーケティング力、というのは私が感じた一番のポイントですのでこれを読んでいる営業マンの方は是非是非マーケティング能力を上げることを頑張ってみていつか私に保険を売りに来てください。



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