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✈︎らべあろ企画〜駅にまつわる思い出の一句〜

こちらの企画に参加いたします。


無錫むしゃく駅へ飛花煮卵の殻にこ


1998年初春、26年前の出来事です。前年の暮れに結婚した我々夫婦は、上海で新婚生活を始めました。三ヶ月ほどの上海暮らしの間に日本から両親が遊びに来てくれて、一緒に無錫まで電車で一泊旅行をした、その時の思い出です。

無錫駅に限らず、駅のホームでは煮卵がよく売られていました。殻ごと煮てあって、注文の数だけビニール袋に入れて渡されます。ずっと気になっていた煮卵を、無錫から上海へ戻る電車の出発待ちの間に買いました。味がよく沁みていたことは覚えているけど、肝心の味はどうだったっけ?八角か何かの香りがしていたような。クタクタに(?)煮込まれた殻は細かくひび割れていて、やわやわ、簡単に剥けました。

私たちが初めて両親を招待できたのが、この無錫旅行でした。父は、この二ヶ月後に急逝。数少ない親孝行の一つになっていたらいいなぁ思います。

「飛花」、桜の花が風で散る晩春の季語です。今回の句の季語を何にしようかと悩んでいた時に、無錫には三万本の桜があるという記事を見つけました。日中友好の証だそう。私たちが訪れたのはまだ肌寒い二月で、桜のことは知りませんでした。桜の木が植っているのは駅の周辺ではなさそうですが、風に乗ってひとひらふたひら…飛んでくる、かも!?妄想して詠みました。

ラベンダーさん、alohaさん、素敵な企画のお蔭で懐かしい思い出を詠むことができました。感謝感謝です。

よろしくお願いします!