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MPRE(全州統一法曹倫理試験)受験体験記

2022年3月にMPRE(全州統一法曹倫理試験)を受験しましたのでご報告します。

(4/21追記:結局、余裕の126点でした)

1.受験の背景

実際の受験体験記の前に軽く時系列をお話ししますと、2022年1月にLLMを修了し、一旦日本に帰国してから、再度渡米して2022年2月22,23日のカリフォルニア州司法試験を受けてきました。3月頭に日本の自宅に帰宅して、仕事に復帰し、妻と一緒に子育てを頑張りながら、そして、ときには妻に負担を掛けながらMPRE対策をして3月末に東京のピアソン(帝国ホテルタワー)にて受験しました。

LLMでアメリカにいる期間に何故受けなかったの?と聞かれると大変耳が痛いのですが、、去年11月の試験の申込締切日が9月17日で、その日に友人から「申し込んだ?」と聞かれて、謎に「11月か3月には受けるよ!3月受験なら日本からオンラインかな」などと答えていて、そのときは、まだ期限じゃないだろうし、仮に多少期限を過ぎてもアメリカだからLate Fee払えばOKでしょ、コロナ禍だから帰国しても日本から遠隔で受けれるだろうし、と思い込んでスルーしてしまい、4日後に期限を徒過していることに気付いた、という理由です。「申し込んだ?」と聞かれたときに、WEBで申込期限を調べれば良かったのですが・・・。

期限に間に合わなくて受験申込みができなかったなんて恥ずかしくて、LLMの友人&妻にしか言っていません。

2.貴重な日本からの受験機会

2022年3月は特別に日本からでも受験ができるということで、この貴重な機会に受験申し込みができて本当に良かったです。なお、次回からは残念ながら日本からの受験はNGのようでアメリカのどこかに行かなければならないようです。

この経験からアドバイス出来ることがあるとすれば、以下のとおりです。

①LLMでアメリカにいるうちに、忘れずに受けましょう!

②申込期限を調べましょう!Bar Exam本体とは違って、Late Filing制度はありません!

3.対策

問題レベルは合格点を取るという観点からは高くありません。MBEと同じ4択の事例問題で、60題・2時間(1問2分ペース)なので、1問1分48秒のMBEより気楽です。

さすがに無勉では受からないとは思いますが、言語の壁を考慮しても、大昔に1週間勉強して受かった簿記3級よりやや易しいくらいの難易度だと思います。これがネイティブならもっと楽ちんだと思います。

とはいえ、一応試験範囲全体をザックリ勉強する必要はあり、諸事情で平日はあまり時間が取れず、その点で少し苦労はありました。

3.1 使用教材

ロースクールのエントランスとかでBarbriの人が無料で配っていたMPRE対策の本のみ使用しました。この本、Barbri本体への呼び込みのために無料配布してるわけで、かなりしっかりしています。

Barbriの短い方のアウトラインを和訳したと思われる日本人ノートはconflict of interestsのところだけチラ見して、しっくりこなかったため使用しませんでした。material adverseはmaterial adverseなのであって、その邦訳を読んでも頭に入ってきませんでした。

Themisカプランからも対策本を無料でもらいましたが、ローの友人から何か1つということであればBarbriがいいとお勧めされたので、Barbriと心中することに決めていたため、使用しませんでした。

3.2 使用方法

Barbri対策本の使用方法は、泥臭い昔ながらの方法です。巻末にある100問くらいの○×クイズを解きながら長い方のアウトラインを1回大雑把に通読し、巻末にある240問の問題を、時間を計らずに解き、1問解く度に長い方のアウトラインの該当箇所を探して「ロークラーク時代にJのためにリサーチしまくった案件を後に弁護士として担当するのNG」などと、該当するルールのヨコに問題のサマリを日本語で書き込みました。

ルールは英語で理解し、具体例は日本語で理解する感じで勉強しました。

試験前日まで特に復習はしませんでした。というか、復習の時間がありませんでした。
Barbriテキストの短い方のアウトラインは、知識が雑然と並んでいる感じがして、そういうのは覚えられなさそうだなと思い、最初の数ページしか読みませんでした。

Barbri240問の1周目が終わったのが試験2日前だったので、間違えた問題の解き直しやNCBEの公式問題はやりませんでした。本当は2周した方がいいと思います。

240問×1周だけで良いかなと思ったのは、LLMで法曹倫理を取ってたしカリフォルニア州司法試験でも法曹倫理が試験科目だったためで、繰り返しになりますが、本当は解き直しの2周目を解いた方が良いと思います。あと、時間に余裕がある人は公式問題(見たことはないですが)も解いた方が良いみたいです。

ちなみに、60問×4の巻末問題の正答率ですが、

Exam1が35/60

Exam2が40/60

Exam3が43/60

Exam4が45/60

でした。Exam1のときはヤベェと思いましたが、解いていけば徐々に点が上がるので、その点は気持ちが楽でした。7割取れば良いと聞いていたので、Exam4まで終わった段階で、つまり2日前ですが、まぁ、よほど変な問題セットでなければ越えるかなぁという感じでした。

試験前日に公式問題を買って解くか悩みましたが、さすがにBarbri巻末問題を1回も復習しないで受けるわけにはいかないので、その日は時間を取って、色々と書き込みをしたアウトラインを読むことに専念しました。読み方としては、自分の書き込み&書き込み先ルール&その原則or例外(もしあれば)を中心に、1.5時間でアウトライン1周というくらいのペースで2周ほど読みました。

試験前日の夜は、(いつも試験直前は不安になるので)これは対策しなさすぎだし今回はダメかもなぁ〜アメリカ行かなきゃいけないかもなぁ〜と少し不安でしたが、本番の試験を受けてみたらBarbri巻末問題より簡単で驚きました。

結果はまだ出ていませんが、試験を受けた感触という限りでは、対策はBarbriの無料テキストのみで十分であり、特に資料を印刷したり、書籍を購入したり、対策講座を受講したりといったことまでする必要はないと思われます。

→この対策で126/150でしたので、Barbri巻末問題の解き直しや公式問題は不要かと思われます。

4.試験当日

試験は朝8時からだったので、40分前の7時20分に試験会場に到着するように家を出ました。

というのも、むかしから、発表会、スピーチ、裁判所の期日(尋問等)、試験とかの前日・当日はお腹の調子が悪くなりがちで、ひどいときは20〜30分に1回くらいトイレに行きたくなるので、試験前に済ませることができるよう早めに着くようにしました。それから、トイレ対策として、朝起きてからは飲食を何もしないで、お腹が緩くならないよう炭酸カルシウムの胃薬だけ服用して出かけました。

試験会場には、私以外にもMPRE受験の方がいて、『こんな時期に日本から受けてるなんて、きっと似たような理由だろう!』と勝手に妄想して、少し安心して受験出来ました。試験会場での流れですが、試験30分前から受付開始となり、ここで注意事項の紙が渡されます。読み終わると、スマホの電源が切られているかのチェックを受け、カバンを所定のロッカーに入れ、パスポート+免許証を見せてIDチェックを受け、写真撮影を経た後、案内されたパソコンブースで受験となりました。なお、耳栓とティッシュは持ち込み禁止でしたが、試験会場で用意してくれていました。

試験中は幸いトイレに行くことはなく、60問中、最初の35問は集中して解けました。この時点で45分くらい時間を使っていたと思います。お腹もすいてきて、そこから少し休憩がてら、その日の昼ご飯のことを考えたり瞑想をして、再度集中して解きました。最後に、フラグを付けておいた問題を再検討して、念のため60問全体を軽く見直しました。純粋ジャパニーズの私でも時間が余りましたので、そこまで厳しい試験ではないかな、と感じました。

試験後、今回の試験はだいたい5週間くらいで結果が出ますよというような受験済み控えのようなものを受け取り、帰宅しました。

注意点としては、身分証明書でしょうか。2つ必要ですので、パスポートだけしか持って来なかった!といったことのないように注意してください。それから、パソコン受験なので、私のようなメガネの人は、パソコンで2時間画面を見続けても大丈夫なようにメガネを綺麗にしておいた方が良いと思います。私は試験中にメガネが汚いことに気付いて、もらったティッシュで拭いました。

短いですが、MPRE受験体験記は以上です。

5.結果(4/21追記)


カリフォルニア州では86/150必要ということですが、試験受験直後の手応えとしてはさすがに100前後くらいは取れてるだろうと思っていて、結果を見てみたら126/150でした。あと40点低くても良かったということは、Barbri巻末240問をすべて解く必要すらなかった、ということなのですね。。受験前日に「やばい、勉強してなさ過ぎて受からないかも」と思った私は、どうかしていた・・・・。

万万が一落ちていたらアメリカに行って受け直さざるを得ず、経済的損失は莫大でしたので、よかったです。

それにしても、3月末受験で4/20に結果発表とは、めっちゃ早いですね。2/22,23に受けたCA州司法試験の結果なんてGW明けまで分からないんですよ・・・。


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