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ALGSチャンピオンシップ(世界大会)が終わって

ALGS Year2チャンピオンシップ(世界大会)が終わりました。コロナ感染者が続出してデュオでの戦いを強いられる日韓勢の頑張りと世界のレベルの高さに心打たれた大会でした。その振り返りを少し。

世界大会の結果を簡単に振り返り

日韓勢にコロナ感染者が続出し、デュオでの参加やコーチを入れての参加となり、元のメンバーでの戦いができず消化不良な戦いになりました。
そんな正規メンバー不在の中でも、選手+コーチのデュオでチャンピオンを取ったFENNELデュオでルーザーズ2まで勝ち上がったPULVEREX、デュオでルーザーズ2まであと1ptまで積み上げたFSVの戦いぶりは胸を熱くさせました。観客ありの大会だったということもあり、日本勢の頑張りに歓声が上がる姿は、有観客の大会の良さが現れたと思います。
また、前回大会で9位という成績を残したFnatic(元GAMEWITH)が4位に入賞したり、前回大会で13位に終わったαDも安定した戦いで勝ち上がり10位入賞と、世界とも渡り合える実力があることを示したと思います。
最終的にはDarkZero(元RIG)が世界大会二連覇という偉業を成し遂げ、前回大会不在だったGenburtenを含めた正規メンバーでの優勝を勝ち取りました。
チャンピオンを取ったら優勝という試合の途中で、
「Gen、王者になる気分はどうだい?」と問いかけるZer0の猛者感
はもはやカッコよすぎます(試合中に歯茎を出すな!)。

有観客の盛り上がりは圧巻だった

開催地はノースカロライナ州のRaleighという都市で行われました。人口40万人程度、ニューヨークから飛行機で1時間半程度の地方都市でしたが、会場には地元の方や国内のファン、海外から駆け付けたファンの姿が見られました。
やはり一番人気はTSMで、T・S・Mコールが湧き上がったり、NAの選手の活躍には歓声が大きく上がりました。
しかし、そんな中でもデュオでルーザーズ2を勝ち上がったPULVEREXに対してPULVEREXコールが上がったり、チーム所属していないTeamBurgerに対してハンバーガーのイラストを掲げて応援するなど、会場に来るまでは知らなかったであろうチームに対しても応援する姿は、観客の方たちに「オフラインでの楽しみ方」を十分に教えてもらったなぁと思いました。

「コロナ禍での世界大会」は今後も続く

今回の世界大会では、日韓チームに多くのコロナ感染者が発生し、また他の地域のチームにも感染者が続出しました。結果、FL、PVX、FSV、DNG、1iQの5チームがデュオでの戦いとなりPVXを除いてルーザーズ1で敗退、またコーチやチームスタッフを入れて戦ったチームも同じく敗退しています
コロナが消え去ることはしばらくないであろうことを考えると、今後も「コロナ禍での世界大会」は続くことが想定され、それに対して大会運営は対応を考えないといけないです。
前回もコロナ感染者がプレイできなくて問題になっただろ!隔離部屋を用意していないのか!!っという声が多数上がっていましたが、2か月でどうこうできる話ではないので、Year3でどうするのかというのが大事になってくると思います。

隔離部屋を用意しろ!というのは簡単ですが、考えないといけないポイントはたくさんあると思います。
・隔離部屋は何部屋必要なのか??
→1チームvs1チームのタイトルと異なり、同時並行で20チームが対戦し、現在の形式だと、裏の試合を含めると40チームが同時にプレイする必要があります。計120人のプレイヤーに対して隔離部屋は何部屋必要なのでしょうか。
・陽性者は一部屋にまとめていいんじゃん??
→陽性者は隔離する、というのが国のルールとして一般的に決まっている所、隔離せずに同部屋で過ごしても良い、という判断は運営ができるものではなく、公的機関への許可が必要かと思います。世界大会を開催するルールとなればWHOに準ずる公的機関へのお伺いが必要なのだろうと推測されます。
・適当に5部屋ぐらい用意しておけばいいんじゃない??
→1人1部屋と仮定して5人までは収納できるけれど、6人目の感染者が出た場合は出場できなくなり、早く感染した選手は試合に出れる、という支離滅裂なルールが生まれてしまいます。それでもいい、という合意形成が必要になりますね。ルール設計って難しい。
・隔離部屋を用意するにあたっての予算って??
→隔離部屋を用意する予算ってどのくらいなのでしょうか??単純にコストが増えるのであれば元手が必要になりますが、賞金減らす?有料配信にして視聴者から取る?高いスキン売る?身銭削ってまで隔離部屋用意させる覚悟は無料で見てるだけのファンにある?

と少し考えただけでも論点は色々と出てきますが、隔離部屋の用意自体は可能だと思います。「コロナ禍での世界大会」はこれからも続きますので、運営は対策を考えないといけないのです。
(PUBGはどうしてるんですかね・・・)

「緊急サブ登録」で見えてきたチーム間の格差

前回の世界大会からコロナ感染者が出ることに備えて「緊急サブ登録」の制度が設けられていました。存在は公開されているけれど詳細は公開されていない制度なため、何人まで登録可能なのか、登録期限がいつまでなのか、などは分からないですが、通常ルールのロースター2人が必須でサブ1人までというルールとは別に、「緊急サブ登録」の制度が設けられていました。
前回大会で優勝したRIGはGenburtenがコロナに感染し、Jmwが緊急でイギリスからスウェーデンに渡航し、優勝を勝ち取りました。
今回も同様の制度があり、NAの選手を中心に緊急サブとして出場している選手が多数いました。GMTは緊急サブとして入ったRamBeauの活躍もあり、世界5位まで昇りつめました。
なんで海外チームは代わりの選手が出て、日本チームはデュオなのか!!という声もちらほらありましたが、これは緊急サブ選手を招集していただけ、ということが分かります。もちろん日本チームは日本語でVCを行うため、日本語ができる選手に限られるという言語的な問題はありますが、日本チームで選手3人以外で選手を連れてきていたのはORF(プロリーグ2まで選手だったLemon選手が帯同/コロナ関係なく出場していたので普通のサブ要員と思われる)だけでした。
他の海外チームの緊急サブの選手が、いつからどのように登録されたかは明らかにはなっていませんが、現地に来て待機してもらう、出場した場合の賞金の割り当てなどの交渉は必要なのかと思います。
Element6というEMEAのチームは、前月に無所属の選手に声をかけ、緊急サブとして渡米させ、結果その選手は緊急サブとして出場していました。
なぜ日本チームは緊急サブとして別チームの選手に声をかけて帯同させなかったのか??ということを考えると、本件の本題に関わってきます。
コロナかかると思わなかった😢何も考えてなかった😢のであればチームのリスク管理として残念な話ですが、そうではないという前提で・・・。
前述のように言語の制約があるので、NAの選手の協力が難しいということもありますが、渡航費&宿泊費の負担という現実的な問題が出てきます。
EAのルールだと渡航費&宿泊費(6泊分)が支給されるのは3人までで、コーチやスタッフはもちろんのことサブ要員の費用は負担されません。
日本からローリーまでの渡航費&宿泊費は、ざっと1人50万円程度はかかります。残念ながらその金額を簡単に負担できないチームも多いのでは、と思います。
Element6はEMEAから会場まで緊急サブ要員を連れてきていたことを考えると負担できるチームは負担をする、という話です。
EAがサブ要員の費用も負担する(ざっと30万円×40チーム分=1200万円程度費用増)とするか、クラウドファンディングで各チームで募集をかける、など、「平等に訪れるコロナ禍の危機」に対してチーム間の格差を無くせる施策がYear3は打たれればいいなぁと思います。

ALGS Year2が終わって・・・

ALGS Year2が終わり、まだYear3は発表されていないですが、Year1とYear2の間隔を鑑みると、秋頃になるかと思います。
Year2が終わり、長らく活動していた選手の引退やチームの再編などが発表されると思います。Year3も続ける選手もオフシーズンということで一休みしつつ英気を養ってほしいですね!
チャンピオンシップ楽しかった!いつか日本でも見てみたい!

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