見出し画像

枠を広げる|自分の枠を外すために新しい体験をして幅広い選択肢を手に入れる

ウエイクアップでは、「宇宙視点からの意識の進化」というプロジェクトを進めています。今回は、「枠を広げる」をテーマに、CTIジャパン トレーナーの橋本博季(はっしー)とオフィスの山田希(のぞみーる)が語り合います。

※本記事内に登場する人物の所属・役職等は動画撮影当時のものです。

~ 「枠を広げる」ためにしていること ~

橋本:このシリーズは「宇宙視点で見る」ということなんだけれど、ふだん「宇宙視点から」なんて、見ないじゃないですか。だから今日は、枠を広げるというか、ちょっと外すというか、そういうことについて、話してみたいと思います。

山田:なんで「枠を広げる」について話そうと思ったのですか?

橋本:この間の、縣先生(国立天文台准教授)の宇宙プロジェクトのイベントに出たんだけど、宇宙って、ずっと膨張し続けてるんですよ。で、このままいくと、たぶん、いつかちぎれる(笑)。まあ、ぼくらが生きている間には、そうはならないでしょうけど。
で、「人も宇宙」という、メタファーでもあり、本当のことみたいなこともありますよね。

ぼくも、コーチングやっているから、人の成長というのは「枠を広げる」ということでもあると思っているので、そういう観点で、宇宙の話をしてみたいと思います。

のぞみーるは、枠を広げる、自分自身を広げるときに、どんなことをしてる?

山田:つまらない例かもしれないけど、まずは、「飽きるまでやる」。たとえば、ゲームをやるとき、ずっと同じやり方をやっていて、飽きるまでやって、失敗するんですよ。あ、これじゃうまくいかないんだなあ、というところで初めて、「違うやつ、やってみよう」って思う。

橋本:いったん、とことんまでやってみよう、と。

山田:そうそう、そうすると、気持ちの納得感はあるんですよ。あ、もうこれは無理なんだなあ、という。ゲームだと、自分のパターン、愛着のある攻略方法みたいなのがあるわけですよ。ここから攻めようとか、ここを押さえたら安心して次へ行ける、とか。

橋本:なるほどね。それを徹底的に、飽きるまでやる。そうすると?

山田:身体で、「ああ、もう無理なんだ」って思えるわけです。で、別のやり方にいくんだけれど、自分がふだんやらないやり方って、どこか、恐い、というか、自分の枠の中では、非合理的なんですよ。

橋本:今の話ですごくいいな、と思ったのは、自分にとって非合理的なことをやるって、意外にやらないことなんだよね。自分の成功パターンを持っているわけだし。

山田:でも、自分の成功パターンって、「自分にとって」なんですよ。他の人から見たら、「えっ、ここから行けばいいじゃん」と思うかもしれないのに、自分は「いや、こっちだ、何か道があるはずだ」って同じやり方でずっとやってしまう。だから、それは自分にとっての「枠」なんですよ。

橋本:なるほど。それを中途半端にして「こっち行く」んじゃなくて、もうこれ以上ない、というところまで行って、それから、別の道で「こっち行く」と。おもしろい。

~ 合理性の物差しで測れない世界に行く ~

橋本:ぼく、先月、オランダでやっている「ボーダーセッション」ていう、アートとかデザインとかテックとかで、どうサステナブルな未来を創っていくか、というセッションに出たんです。SDGsみたいなスタンダートなものじゃなくて、医療の領域とかアートの領域とか、いろんな角度から、良い未来を創ろうとしている、かなりぶっ飛んだ研究なんかがあって。

これ、何のために役立つんだろう?みたいなことを、すごくまじめにやっている人がいる。

たとえば、「ロボットの気持ちをどうやったらわかるか」みたいな(笑)。

山田:それは、「ロボットに気持ちがある」っていう前提からスタートしているんですか?

橋本:いやわからないけど(笑)。あと、リスって、知ってるよね。

山田:動物のリスですよね?

橋本:そうそう。リスはね、外敵、捕食者が来ると、こう尻尾をパッと立てて、仲間に「危ないぞ」ってことを知らせるのね。そうすると、他のリスも、尻尾が立ってるのを見て、ああ危ないらしいぞっていって、みんなでそうやるらしい。
それを模倣した、尻尾みたいなのを作って、それでAIで探知して、犬とかが来ると、リスより先に、このAIの尻尾が立ち上がる、というのもあった(笑)。

山田:え、それを見て、リスが逃げるの?

橋本:そう。それを見て、リスが危ないぞっていって逃げる。それをほんとのリスより先に尻尾を立てられるか、っていうのを、研究している人がいて。訳わからないでしょ。

山田:あはは。何のためにやってるの?

橋本:何のため、っていう先に、副産物的に、もしかしたら全然違う使い方とかがあるかもしれない。そういうことが、世の中を変えていくって、彼らは言っていたのね。

山田:イグノーベル賞みたいだね。あれもそんな感じだよね。

橋本:それは、やっぱり、目から鱗だった。みんなが「こうだなあ」と思うところに行っても、そのくらいまでのことしか起きない。さっきの話じゃないけど、「こっち側まで行っちゃうとどうなるのかな?」っていう、極の方に行くと、わからないことが起きて、それが枠を外すかもしれない。
多分、宇宙とかも、そういう感じじゃないかと思うんだけどね。

山田:そうかもしれない。何か、物差しが変わる感じだよね。合理性の物差しだけで見るのか、何か全然違う基準を持ち込むのか。非合理の世界って、すごくおもしろいよね。

~ 枠を広げるのは「思考」ではない ~

橋本:あと、自分には、自分自身の枠を広げたい、というのがやっぱりある。コーチングとかで、人のリーダーシップの応援とかしていると、自分も幅を広げたいと思うよね。

そのためにやっていることがいくつかあるのだけれど、その中に、「会った人が適当に言ったアドバイスを、もう、絶対無条件でやる」というのがある。

山田:へえ。

橋本:何言ってくるかわからないし、ぼくの希望と合っているものかわからないんだけど、一回、素直に従ってみる。

山田:いいね。きわめて非合理的な(笑)。なぜ、そういうことをしようと思ったの?

橋本:いや、ちょっと、そういうのがないと、枠って広がらなくない?

山田:確かに。自分の枠の中だけで行動しているとね。思った通りのものしか出てこない。

橋本:結局、あんまり変わらないんだよね。そこに、全然違うものを、ポンと言われて。

たとえば、今、ブログを書いたりしているのも、「やった方がいいよ」と言われて、その日に登録して、始めた。書き始めたら、いろんな人から連絡がくるようになったりしてる。

「『全裸監督』、見よう」って言われたから見た、とかね。あれ、すごくおもしろいんだけど、そんなの見ようなんて、全然考えていなかったから。ちょっと自分の思っていたのとは違うけど、結構、おもしろかった。

山田:へえ、おもしろいねえ。

橋本:全く予想していない方向に行っているんだけど。そういうこと。

山田:何か、未知のものを呼び込む感じだよね。

橋本:そうなんだよね。のぞみーるは、他に何かある?のぞみーるって、いろんなところに学びに行ったりしていない?

山田:ああ、学びに行っている。森の中で一人で、というのにも行ったことある。

橋本:それ、海外でしょ?

山田:そうそう、わざわざ海外まで行って。森って、日本にもいっぱいあるのに(笑)。
でも、人生のどこかで、そういう決断を一回でもしておくと、ハードルが下がるじゃないですか。たぶん、一回目がすごく大変なんだと思うけど。何か、恐ろしいことが起きてしまうんじゃないか、とか。

でも、最初のハードルを越えちゃうと、「あ、こんな感じ」ってわかる。自分の感覚値があるものって、信頼があるんですよ、たぶん、自分の中で、この辺まで行っても大丈夫、という感じがある。恐いときというのは、それがわからないときじゃない?

こう、踏み外したら真っ暗、っていうときに、ちょっと踏み外してみる(笑)。

橋本:何か、宇宙って、ぼくの中で恐いんだよね。真っ暗だし。宇宙旅行なんて、全然行きたいと思わないわけ。

山田:あ、ほんと?宇宙は行ってみたい、私。

橋本:宇宙って、未知過ぎて。宇宙の映画見てても、けっこう恐い。でも、何かそこにある、ということも、すごくわかる。何かこう、瀬戸際っていうか。

山田:ああ、確かに。

橋本:宇宙は未知過ぎるんだけど、日常の中では、自分がよくわからなくて恐いところまでやる。やる、っていうか、触れてみる、行ってみる、ということかな。肌感覚っていうか。

山田:肌感覚は、すごく大事な気がする。そこは、思考では超えられない感じがする。

橋本:思考じゃないんだ。

山田:思考じゃないです。思考で超えられたことは、一回もない。枠自体が、思考じゃないじゃない?たぶん。

橋本:何か、今、すごくいいこと言っている気がする(笑)。

山田:いいこと言ってる?枠自体は、きっと、本能的だったり、ごちゃまぜになってる何かだから、そこは、手探りみたいな、要するに、感覚を総動員した方が超えやすいな、って感覚はありますね。

橋本:そうねえ、幅を広げるって、頭を使って、って感じじゃないね。

山田:頭じゃない気がする。行動とか……。

橋本:「何かやる」ことだよね。そういうことに「思いを巡らせる」とかじゃなくて。何かやってみる、その肌感覚というか、思考じゃないとこで行く、というのは大事な気がするね、これから、けっこう真面目に、未来を切り拓こうとしているときに。

~ ゲームのルールを変える ~

橋本:あと、やっぱり、知らないことをやった方がいいね。自分に合っている学びだけではなく、訳わからないような。さっき言ったボーダーセッションも、3日前くらいに、たまたま見つけたのね。悪口言うわけじゃないけど、「急に作った」感がすごくて、サイトの詳細を見ようとしてクリックしても、そこに飛べないわけ(笑)。

だから、逆に、行きたくなった。オランダ発で、すごく尖った雰囲気で、でも内容わかんない、みたいな。で、外でやる、とか書いてあるのね。

山田:あ、屋外なのね。

橋本:そう、屋外。そして、さっきのリスの話みたいな、AIをいろいろ使ってるようなプレゼンテーションが、18くらい、延々と炎天下の中、続くわけ(笑)。皆もう、朦朧としながらやっている。

山田:なんでやったんだ、ていうね(笑)。

橋本:ちなみに、そこで、コンセプトというか、言葉として、すごく言われていたのが、「バックキャスト」ということ、フォアキャストじゃなくて。今の現状から未来を見ていく、ということではなくて、ありたい姿、未来を、一回、自分で設定してしまう。

山田:はいはい。

橋本:それが現実的かどうか、というようなことじゃないわけ。それでバックキャストするというか、そこへ行くために、どういうことが本当に必要なのか、とか、ないのであれば、何か生み出す必要があるのか、とか。テックにしても医療の領域にしても。意識の進化、というか。

山田:それも、枠というか、物差しを変えていく感じだよね。

橋本:ゲームチェンジャーなのよ。

山田:そうだよね。前提から、こう覆していくというか。ゲームでそれやると、「ふざけんな~!」って言われるけど(笑)。

橋本:でも、ルールを変えちゃうみたいなことだから、必ず、その抵抗勢力が現れる、ということも、すごく話されていた。
まあ、ちょっと、大きい話になったけど。枠を外すって……。

山田:何か、おもしろいよね。

橋本:おもしろい。

山田:生きている感覚があるよね。

~ 自分の中の「枠」を揺さぶる ~

橋本:ぼく、イスラエルのベンチャーを支援している女性に会ったのね。何のベンチャーかというと、培養肉。肉を、細胞から培養するの。家畜を飼うのではなくて。

家畜って、二酸化炭素のこととか、地球環境にまずい、ということがあって、実は研究がもうすごく進んでいるんだって。今、宇宙で培養しているの。

山田:え、宇宙ステーションみたいなところで?

橋本:そう。知らないでしょ?

山田:おお、宇宙産の培養肉!

橋本:そう。まあ、無菌ということで、培養しやすいっていうのもあるんだけれど。宇宙で暮らしていくということが、かなり視野に入っているときに、宇宙でタンパク源を安定的に供給するために、ということを、もうやっているんだよね。

山田:ああ、おもしろいねえ。

橋本:そういうのを聞くと、全然、違うでしょ。ゲームチェンジャーだから。人工のものより自然がいい、っていう、この前提もホントか?ということ。

山田:わからないよね。

橋本:そうなんだよ。ボーダーセッションの中でも、みんな、そおおかああ、みたいな感じになった。本当に何が安全か、ということが、自分の中でも、揺さぶられてきたわけ。

山田:そうだよね。宇宙に暮らすなら、宇宙産の方がいいじゃない、みたいな。地産地消(笑)?

橋本:いや、そういうことだよね。だとしたら、人工のものも全然あり、かもしれない。別に、そっちを選ばなきゃいけない、ということではなくて、選択肢があると、何か幅が広がった感じ。実はそういう選択肢もあるんだよ、っていわれると、だいぶ違う気がする。

山田:ああ、そうだねえ。おもしろいね。

橋本:おもしろいでしょ。たとえば、「和牛」ってブランドでしょ。でももう、種は海外に出ていて、中国には、オーストラリアからオージー和牛っていうのが輸入されてるの。

山田:もうその時点で、意味わかんないね(笑)。オージー和牛なんだ。

橋本:だから、「3年後の和牛は、培養肉です」みたいなことをやって、世界のトップを走る、というのも選択肢じゃないか、という話になって、ぶっ飛んだ感じがあるんだよね。

山田:何を食べるかで、自分の身体の組成が変わる、って言うじゃない。そういう、新しいものを取り入れていったら、もしかしたら、自分の身体も、全く変わっていくかもしれないよね。

橋本:変わるかもしれないね。そういう実態を聞いたりすることも体験だし、実際に食べてみたりすると、またそれも体験になる。そうすると、まただいぶ違ってくるかなあ、なんて思う。でも、もうすでに、いろんなことをやっているんだよね。すごいでしょ。

山田:宇宙農場とかも、そのうちできそうだね。

橋本:野菜も、そういうところで、水耕栽培でやっているらしいし、あと、タンパク源さえ取れればいい、とかね。まあ、「宇宙視点」とはちょっと違うかもしれないけど、そういうところから見たら、全然違うふうに見える。住む場所も、変わってくるからね。

山田:食物連鎖の概念が崩れていく感じだね。違う連鎖が、もっと見えてくるかもしれないし。

橋本:そうそう。

~ 「枠を外す」といいこと ~

橋本:「枠を外す」と、何がいいんでしょうね?
今、自分で話してて思ったけど、これからの時代にいいなと思うのは、選択肢が増える、ということかな。どれが良い悪いじゃなくて、いろんな選択肢があった方が、やりやすくなるんじゃないかな。

山田:私は、やっぱり、生きている実感だな。

橋本:生きてる実感!この、肌感覚?

山田:肌感覚で、未知のものに触れるときって、すごく、こう感覚が研ぎ澄まされるというか、あの感覚はすごく大事だなあと思っていて。生きていくうえで、何が待っているんだろう、っていう。

橋本:そこ、好きなんだね。宇宙、行きたいんだもんね。

山田:宇宙行きたい、行ってみたい。ふわ~んて行って帰ってくる、みたいな(笑)。「アポロ13」とか見ていると、肌感覚で、あ、月があそこにあるんだ、とか、あ、星ってあるんだ、とか感じる。地球から見ているだけではなくて。

橋本:「知って」いることとは違う、ちょっと体験する感じね。

山田:そうそう。もっと、手触りがある感じ。おお~!みたいな。

橋本:じゃあ、今度、培養肉、食べに行こうか?

山田:培養肉レストランとか、あるの?

橋本:あると思う。もう、人工の肉のバーガーも出てるから。そういうの食べたりすると、また違うかもね。

山田:そうだね、また、思考、意識が違ってくるかもしれない。

橋本:あれ、これけっこういけるな、とか、意外といいな、とか。そんなふうに、いろいろ広げていくといいよね。

山田:枠を広げる、枠を外す、って本当におもしろい。

<ウエイクアップ・リーダーズ・マガジンのご案内>
㈱ウエイクアップでは、コーチングやリーダーシップに関する最新情報を
無料メールマガジンで発信しております。ぜひご登録ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?