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意識の進化 × ダンス|踊りがもたらすものとは!?自身と向き合い変容したこと

「宇宙視点からの意識の進化プロジェクト」では、「意識の進化×○○」シリーズと題して、いま問われている人の意識の在り方、そのアップデートについて様々な角度から探求し、対話をお届けしています。
今回は、アフリカンダンスを広める活動をされている佐藤綾子氏(ニックネーム:ココア)と、Movement Medicine Apprentice Teacherである景浦由美子氏(ニックネーム:ゆみこ)をゲストに迎え「意識の進化×ダンス」について対話を行いました。ゲストのお二方に、(株)ウエイクアップ「意識の進化プロジェクト」のメンバーでキューバンダンスを踊る岡本直子(ニックネーム:なおちゃん)も交え、CTIジャパンでコーチングトレーナーを務める伊藤貴子(ニックネーム:たかこ)がお話を伺いました。

※本記事内に登場する人物の所属・役職等は動画撮影当時のものです。

~本日のテーマとゲスト紹介~

伊藤:皆さん、こんにちは。ウエイクアップの伊藤貴子です。

岡本:こんにちは。ウエイクアップの岡本直子です。

景浦:景浦由美子です。

佐藤:佐藤綾子です。

伊藤:今日は「意識の進化×ダンス」というテーマで話していきたいと思います。皆さん、よろしくお願いします。

岡本、景浦、佐藤:よろしくお願いします。

伊藤:では、この4人で話をしていきますけど、まずは自己紹介をしていきたいと思います。私は、この「意識の進化プロジェクト」のメンバーで、株式会社ウエイクアップの伊藤貴子といいます。私はダンスをやっているわけではないんですけど、ダンスを通して意識の進化を、というところに興味があるので、今日はこの会に参加させてもらいました。よろしくお願いします。

岡本:私はたかこさんと同じく、ウエイクアップの「意識の進化プロジェクト」をやっています岡本直子です。私は、仕事の傍らでキューバという国のダンスを15年くらい踊っていて、今回、「意識の進化×ダンス」というテーマで話すということをすごく楽しみにしています。今日はこの場に、プロジェクトのメンバーであるとともに、ダンスをしている人として参加させてもらっています。よろしくお願いします。

景浦:景浦由美子と申します。私は、Movement Medicineというダンスの、今はApprentice Teacherという立場で、教えることを学んでいるタームにおります。Movement Medicineと出会ったのが2015年で、それから5年、学んで探求しているうちに教える側になりました。このMovement Medicineはイギリス発祥のもので、ジャンルでいうとコンシャスダンスというジャンルのものになりますけど、見せることを目的としていなくて、体の自由な動きをやっていくという型の無いダンスで、動く瞑想とも呼ばれています。立場も中身も後ほど詳しくお話できたらなと思います。よろしくお願いします

佐藤:佐藤綾子といいます。ココアと名乗っていますので、今日はココアでいきたいと思います。私は、アフリカンダンスというダンスを2003年くらいから踊っています。ゆるゆると、趣味の範疇で最初は踊っていたんですけど、2017年くらいにインストラクターの資格をとって、そこからちょっとだけ教えるってことを始めて、ここ1年は、オンラインで、わりとコンスタントに、定期的に教えるような感じのクラスを持たせてもらっています。

アフリカンダンス、語るとたぶん2、3時間で収まらないくらい話せると思うんですけど。(笑)私が踊っている、アフリカのダンスって、皆さん、アフリカ大陸を思い浮かべていただくとめっちゃ広いじゃないですか。で、いろんな部族がそれぞれのダンスを踊っているんですが、私が踊っているダンスは、西アフリカのセネガルとかギニアのあたりで踊られている伝統的なダンスです。太鼓のリズムに合わせて踊るっていうとこがまず大きな特徴です。打楽器ですね。いろんな打楽器や太鼓がありますけど、ジャンベ(という太鼓)は結構、一般的に皆さん知られているかもしれません。その太鼓のリズムに合わせて、跳んだりはねたりするというダンスです。

いろいろと意味があって、音楽にも意味がありますし、振り付けにも意味があったりして、自分を表現するということもそうだし、大いなるもの、大地とつながったりとか、天とつながったりとか、そういうちょっとスピリチュアルな部分も持っている、そんなダンスをやっています。今日はダンスについて言語化することを頑張りたいと思います。よろしくお願いします。

~「意識の進化×ダンス」というテーマの背景~

伊藤:それでは、この4人で対話をお届けしていきますけど、そもそもどうして「意識の進化とダンス」というテーマを選んだかというと、私となおちゃんで話をしていて、「これいいね」ということになったんです。なおちゃんが「意識の進化とダンスを掛け合せたらどうだろう?」と言った理由や背景を、聞かせてもらいたいんだけど。

岡本:背景としては、私はずっとダンスをやっていて、自分が学んだり、踊るのもやっているんですけど、ダンスのコミュニティもかなりでき上がっているんですね。私のダンスはサルサといって、サルサバーというバーに行くと自由に踊れるんですよ。だから、そこでいろんなつながりが生まれている。そういう人たちの中には、サルサを踊っていて癌を克服したっていう人がいたり、うつ病になって、ずっと会社には行けなかったけど、その中でもずっとダンスのレッスンには通っていて元気になりました、とかいう人もいる。そういう極端な事例もあるし、もう踊っている時のみんなの表情だったり、まったく見ず知らずの人と一緒に踊って、この楽しさを共有するということがすごく豊かです。何かこの、踊ることとかダンスには、人の喜びや、よりよく生きることの智慧なのかヒントなのか、何かがありそうというのは、ずっと思っていました。

また、CTIジャパンでいっている、「コーアクティブ」*1っていう言葉とかも、すごくダンスと融合性のあるものだなとずっと思っていたので、コーアクティブ系も知っていて、ダンスもやっている人と、話してみたいなと思っていたんです。

ゆみこさんもココアさんも(CTIジャパンの卒業生で)古くからの知り合いですけど、お二人がダンスにまつわる活動をされているのをSNSで見ていて、これについて話してみたらおもしろいんじゃないかなと思って、お声がけさせていただきました。

伊藤:私も、自分は、ダンスっていうのをちゃんと踊るわけじゃないんだけど、ダンスには何か、特別な何かがあるのではないか、人類に、人間にとって、何かあるな、というのはすごく思っています。
今も(三人の紹介から)出てきたことは、地域はバラバラで、それに日本にもあるじゃない?日本の踊りもあるし、人には太古の昔から踊りがあったんじゃないか。踊りを通して目に見えない何かがものすごく作用するし、自分自身、個人にも、同時にコミュニティであったり、そういうものに対しても意義がある。それこそ、自然とつながるとか、大地とつながるとか、そんなものを通して、意識の進化かどうかわからないけど、人の意識にものすごく影響をもたらしているんじゃないか、と思っています。
それが一体なんなのか、三人と話すことで、それぞれの角度から、それぞれのダンスのことを切り口に話していくと見えてくるんじゃないか、と好奇心を持っています。

皆さん、すごくうなずいてくれているから、きっとそれぞれ感じているものがいっぱいあるんじゃないかと思うので、早速、この三者三様のダンスについて、聞いていきたいなと思いますけど、いいですか?

じゃあ、まずはなおちゃん。なおちゃんがやっているのがCuban Danceっていうんだよね。

~それぞれのダンスの特徴~

<Cuban Dance>

岡本:はい、私はキューバという国のダンス全般をやっています。

伊藤:全般、なんだね。

岡本:すごくいっぱい種類があるんですよ、キューバという国のダンス。音楽もダンスもすごくいっぱい種類があって。それを2006年頃から15年くらいやっています。5~6年前に子供を産んでからは、あまり踊っていないですけど、それまではかなりいろんなところでパフォーマンスをさせていただいたり、仕事にはしていないですけど、先生のアシスタントとしてちょっと教える経験をさせてもらったりとか、いろいろしていました。産後も1年に1回くらいどっかで踊るかな、とか、さっきのサルサバーってところに遊びにいったりしています。

キューバのダンスというのはいろんな種類があるんです。キューバという国はアフリカから連れて来られた奴隷の人たちもいるし、スペイン系の移民、入植してきた方もいるので、いろんなものが混ざりあっています。

アフリカ系から来たものは、アフロキューバンと呼ばれていて、たぶんアフリカンダンスと似ているんですけど、いろんな国、コンゴとかもあるし、ヨルバ族っていう部族の踊りがあったり。私は、そっちの古い踊りはあんまり専門じゃないんですが、一応ちょっと踊れるっていう感じで。そちらは本当に野性的な、ともすると狂ったように踊るような踊りで。さっきココアさんも言っていたけど、神様の踊りだから神様がいて、神様ごとの音楽もあって、神様ごとの振り付けもあるし色も決まっています。神話みたいなものがあって、この神様が扉を開きましたとか、ちょっとおもしろいのは浮気者の神様とかもいろいろいて、この男の神様はモテるとか、こっちの女性もモテて、こことここはデキているんだけど、実は他の神様ともつながっているとか(笑)、そんなこともありながら。そういう古い踊りもあります。

あとは、たぶん奴隷とかが起源だと思うんですけど、ルンバというダンスもあります。そのうちの一つは男性だけで踊る踊りで、男性が自分のかっこよさを表わす―今日の撮影では踊らないと言っていたけど、ちょっと踊りますね(笑)―男性のかっこよさをこんな風に、俺が一番!みたいな(しぐさや振りで踊る)踊りもあるし。あとは、奴隷が足を鎖で繋がれていたんだけど、それでも(踊るという)…。だから、こういうルンバという種類の古い踊りは姿勢も悪いんですよ。こんな感じで(背中を丸めて)踊ります。足は繋がれたまま踊る。

これを、男女ペアで恋愛的な駆け引きの踊りとして踊るものは、ペアのルンバ(ワワンコ)っていうんですけど。そういうものも、あります。(踊りながら)こんな風に、女性はどうぞどうぞ、来て来て、美しいでしょと。それで、男性は女性を狙います。ちょっと性的だけど、バクナオと言って、男性が女性に、いろんな表現があるんですけど、例えば足を出したりとか、手で投げたりとか。それを女性は(手で避けて)逃げないと妊娠してしまうという。(笑)

佐藤:なんかすごいねえ。へええ。

岡本:これは恋の駆け引きのダンス。これは(ペアだけど)男女が繋がっていない状態、離れていて接触はほとんどない状態で踊るんだけど、すごくつながりを感じるダンスです。

伊藤:その避けるっていうのもダンスの振りの1つとしてあるってことね。

岡本:そうです、避けないと妊娠しちゃうから。で、あとは男子をからかったりもするの。避けた後に、まだまだね!(と、いうしぐさをする)みたいな。(笑)

伊藤:十年早いわよ、みたいな。おもしろい。

佐藤:おもしろい。(笑)

岡本:私、専門じゃないんで詳しくはないですけど、途中で女性はお掃除しているような振りが入ったりとか、そんなこともあります。

伊藤:日常のも入るんだね、日常のものも振りだという。

岡本:そうそう、それはけっこう古めのダンスで。そこから現代にいくと、ポピュラーダンスと言って、ペアで踊るものとして、まずキューバの起源だと、ソンというダンスがあるんですね。それはヨーロッパから入ってきた宮廷っぽい音楽と、アフリカ系の太鼓のリズムが混ざったような音楽で、ちょっと優雅にペアで踊ります。男女ペア。あとは、ポピュラーダンスとしては、マンボとかチャチャチャとかも有名だと思います。

それと、ソンがもうちょっと現代っぽくなったものとして、サルサというペアダンスがあります。キューバンサルサはカッシーノとも呼ばれているんですけど、男女がペアで踊ります。

さらに、それが複数組で(キューバンサルサを)輪になって踊る、ルエダという踊りなんかもあります。それは超楽しい。みんなで一緒に踊れるので。しかも即興です、だいたい全部。パフォーマンスや振り付けでやる時以外は、さっきのルンバの駆け引きも即興だし、ソンもサルサも即興です。ステップのリズムだけ決まっていて、あとは即興です。
ルエダという複数組で踊るのは、さすがに、一応号令はあります。次はあの技、次はこの技みたいな。でもペアが途中で入れ替わったり、縦横無尽に動いてすごく楽しいです。一体感が感じられる。チームビルディングにいいんじゃないか、とほんとに思っているくらい。

さらに現代にいくと、キューバンショーダンスと言って、キューバは世界三大キャバレーのひとつの、トロピカーナというキャバレーがあるんですね。すごくきらびやかなダンスショー、歌を歌ってセクシーなダンサー達が出てきます。それはショーダンス、見せるダンスなので、バレエ的な要素も入っています。(踊りながら)こういう感じで美しく、美しい感じで魅せるもの。

私が専門にやっていたのは、そのショーダンスと、さらに現代版のダンスで、ちょっとヒップホップの要素が入ってくるダンス(レゲトンもしくはクバトン)。スパニッシュレゲエみたいに言われているレゲトンというジャンルの音楽があるんですけど、レゲトンの中でもキューバのレゲトンはクバトンと呼ばれています。クバトンっていうのはヒップホップみたいな感じで激しい。こういう感じ(身体を前後に激しく振る、肩胸腰のムーブメントを入れながらステップを踏むようなものなど)。でも、そのクバトンにも、アフリカンダンスの要素がすごく入っている、基礎が。こういうの(胸の動き)とかも、こういう(神様の踊りのような)アフリカンの動きとかとすごく似ています。

そんな感じですかね。こういう説明でよかったのか、ちょっとわかりませんが。(笑)

佐藤:キューバの人はみんな踊るの?

岡本:私は、キューバには、行こうとしてもなかなか行けなくて、行ってないんですが。いろんな情報によると、3歳の子供からおじいちゃん、おばあちゃんまで結構踊るらしいです、日常の中で。公園では、Sabado de la Rumbaといって、土曜日のルンバ会という行事があって、そこへ行くと、ルンバのバンドとかもいるんだけど、他の場所でも誰かが奏でていると、町でも誰かが参加してきて音楽を奏でる、周りの人は踊るっていう世界観なんです。

(みんな踊るという話で)一個だけ思い出しちゃって、どうしても伝えたいことがあります。数年前に、キューバがすごい津波で、ハバナ市内が水浸しになった時があったんですよ。腰ぐらいまで浸かっちゃっているんです、建物も壊れていたり。でも、YouTube とか、キューバ関係の知り合いたちがSNSにあげていた動画で見たのは、水に浸りながらも踊っている姿。基本のリズムがあるんですけど、それを手拍子で誰かがやれば、楽器がある人は何か持ってきたり、歌える人は歌ったり。それに加えて、みんなもう、水に浸りながら踊っている。このパワーは何なんだろう、この底力って何なんだろう?というのに、本当に一番魅かれていて、(それで)ずっとこのダンスをやっているっていう感じですかね。

伊藤:なるほどー。具体的な踊りは、ああ、そういう動きなんだって感じだけど、でも、そのパワフルで生命力が溢れてくる感じというのは、Cuban Danceにはすごくあるんだな、というのは伝わってくる。

岡本:生命力。あと人との繋がり。一人で踊るものもあるけど、踊っているとなんかみんな一緒に踊っちゃうみたいな。

伊藤:へえ、おもしろい。そして、アフリカンダンスとも繋がっているんだなと思った。

佐藤:ねえ、なんか動いちゃうね。なおちゃんが踊っているのを見ると。(笑)

伊藤:そこもね、ルーツとしては繋がりがあるんだね。

岡本:あとは男性らしさ女性らしさ(をダンスをとおして表現する)とか、いろいろ(な要素が)ありますね。

伊藤:なるほど、なるほど。おもしろい。ありがとう。

<Movement Medicine>

伊藤:じゃあ次は、ゆみちゃんのMovement Medicine。これはまたちょっと質感が違う感じだけど、どんなダンスなの?

景浦:Movement Medicineは、本当に、型は全くないんですね。どちらかというと、皆もう身体の中にダンサーがいる。そのダンサーを呼び起こす。誰の中にもダンサーはいるから、そのダンサーを呼び起こすっていう感じが、初歩。一番最初にやるのはAwaking dancerっていうメソッドなんですけど、それは身体のボディパーツを少しずつ動かしていって、身体のダンサーを呼び起こしていく。そういうツールの内の1つ。

Movement Medicine自体は、そんなに古くなくて、できてから14~15年くらいのものなんです。さっき言った、コンシャスダンスというジャンルがあるのですが、コンシャスダンスの元になっている、一番最初にあったとされている5リズムスというダンスがあって、その先生だったヤコブとスザナという、ダーリンカム夫妻が、自分たちのメソッドをそこに加えて、新しいものを作り出したのがMovement Medicineです。

Movement Medicineも、その5リズムスというものも、型がない、自由な動きで(踊る)っていうものなんです。そこに、さらにシャーマニズムと、ゲシュタルト心理学、あとは、ファミリーコンステレーションなどの要素が入ったという形になっているんですね。なので、参加する際には全く何の用意もなくて、身体一つで来てくださいって感じなんです。

伊藤:身、一つで。

景浦:身、一つで。踊れないから、とか(言われても)、いや、身体あるよね、というような状態になるんですけど。(笑)

伊藤:なるほど、なるほど。(笑)

景浦:リズム感が…なんて関係ない。身体あるよね?ってことなんです。それでもう普通に来てもらって、ガイドとか音楽とかにのせて、身体のパーツに動きたいように動いてみたら?と(問いかけるように)していくと、段々、最終的には全開になって踊っている、みたいな。そういうものなんですね。入り口は私もそうだったんです。

私の入り口の話をすると、私は何か身体を動かしたいと思っていて、武道とかもやってみたいと思っていたんですけど、なかなかタイミングが合わなくて。で、たまたまMovement Medicineのクラスが東京で始まるというところに、会社も辞めることになったから、そこだったら辞めたら行けると思って行ったのが最初なんです。私は別にダンス大好きなわけでもなくて、身体は気になるけど…と思っていたんですね。で、行ったら、そのガイドに乗せて身体を動かして。それが終わった後、何が起こったんだろう?というくらい身体の中が、今まで感じたことがない感覚でいっぱいになっちゃったんですよ。

伊藤:へえー。

景浦:これ何なんだろう?と思って。もう一回やんないとわかんないなと思って。もう一回やろう、もう一回やろう、もう一回やろうっていって、今こんなことになっているんです。(笑)
毎回、自分の身体も違うし、かかる音楽も違うし。来ている人達も、全員同じということは起こらない。場が違うので、毎回、違って、毎回、何じゃこりゃ?になる。

伊藤:へぇー。

景浦:そういうことが起こって、だんだん、深みにはまっていきましたっていう感じです。

伊藤:おもしろいね。じゃあ毎回、身体の中に起きることが、これなんだろう?というのが、違うんだ。

景浦:毎回、違いました。身体を動かしていくわけなんだけど、あ、身体ってこんなふうに動くのね、と思う。そういうときもあるし、日によっては、ものすごく思考が動いて、身体を動かしているんだけど、全然、身体に集中できなくて、いろんな事が考えられちゃうっていう日もあるし。なんかもうよくわかんないけど、どこかにアクセスしちゃったみたいで涙が止まらない、みたいになることもあるし。毎回、なんじゃこりゃ、と。(笑)

岡本:1つ質問があるんですが、音楽は、どんな音楽でやるんですか?

景浦:音楽は、ファシリティータとかティーチャーに任されていて、どんなのを使ってもいいんです。日本だと、なるべく日本語が入っていないものの方がいいというのは少しあるけれど。グレゴリオ聖歌的なのが流れてきたり、土着の、尺八が入っている音楽が流れてきたり。ティーチャーが、その日の流れに沿って、この時はこの音がいい、というのを選んで使っていく感じになります。

ホールドする側になると、いろんなメソッドがあるし、いろんなツールがあるので、それをいろいろ併せてやっているんです。さっき言ったAwaking the dancerと言って、身体をほぐしていくというか、動かす、ダンサーを呼び起こしていくというものもあるし。四大元素、火・土・水・風、これと共に動いていくというのもあるんですね。自分たちの身体の中にもあるし、外にもあるんで、それとともに動いていくってものなのだけど。そういったときは、水だったら水の音があったり、火だったら燃えちゃうようなやつだったり、ドラムが刻んであったりとかっていうのを、その場をホールドする者が準備して、音楽を用意してやる。特に決まっていない感じです。新しい素敵なものをどんどん開発していきなさい、と言われています。

伊藤:水といったら自分の中にある水が動くというか、そんな感じなんだろうね?

景浦:そんな感じです。(身体の)7割は水だから、自分の中の流れとか、自分を出していく。水とともに動いていきます、といって、動いていきます。それが外の世界とも循環して流れて行って、そしてまた回ってくる。それと一緒に、(踊る)とか。

伊藤:へぇー。動く瞑想って言ったけど、本当にそんな感じだよね。

景浦:ここにMovement Medicineの本があるんですけど。(本の表紙にある)これは、曼荼羅っていってるマークなんです。このマークの下に5個大きなドット、上に小さなドット9個。で、この(マークの周りにあるのは)東西南北なんですけど、4つシャシャシャっていうのが出ています。そして真ん中に2つ(のモチーフ)と、フェニックス、不死鳥もいるんです。というふうに、ドットとこのモチーフで、21ポイント、21ゲートあるんですね。
この21ゲートっていうのが、実は、下の5個は(私やあなたを表わす)セルフ、アザース、コミュニティ、スピリット、ディバインっていうもので。関係性みたいなもの。私自身、他者、コミュニティ、それからスピリットなので先祖とか魂とか精霊的なもの、で、5つ目は聖なるもの、というのがドットというかゲートとしてあります。

実は、これを探求する方にいくと、それと共に踊っていくんですよね。そうすると、やっぱり繋がりっていうことなんだと思うんですけど、関係性を踊ったり、その中で自分がそれをどう捉えているのか、どう感じているのか、さらにそことの関係性が深まっていく、みたいなことを踊りの中でやっていくんです。
一番最初に出てくるのは、body, heart, mind、私たちの身体、みたいなことを捉えていくんです。この3つと共に踊っていくと、(今回の対話は)身体を動かすこと=ダンスが意識を変化させるというタイトルですけど、どれだけ自分がいつもbodyに意識を送っていないかということに、最初はびっくりします。
たぶん、この距離感が、それぞれbodyと heartと mindが、バランスよくなっていったら、なおちゃんが言うところの「より良く生きる」みたいなことが、たぶんやりやすくなるんだろうなと、私は、探求しながらすごく感じています。なので、身体と共にいるっていうのをやりやすくなっていく。今、この現代社会だと(それがなかなか)できないから、身体のことを意識すると、だいぶ柔らかく生きていけるのかなと思っています。

伊藤:へぇー。

景浦:なんか、とりとめもなく話しましたけど、そんな感じです。

伊藤:いや、でもすごい。やっぱり、bodyとheartとmindと、私は、それにspiritも付けたいけど、その4つが人を作っているって、人間の要素でもあるから。それが活性する、目覚めているって、人が本当に、自分の内側にある生命力というものと共に生きることに繋がるんだろうなというのは、すごく感じたね。

景浦:体感覚で全部を体験することになるというのが大きいなと思っています。さっきシャーマニズムとつながると言ったけど、大地と繋がっているとか、空と繋がっているとか、この間にいるTree of lifeというツールがあるんですけど、生命の木として大地と空の間に立っている私たち人間、みたいな、そういう瞑想があるんです。そういうのをやると、人って何だっけ、というか、ただ「いる」っていうことというか、そういうことも体感することになるので。頭じゃなくて(身体で)。そういうのはやっぱり、大事なんじゃないかなという気はします。

岡本:最近、言われている「身体知性」みたいな感じが、すごくしますね。

景浦:たぶん自分達がもう持っているんだけど、使わないから忘れちゃってる感覚なんだけど。そういうのがあると、この先AIがどんどん進んでいっても、人間が何だったのかを忘れずに生きていけるんじゃないか。

伊藤:いやー、すごい。いいね、何か。おもしろいね、ダンスって。ダンスによって、伝わってくるエネルギーがまた違うんだよね。雰囲気とか受けるインパクトっていうかね。

岡本:確かに、キューバのガチャガチャしたのと、今のしっとりしたのと全然違いますね。(笑)

伊藤:今のだったら本当、私、岩の上に立っていそうだもんね。何とかツリー…なんだっけ。

景浦:ああ、Tree of lifeですね。

伊藤:Tree of lifeとして、大地の上に、岩とかの上に立っていそうな、そんな自分の感覚になって来るしね。おもしろい。

景浦:探求するとそういうことが起こります。探求の道は、実は、私はリーダーシッププログラム*2にも参加させていただいていますけど、リーダーシッププログラを身体でやるようなものなんですよ。だから、なんかもう結構しんどくて、すごく大変なんですよ。(笑)

伊藤:あはは。(笑)すごいね。5年、リーダーシップ(プログラム)をやっているみたいな感じ?

景浦:そう。プロフェッショナルになるためのパスにApprenticeship(見習い)プログラムというのがあるんですけど、そのプログラムがリーダーシップ(プログラム)を身体でやるっていうやつで。1年から2年くらいかかるんですけど、しかも英語で、もうサッパリ。(笑)もう本当にしんどかったです。

佐藤:すごいわ!

岡本:すごい。でも、それぐらい魅かれるものがあるっていうことですね。

景浦:そうですね、そういうことなんです。私にとってはそうだったんだな、と。

伊藤:そうだね。

<African Dance>

伊藤:いやあ、ありがとうございます。じゃあココアの、アフリカンダンスも聴いてみたいなと思うんだけど。

佐藤:すみません、興奮して鼻水が出ちゃって。なおちゃんの話とゆみちゃんの話を聴いていて、アフリカンダンスにもそれぞれ通じるものがあって、それでちょっと興奮していた。(笑)

そもそも私、アフロキューバンダンスっていうダンスは踊ったことがあって。なおちゃんがさっき言っていたキューバとアフリカの…っていうダンスを、昔、アフリカンダンスに出会った後に、そこから派生する感じでレッスンに行ったことがあります。その時に、女神の振りみたいなのを踊ったんだよね、確か。「私、きれいよ」みたいなそんな振りを踊ったことがある。

岡本:たぶんオチュンという神様です。川の神様。

伊藤:へぇー。

佐藤:ゆみちゃんのMovement Medicineも何回か体験させてもらっていて。一つ一つの細胞が目覚めていくっていうか。私はそんな感じをMovement Medicineの中では感じています。あと、祝福をされているっていうのかな、自分が生まれてきたこととか、この時代に生きているってことは、すごく祝福されていることなんだな、というのを踊った後に感じたのを思い出して、ちょっと興奮していたんです。

アフリカンダンスの話をすると、私が踊っているのは、西アフリカ、地図でいう左側の方ですね、ギニアとかセネガルとかマリとか、その辺で踊られているトラディショナルなダンスなので、伝統的な、昔からのすごくプリミティブなダンスなんです。
太鼓のリズムに合わせて踊るというのが特徴で、動き自体に意味があって、日常的な、例えば顔を洗うっていう振り付けがあったりとか、洗濯をするみたいな振りがあったりとか、田植えをするとか。日常と踊りが本当に一体化しているのがまず特徴だなというのと、日本でも盆踊りとかお祭りの時に踊るように、お祭りで踊られたりするものもある。
なおちゃんが、さっきキューバの人たちがみんな公園で踊るみたいなことを言っていましたけど、まさにアフリカも、私はギニアに2018年に行ってきたんだけれど、空港を降りたらさ、空港の外で太鼓がバーって鳴っていて、みんな踊っているの。お祭り?と思ったら、祭りじゃなくてこれ日常だよとか言われて、へぇーっ!ていう感じ。
毎週、週末になると、どこどこの近所のどこどこの通りでダンスがあるから一緒に行かないか、と言われたり。あちこちでいろんな踊りが日常的に踊られている、という感じです。暮らしの中に踊りとか太鼓が根付いているというか、本当に文化としてあるという感じですね。

私がアフリカンダンスを好きなのは、太鼓に合わせて踊るっていうのが、結構ポイントなんです。生の太鼓で本来は踊るんだよね。で、その太鼓によって引き出されていくというか、本能が目覚めていくというような。日本人も和太鼓でドーンドーンって聞いたらズーンと響くような、ああいう感覚をすごく感じやすい。太鼓のリズムが聴こえてくると、なんか身体が動いちゃう、という。そこがすごく魅力だなと思ってるのね。
4/4拍子ってあるじゃない?ワン・ツー・スリ・フォーと。4/4拍子っていうのは、わりと元気なリズムと言われているんですけど、アフリカではその4/4拍子と、もう一つ6/8拍子といって、ワン・ツー・スリー、ワン・ツー・スリー、ワン・ツー・スリーというリズムも両方あるんだよね。で、この4/4拍子と6/8拍子が、別々の太鼓で一緒に演奏されていくと、独特のグルーヴ感っていうのかな、上に上がるエネルギーだけじゃなくて、下に、ダウンビートっていうか、大地に根差していくような。上に上がるのと、下に下がるという両方の感覚というのがある。大地にグラウンディングするとか、宇宙と繋がるとか、天に繋がるとか、そういうこともあるんじゃないかなというのを特徴として感じているのね。
そして、これがめっちゃ気持ちいい。めちゃくちゃ気持ち良くて。独特のうねり、太鼓に導かれるように、もちろん振り付けはあるんだけれど、何かに導かれていく、太鼓と共に振り付けがあってっていうのが、すごく解放感だったり癒しだったりとか、あと元気になる。エネルギーが満ち溢れていくっていうような、そういう効果があるなと思って踊っています。

伊藤:それを踊っている時っていうのは、きっと、その太鼓で自分の本能が研ぎ澄まされていくじゃない?それってどんな感じなの?

佐藤:「うわっ」てなる。(笑)

伊藤:「うわっ」てなるんだ。

佐藤:うん、私は。いろんなダンスのシチュエーションがあって、例えば、レッスンで踊るときは、みんなで列になって踊るというのもあるし、実際の本場だと、輪になって、周りの人は拍手で見守っていて一人ずつ出て行って、自分らしく踊る。太鼓のリズムに合わせて、太鼓の人に向かって表現しながら、自分らしく踊る。それをみんなが暖かく見守っていて、そしたら次の人がヤンヤヤンヤって飛び込んできて、また踊る、みたいな。人と共に繋がりを感じながら、でも自分らしく表現するみたいなことが行われるということが、結構、現場ではある。
さっき、なおちゃん達も言っていたけれど、繋がり感というんですかね、それがアフリカンダンスにもあるなと思っている。自分一人でも、もちろん自分を表現するっていうことでもあるんだけれど、でも、それを同時にみんなが見守ってくれている。太鼓の人も、その太鼓を叩きながらダンサーとの繋がりがあり、一体感があるというのかな。なんか、そういうのがとてもいいなと。自分も自分でいられるけれども、他の人と繋がっていることで、嬉しさだったり、歓びだったりが何倍にもなっていくという、そんな感じが味わえるのがとても好きですね。

伊藤:なるほどー。三人に共通しているのは、ダンスって繋がりなんだね。三人とも、相手とか周りにいる人とか、自分との繋がり、相手との繋がり、周りの人との繋がりというのをすごく感じるっていう。それぞれ違うダンスで、違うところから発祥していても、何か通ずるものというのがあるんだね、共通してね。

岡本:なんか、太鼓の音とかは本当にそうなんだけど、音って振動とか波動じゃないですか。だから、「宇宙視点からの意識の進化プロジェクト」的に言うと(笑)、この振動、人の発してるエネルギーって、やっぱり影響し合うというか、何かそういうものは絶対あるだろうな、とずっと思いながら私は踊っている。
例えば、元気ないなって感じで、お互いに心の距離がある感じでペアとか踊っていると、すごくつまんないんですよ。当たり前だけど。でも、一人が元気なくても、こちらが元気にこうやって踊っていると、影響されて、つい笑顔になっちゃうとか。そういうことって、すごくたくさんあるから。波動なのかな、やっぱり、みたいな感じが。

佐藤:あると思う。私もさっきメモで、音の波動とか書いたけど。何か波動が、とか、エネルギーとかもあるかもね。

岡本:なんかこうダンスとかでよくバイブス感じて~みたいな(言い方もするけれど)。そこだけ聴くと、言い方によってチャラっぽくもなっちゃうけど。(笑)あれ、別にチャラいだけじゃなくて、バイブスなんだよーって(思う)。

佐藤:ほんとにあるんだよー!ってね。(笑)何かそうね、頭じゃないところからっていうのも、すごいポイントだなって思っていて。思考がお休みになるっていうかね。

岡本:そう、お休みになります。

佐藤:で、本性が出てくるというか。

~踊っている時の状態~

伊藤:本性ね。頭がお休みしているときっていう、そこに何か意識の進化の秘密があるって、私は思っている。思考の中でグルグルやっていても、進化ってないなと思うんだけど、それが外れた瞬間に何かが起きると思う。踊っているときって、実際に何を感じているとか、みんなの状態はどんなふうになっているの?踊っているその瞬間って。喜びを感じるとか、繋がりを感じるとか、波動を感じるとかもあるかもしれないんだけど。

岡本:いろいろあると思うんですけど、口火を切る感じで言ってみると、さっきココアさんが言っていたシチュエーションによっても違うなと思っています。レッスンなのか、サルサバーなのか、みんなでルエダしましょう!という場合なのかでも違うし。
レッスンの時によく思っていたのは、レッスンでパフォーマンスのためにとか練習をやっていると、すごく振り付けを覚えなければいけないわけですよね。頭も使わなきゃいけないはずなんだけど、踊り込んでいくと、なんか、とっても無になるという感じがすごくしていました。何だろうな、うまく言えないけど。振り付けは覚えていないといけないし、フォーメーションとかもあるから、そこにいかなきゃ(移動しなきゃ)いけないんだけど。
考えているんだろうけど、考えていないというか。うまく言えないけど、そういう状態って、たぶんフロー状態とか、そういう感じなのかな。そんな感じは一つあるな。

伊藤:考えて、次、よし、あそこの右45度に動かなきゃ、とかじゃないってことね。

佐藤:当然、その段階はあるんだけど、移動しなきゃとか、この振りに変えるんだとか、もちろん思考のフェーズはあるけれど、それがもう身体に入っちゃうと、そういうのじゃなくなる。ちゃんと導いてもらえるっていうか、そういう風にちゃんと身体が動いていく段階に行くんだよね。

伊藤:なるほど。

岡本:キューバ人の先生に、踊り込みの段階とかだと、バイレバイレバイレ!踊れ踊れ!って、もっと踊れ!全然踊ってなーい!とか言われるから、それですごく入っていく感じ。

伊藤:体に入ると、体が動いて、勝手に動いてフロー状態になるみたいな。

景浦:今、二人の話を聴いていて、Movement Medicineは型がないので、なるほどって思たんですけど。型がないんだけど、シチュエーションにもよる気がしています。
2時間のクラスだと、そこまでいかないときもあるけれど、例えば、リトリートだったり、プログラムで行っている11日間の合宿だったりすると、1日中踊っていて、型がないので、もう内側から出てくるものしかなくなっていくわけです。いわゆるフロー状態とか、トランス状態みたいな感じになって、もう思考ではなくて、出てくるから動くという状態になる。それに意味があるとかないとかも関係なくて、そこから何か受け取るものがあるかもしれないし、ないかもしれないし。動きからかもしれないし、動きから出てきた感情かもしれないし、みたいな。そこは受け取るだけ、私が、というふうになっていく感じがすごくある。それは、自分が筒になるというか、通っていくものをただ通すだけみたいになっていく。だいぶ怪しい話していますけど。(笑)そんな感覚になるなあというふうに思います。

伊藤:へぇー、筒になる感じか。

岡本:型が有る、無しで、今、思い出したのは、スイッチみたいなのが入っていない状態、普通に生活していて、(産後の)今とか特に、一年に一回サルサバーだって行けるか行けないかで、久々に行くと、音楽がかかっていても、それに身を任せて内側から踊るみたいなことがすぐできないわけですよ。ヘタにずっと習っているし、教えることもできるから、型も知っています、だから、音楽とこの型、合うかな?みたいな感じで頭で踊っちゃっているときって、全然違うの。楽しくない。
でも、ペアダンスの好きなところの一つでもあるけど、ペアだと、ふだん踊るときは振り付けがなく、即興なので、何も考えなくていいんですよね。だから、ダンスの醍醐味の良い部分に入りやすい、即興で踊ると。そういう違いはあるかな。型で踊る時と、また違う意識の状態だなって。

伊藤:なんか内側からなんだね、出てくるものが。頭でこうやってこうやって、ではなくて、内側から出てくるものに委ねていくというかね。

岡本:相手にもよるんですよ、相性とか。全然入れない相手もいるけど。(笑)すごくハマって、あ、踊っているな、と思う時は、動きはどうでも良い。気持ちが踊っているっていう感じ。

伊藤:なるほどね。ココアも何か言いかけたよね。どうぞ。

佐藤:私が踊っている時って、どうかな?と思うと、「めっちゃ幸せ~」って感じで踊っているのね、私は。アフリカンダンス自体は、非常にマニアックなダンスだったりもするんだけど、人からね、すごくあんた幸せそうに踊る人だねってよく言われていて。どうしても日本人ってうまく踊りたいとか、正しく踊りたいとか、そこって思考だと思うんだけども、そこじゃなくて、その先にある「幸せー!気持ちいい!」という、それを私はアフリカンダンスですごく体感しているなと思っています。

アフリカンダンスには、そうなりやすい理由がある。何回も同じ振りを繰り返して踊るんだよね、アフリカンダンスって。例えば洗濯の振りみたいな振りがあったら、ずーっとその振り付けをしばらくやる(踊る)わけ。そうすると(振りが)体に入るから、繰り返して、繰り返してやっていくと、思考が止まってトランス状態に入りやすい。そういう効果があるんだよね。左脳が働かなくなっていくっていうのかな。「ああ、気持ちいい、気持ちいい」みたいな。そうなっていくと、セロトニンが出やすくなって、セロトニンが出ることで幸せ感を感じやすいっていう。そういうのが最近ちゃんと解明されてきた。

アフリカ人はそう思ってやっているわけではないと思うけれど、そういう効果もあって、私自身は本当に、「気持ちいい、嬉しい、幸せ~!」みたいなものをダンスの時は感じているんだと思う。自分ではもう、その場に本当にフローに入っているからわからないけど。「幸せ~」と思いながら踊っていて、写真とか動画とか見ても、めっちゃ楽しそうに踊ってるなって、自分で見て(思う)。それがフルフィルメントな状態っていうかな、「今、生きている、ここに」っていう、生きている充実感とか実感をすごく感じやすい瞬間だなっていうのを思っているかな。

伊藤:なるほど、今、この瞬間に生きている実感、と言うと、まさにさっき、ゆみちゃんが言っていた、身体っていうのにどれだけ意識を向けるかってことね。身体って、やっぱり今にしかいないから。体に意識を向けるっていうのは、まさに今をすごく経験することだなと思うからね。ダンスって、そういう意味では、今にいさせてくれるものかもしれないね。

景浦:Movement Medicineはみんなで踊るから、内側に入って踊ることもあれば、誰かとグループでとか、2,3人とかで踊ったりもするけど、なおちゃんも言ってた相性とかもすごくあるし、言葉は使わないから英語がしゃべれるしゃべれない関係なく外国の人と一緒に踊ったりするんだけど。やっぱりその、何かが通じることの、人との相性がすごくおもしろい。

岡本:通じた瞬間がたまらない。

景浦:そこにいたのかー!みたいな、そういう感じみたいなね。そういうのって国境を超えるというか、でも別に肌が密着しているわけじゃないから、見えない何か。それすごいなといつも思う。

伊藤:ほんとね、見えない何かだよね。ダンスがもたらしてくれる、ダンスを通して経験するものと、経験し合うものってね。目に見えないし、言葉で表現しきれないものなんだなって改めてすごく思った。
でも、その目に見えないものの力が、人とか、もしかしたら地球とか、宇宙とかに、もたらしていく影響が一番大きいのかもね。言語とか、目にするものとかいうより、なんか早いなって。読むものとか言葉は、聴いて理解するとか、頭を一回通すけど、ダンスってお互いが合う、合わないというのも含めて、頭で「この人、顔はいいしな」とか(笑)そういうのはないわけでしょ。頭だったら「顔かっこいいし」とか、なりがちじゃない。(笑)

景浦:男性も女性も関係ないし、顔かたちもまったく関係なく、楽しく踊れる人とそうでない人がいて。そういうのがおもしろい。

伊藤:波長が合う合わないとか含めてね。で、合った時というのが、言葉をどれだけ重ねるかとか、どれだけ長い時間を一緒にいたかとか、そういうことじゃなくなるわけでしょ。そういうふうに思うと、一所懸命、左脳を使って生きるってことも大事だけど、同時に、それがないという状態は、人との繋がりなのか、意識の進化なのか、何かそんなものに、ものすごく早く効くんだろうなというのは、三人の話を聴いて思いましたね。

景浦:確かに、もうできないものはできないということが、すごくよくわかるようになった気がする。(笑)できないっていうか、何ていうのかな、頑張ればできるかも知れないけど、頑張りたくないとか、直感がすごく冴えてくるようになったし、それに抗ってまでしようとは思わなくなった気がする。

伊藤:シンプルになったっていうことかもしれないね。何かを決めるとか考える、行動するとかがさ。

景浦:だって身体がいやだって言っているんだもの、みたいな。やれって言ってもやんないんだもん、この身体が、みたいな。

岡本:確かに、場とか、その時の自分の状態とかによって、イケてる日とイケてない日がある。私も(踊っていると)基本的に楽しいんだけど、楽しめる度合いが全然違ったりだとか、繋がりを感じる具合が違うっていうのはよくありますね。
それはその時のたまたまの組み合わせだったり、自分の状態だったり。すごく良い状態だと、自分は自分でいながらも、自分も宇宙の一部ですっていう、自分だけでも宇宙だし、みんなも一緒に宇宙です、というのを本当に体感で感じている瞬間、みたいなときが、最高の状態のときにはくる。それが毎回は来ないし、起こそうと思って起きるものじゃないって感じがする。

伊藤:なるほどー、おもしろいね。ダンスがもたらすものっていうのはとんでもないもの。表現はできない、目には見えないけど、ものすごく影響し合うし。
もし、この世の中にダンス禁止令みたいなのが出たら、人って生きていけなくなっちゃうんじゃないかと思う。自粛じゃないけど、ダンス禁止みたいになったら、人って生きることができなくなっちゃうというか、生命力が落ちそうなくらい、すごく影響があるなと思うし。

本当に、人がより良く生きるとか、今を生きるとか、ココアだっけ、ゆみちゃんも言っていたのかな?自分という存在が祝福されてここにいるんだっていうのを、言葉とか誰かが言ってくれるんじゃなく、感じられるってすごいことだと思う。自分が誰かから、何かから、認められなければならないって、評価されなければ、認めてもらわなければ、って外からの価値に自分自身を委ねてしまうことって、人が生きていると多いと思うんだよね。でも、そういうものがなくても、そうやって人と踊ったりすることで、自分がここに生きてて、生まれてきて良かったんだって、その理由が何かは教えてくれないと思うけど、そのエネルギーは。(笑)でも、それを実感できるってすごいと思う。「いいね、あんた!」とか、絶対言ってないと思うけど(笑)そう感じられちゃうわけでしょ。

佐藤:自分が(そう)感じられる。

伊藤:自分が感じられちゃうんだよね。

佐藤:自分で、「OK!」みたいな。(笑)

伊藤:それすごいと思うんだよね。すごく大きいし。ダンスを通してそれを経験できるとするならば、本当に。自己肯定とかよく言うけど、努力して頑張って自分を受け入れてというよりは、何か踊って、祝福されているってことを感じちゃったらそれがすべて、絶対的だもんね。

景浦:Movement Medicineでは、ゆるすっていうんですよね。自分の踊っている、どんなダンスが出てくるのにもイエスって言って、肯定していくというのをやる。
それはすごくパワフルで、自分がどれだけ自分にイエスって言っていないかみたいなことに気づくきっかけになるんです。私もそうだし、参加される、特に男性がそれをおっしゃるんですけど、自分に許可をしていないということに気がつく。身体でイエスと言うと、身体以外のハートもマインドもイエスと言えるようになっていくから、だんだん、思考とかハート、感情の方も柔らかくなっていく。クリエイティビリティが上がっていくというか、創造性ができると、上がっていく、頭も心も身体も。

~ダンスと出会って変化したこと~

伊藤:じゃあ最後に聴いてみたいと思うんだけど、ダンスをやったことで、ダンスが自分の人生に入ったことで、自分自身にどんな変化があったのか、何が起きたの、というのを訊きたい。

岡本:じゃあ、あまり高尚なことは言えないので、先に言っちゃいますけど。(笑)私はすごくポジティブになった。もともとポジティブだけど、さらにポジティブになったかな。それこそポジティブにしようとしてっていうより、身体からっていう感じがするかな。あと、その整え方みたいなのがわかったような気がする。何かあっても、とりあえず踊ってみよう、みたいな。(笑)踊っていくうちに、気づくとなんか整っているかもしれないという感じがある。
私は、子どもを産んでからはダンスと離れているけど、それでも、そのダンスというツールを持っているということが、だから大丈夫、という感じ。(笑)たぶん、一生、踊ります。今みたいに子どもがいて踊らない時期があっても、一生、踊る。どんな形でも、形が変わっても、ダンスがずっと根づいているっていう感じがするかな、たとえ踊っていなくても。

伊藤:すごい。だから、すごく整った状態で常にいなくてもいいっていうのもあるよね。

岡本:うん。

伊藤:人間だから、いろんなできごととか日常の中で翻弄されることだっていっぱいある。でも、その中にいても慌てない。自分を整える方法として、ダンスっていうものがあるっていうだけで、自分に信頼が置けるという、そんな強さもあるのかな。

岡本:あと、身体的にはやっぱり「揺れ」なので、何かが起きた時に「揺り戻し」とかあるじゃないですか、波動的にいくと。それで、踊って揺れ戻しているうちに、だんだんこう(揺れ幅が小さくなって)軸が整っていくってことなのかなと思ってます。

伊藤:なるほどねえ。他はどう?ゆみちゃん、どうでしょう?

景浦:何でしたっけ、質問?(笑)

伊藤:ダンスをやったことで、何か自分の変化なのか。ダンスをしたことでどうなったの、どんな状態になったか、だね。どんな人生になったの、っていうことでもいいし。

岡本:生活とか、人生の変化とか。

景浦:それでいうと、私、会社を辞めた瞬間にMovement Medicineに出会っているんです。それまで、会社に行っていて、だいぶ身体に無理をさせていたので、倒れたりもしていた。あと、リーダーシップに行ったときに言われて、そうかもと思ったんですけど、身体能力が高いと。確かに、大体のことはできるなっていう。競技とかもそうだし、まあまあできるなと。でもできるからといって、何に使ったらいいのかなと思っていたんですよね、自分の身体を。
あと、身体を壊している壊し方も、繊細で壊れているなというふうに思っている。これをどうやったらうまく、除することができるかというよりも、うまく付き合っていったらいいのかなっていうのが、結構、長めに持っている課題でもある。
会社を辞めた瞬間にこれに出会ったときに、そういうことか!とわかった気がした。自分の身体を使うって、表現とか外に見せるメディアとして使うっていうのもそうだけど、自分の内側のそういったことも体感をして、どういうものなのかを追求して探求して、シェアできる人にはシェアしていくことなのか、みたいなことが、起こったこと、わかったこと。

探求するタイミングと、出すタイミングとかいろいろあるので、いつもオープンにして出せる感じでもないかもしれない。私、2020年はクラスをお休みさせて頂いたりもしていたので、やっぱり波がある。でも、ダンスっていう、身体の追求は、私にとってはたぶんテーマなんだろうなと思っています。Movement Medicineは踊りだけど、踊りという面だけじゃないなとすごく感じている。「道」だなと思っているので、どんな形になっていくのかも未知ながら、探求していこうかなと思っている。

やっぱり身体は、今までと同じやり方では身体の内側、外側、使い方はわかんないんだなということが分かったから、今までと違う方法で身体のアプローチしないとダメなんだなと思っていたから、私はそれをこのタイミングでもらえたんだなと思っています。だからといって、今、全部のことがわかっているというわけではないですけど。

伊藤:身体って、おざなりにしているものが、いろんなことを教えてくれるっていうことなんだね。今、あなた危険な状態よ、とか。それはすごくいいね、身体が教えてくれるって。頭だけでいっちゃうと、どうしても無理しちゃうじゃない。身体は限界って言っているのに、「でも、もう一日いける」とかさ。「いくしかない」とか。

景浦:好きだからいけるはず!って人は(頭は)言ってくるわけで。でも、「いや、無理だから」って(身体は言うから)。

伊藤:ね、そういうふうになるよね。そういう意味では、身体の声を優先するというか、身体の声を尊重させるんだね。ありがとうございます。ココアは?

佐藤:私は2003年くらいから踊っていたんだけど、最初の頃は、新しい趣味が持てたらいいなくらいのノリで、同僚に連れられて何げなく行ったワークショップでドはまりしたみたいな状態だったんだけど。その後、コーチングを学んだり、CTIのリーダーシップトレーニングに行ったりしているので、ダンスそのものと他での学びが融合していって、自分の変容が起きていると思っているんだよね。

最初の頃は、趣味の一環で身体を動かして、気持ちいいっていうところもあったけど、パフォーマンスを結構していた。ショーというか、自分でイベントを企画して、お客さんを呼んで舞台で踊るっていうのを、しょっちゅうやっていて。どちらかというと見せる、観客とのライブ感を楽しむみたいなところが、すごく幸せな瞬間としてあった。
徐々に、そうじゃなくて、見せるというよりも踊ることそのものが楽しくて、これがもう生きている、自分自身の人生だな、みたいな。踊ることが人生なんだな、みたいな感じにちょっとずつ、踊りとの関わり方が変わってきているなっていうのが、今、この問いをもらって、思っていてね。踊るように生きていくというのが自分自身なんだろうなと思う。

私がアフリカンダンスで好きなのは躍動感とか、大地につながってグランディングしていく(ところ)。裸足で踊るんだけど、土の上を裸足で踊るダンスなんだけど。元々、動物だったよね、私たち動物でしょ、みたいな。生命力がみなぎってくるみたいな、あの感覚が日々の中で感じられると、日常の中でもエネルギーに満ち溢れる状態でいられるんだよなーって思っている。それがこう、どんどん高まってきていると思っているのが、ここしばらくだなって。そういう変化がまずあるな、と。

あとは、ダンスをすることで、これはどのダンスにも通じると思うんだけど、自分を表現する、自分を表現していいんだ、みたいな。何か誰かに求められる姿をやるとか演じるとか、なんか優等生でいなきゃいけないとか、わりと私は優等生気質のところもあったので、求められるちゃんとした自分でいなきゃいけない、というのが、立ち上がりやすかったんだけど。そうじゃなくて、内側からこう、本能が現れる、隠せません、みたいな。(笑)
もう毛穴から、自分自身が出て行っちゃうっていう。ああそう、これが私よね、これよ、私、っていう、そういう感じが、感覚として分かるようになったのは、ダンスと出会って続けていきながら、いろんな学びの中で相乗効果が起きてきたなというのがある。

ダイナミックに生きるとか、何かそういうことが、今、自分の人生の指針にもなっている。ダンスからもらった智慧でもあるし、呼び覚ましてもらったことでもあるなとも思っている。そういうことを、もっといろんな人ができたらいいんじゃないと思っている。だって動物でしょ、もともと!(笑)難しく考えちゃだめ!踊れー聴けー、心の声を身体の声を!みたいな。(笑)
そういうことを、自分の姿を通して、他の人が感じてもらえたらいいなと思っています。最近は、そういう意味合いも持って活動を広げている。意識的に動画を載せたりとか、すごくイヤだったんだけど、自分が踊っている動画とか見て、ヘタクソとか思われたらどうしようとか、そういうのも、もちろんちょっとあったけど。でも、それを見ることで、誰かが気持ち良さそうとか、楽しそうとか思ってくれたらいいなと思って、今、そういうこともやるようにしています。

うん、そんな変化が起きた。より自由になっちゃった感じ。止まらないわよ、みたいな。(笑)

伊藤:なんか、自分を愛でるというか、自分を愛おしむ、自分の中から出てくるものをすごく尊重する感じ。いやあ、いいですね、ダンス。時間なのでそろそろ終えていくけど、それぞれのダンスを、もっともっと活動していることを世に知らしめていって欲しいなっていうのを私は感じる。ダンス部がどっかにあるのかしら?コーアクティブダンス部みたいなものが、あるのであれば、そんな活動も広めていって欲しいなって思ってる。

岡本:お二人は、すごくダンスを広める活動をされているので、もしよかったら、どこに行けばお二人と出会えるかというのを、URL*3をいただけたら動画概要欄に載せたいと思います。

景浦、伊藤:ありがとうございます。

伊藤:そうそう。お二人の活動を知っていって欲しいなって思う。私も、大地に…っていうので、今、靴下を脱いで、大地じゃなくて床なんだけど、でも素足で床に付けてみたいなって思って。素足を床に付けてますよ。(笑)5本指を開いて。大事だよね。そうすると自分の中の細胞とか本能が呼び覚まされてくる感じが、ちょっとでも味わえる感じがあります。

また機会があったら、こんなお話ができたらいいなと思っています。今日は、本当にありがとうございました!

佐藤・景浦・岡本:ありがとうございました!

*1「コーアクティブ」というのは、「協働的」という意味で、コーチングをする側(コーチ)と受ける側(クライアント)が対等なパートナーとして、クライアントが心から望む人生を生きられるよう互いに力を合わせるという、その関係に特長があります。出典:https://www.thecoaches.co.jp/coaching/

*2㈱ウエイクアップの運営事業であるCTIジャパンが提供するリーダーシッププログラム。詳細は以下URLをご覧ください。https://www.thecoaches.co.jp/leadership/index.html

*3 お二人の活動についての情報は、以下からご確認いただけます。
◎佐藤 綾子 氏
アフリカンダンス・アフロビクスインストラクター
“Afro Dance Groove”インストラクター
https://www.facebook.com/AfricanDanceCocoafrica

◎景浦 由美子 氏
Movement Medicine Apprentice Teacher
Movement Medicine Japan: https://movement-medicine-japan.com​
同Facebookページ:https://www.facebook.com/Movement-Medicine-Japan-744177378936315/
Yumiko Kageura: https://www.yumikokageura.com

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