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お寺の掲示板②貴方に会いたくて生まれてきたんだよ

貴方(あなた)に会いたくて 生まれてきたんだよ
Mrs.GREEN APPLE 『Soranji』

4月になった。
入学式、入社式、部活やサークル活動など、全国各地で新しい生活がスタートし、出会いが生まれている。

思えば、人間の出会いというものは、
親と子の出会いから始まるのではなかろうか。

「貴方(あなた)に会いたくて生まれてきたんだよ」
インパクトが残る一言から始まる『Soranji』だが、
これは親と子の関係にぴったり当てはまる。

子は親から教わり、学び、成長を重ねていく。
子が成長を重ねていく間、親は様々なことを子から学ぶ。
犬は教わらなくても犬にはなれるが、人は教わらなければ人にはなれない。
親子の間柄は多くの学びを互いに与え合うかけがえのない関係なのだ。
子供がいる方には理解してもらえると思うが(この子のために生まれてきた)と思うことは一度や二度ではないはずだ。

その双方向の関係性は、時として
親から子への一方通行に変わることがある。
「あなたのためを思って」「お前のためにならない」という妄言のもと、
受験や仕事、恋愛や信仰など個人の領域を話し合わずに強制していくケースがある。
その関係に悩んだ子が自ら死を選ぶことも少なくない。

歌の全編を聴けば作詞を担当した大森元貴の
【死を選ばないで欲しい】【生きて欲しい】という願いが綴られている。
もし、親との関係性が悪ければ、家族や恋人、友人など、自らにとってかけがえのない人々との出会いのために自分の生命があると考えると、こんなに尊い命はない。
そんな人がいない…というなら、そんな人を探すために人生を続けていくことも大切かもしれない。

仏教では全ての出会いに意味があると説いている。
最高の家族、素敵な先生、頼もしい仲間、最悪な上司、嫌な客…逆もまた、しかり。
どれもが意味のある出会い。
にわかには信じ難いが、信じて生きたい。

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