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松山•大竹伸朗展•道後温泉

先日、初めて愛媛県は松山に行ってきました。
一番の目的は同じ愛媛県の宇和島に住んでいる芸術家、大竹伸朗さんの展覧会を観に行くためでした。
昨年書いた『京都•イーノ•山鉾の組立』と同じように日記風に書きたいと思います。

6月25日(日曜日)
羽田空港午前9時台の便で松山へ。予定時刻より早く松山空港に到着。
空港からはリムジンバスで松山市駅へ。天気が良く、しかし、気温はそこまで高いわけではなく、とても過ごしやすい。
鯛めしが有名ということなので駅近くのお店に入った。
店内には鯛めしの食べ方をユーモア交えての解説が、英文でも書かれていた。

鯛めし、初めて食べましたがとても美味しかったです。

このお店から、愛媛県美術館に向かうまでに、露店が沢山出ていて、ボーカルを含めたジャズ•バンドの演奏が聴こえてきた。どうやら、日曜日だからのようだ。とても楽しい雰囲気で皆幸せそうに見えた。
みかんジュース、いわゆるポンジュースを飲む。蛇口からジュースを注ぐのが面白い。
その後、美術館に到着。やはり、宇和島駅のネオンが。

大竹伸朗展会期中の愛媛県美術館外観

大竹伸朗さんの『既にそこにあるもの』というエッセイ集は一時期良く読んでいた。確か、頼まれもしないのにいろいろと作ってしまう、そんな奴を俺は信じる、というような意味合いのことが書いてあったように思うが、頼まれもしないのに曲を書いてしまう自分は、そのエッセイの言葉がいつからか指針というか、心の拠り所のようなものになっている。
展示は、例えば油彩などはケースに入っていないので、反射することはなく、じっくりと見ることができた。
大竹さんの展覧会は2019年に水戸で行われた『ビル景』以来。相変わらずの作品からの熱量にパワーをもらう。

スクラップブックの物量が本当にすごい。とにかく貼りまくることによって生まれる何かに圧倒されるが、押し付けがましさは全く感じない。上手く言えないが、ある種のアンビエント感を覚える。ここが大竹さんの面白いところではないだろうか。

作品を堪能した後、別館のカフェで一休み、その後、本館の展望ロビーに行き、しばらくしてから、県庁前からバスで道後温泉へと向かう。
道後温泉駅前は観光客で賑わっていた。
宿に着いてから、道後温泉本館を見に行った。
現在外面は工事中で大竹さんの作品で覆われていた。上にアップした写真にも少し写っているが、その原画が展覧会にも展示されていた。

宿で夕ご飯を食べてから、美術館の「宇和島」のネオンが光るところを見るために再び移動することに。しかし、何時までネオンが光っているのか、その確認は取っていなかった。
道中、広場に光るアート作品があった。また、温泉のアーケードには燕の子供たちが。燕は他の場所でも沢山見かけた。温泉場も松山の中心部も彼らにとっては住みやすい場所なのだろうか。

ライトアップされた道後温泉駅から、路面電車で県庁前まで行く。

再び美術館に着いたものの、残念ながらネオンは光っていなかった。後日、驚愕の事実が(笑)

明かりのついていないネオン。
夜だが昼間のように撮れてしまう。

道後温泉に戻ってきたのは21時過ぎだった。
この日はそのまま宿へと戻る。

この時計台が時間になると結構な高さまで上がり、音楽が流れるなか、様々な仕掛けが現れる。

6月26日(月曜日)
翌日は午前中は神社やお寺へ。ちなみに美術館は月曜日なので休み。

宿から道後温泉のアーケード周辺の屋根が見えるのだが、そこに猫たちがたくさんゴロゴロとしていた。基本的に屋根の上にいるので、移動して下に降りると見られないのだが、下の画像の猫はギリギリ見えた。声をかけると面倒くさそうにだが、こちらを見てくれた。

まずは道後温泉にある神社とお寺を訪ねる。駅からも見える伊佐爾波神社(いさにわじんじゃ)は国の重要文化財に指定されている八幡造りの社殿で、日本に3つしかないという貴重なものらしい。その階段は135段もあるという。しかも気温も湿度も高い。なかなか大変そうだと思ったが、結局上まで登った。

続いて時宗の開祖、一遍上人生誕の地、宝厳寺へ。以前、熊野へ行く前に読んだ本で踊り念仏のエピソードが書かれていたことを思い出した。

その後、歩いて15分というので、石手寺へ向かったが、15分は15分でも、基本、上りの坂道だったという(苦笑)
途中、御堂に1匹だけいる子猫と遭遇。写真だとわかりにくいが、とてもふさふさな毛をした猫である。なぜ1匹なのだろうか、考えても当然わからないのだが考えてしまう。
他にも、道からは高台にある沢山のお墓が見えたり、なかなかディープな永代供養の館などがあったりした。

半分を越えたところで、下り坂になった。ようやく石手寺に到着。四国八十八箇所第51番札所とのこと。洞窟にも入ったが、なかなかできない体験だったと思う。

この日は午後、大街道のアーケードや三越に行ったが、疲れたので早々に宿に戻り、道後温泉別館の飛鳥乃湯泉に行った。

6月27日(火曜日)
旅の最終日は、再び大竹伸朗展へ。先着100名に栞をプレゼントとのことで、『宇和島』と書かれた栞をもらう。

チケット購入のついでに、宇和島のネオンの点灯時間を聞いたところ、18時から20時半まで点灯するということを知った。ちなみに25日に撮影したのは20時35分。おしい(笑)そしてなんと、この日、つまり27日からは点滅するというのだから(笑)
まあ、これも旅の思い出ということで良しとする。
作品の数が多いので、もう一度見ても飽きない、というか、それでも全てを集中して見るのはなかなか大変だ。
最後まで鑑賞後、8Kテレビで大竹伸朗さんのドキュメンタリーが流れていたので最後まで見た。99分(しかし、展覧会場が寒いのは仕方ないにしても、なぜテレビを見るだけの部屋があんなに寒いのか理解に苦しむ)。
番組内容は面白かった。内容は今回の展示の新作『残景0』の制作過程を追ったものだった。途中で作品をひっくり返して「この方がいいな」ということで制作は続けられ完成したのだが、最終的には再びひっくり返された、つまり元に戻ったのだった。それはとても面白いことだと思う。これが人ならではの感覚だろう。
AIなら最終的にどう判断するのだろうか。

『残景0』デジタル画像は実際の作品よりコンプレッサーがかかるというか、ビビッドになりすぎるように思う。
そのことは8Kの映像も同様。

展覧会場を後にして、三越のフードコートで昼ご飯を食べた後、安藤忠雄が設計した『坂の上の雲ミュージアム』を少しだけ見学、その後、松山空港へ向かった。

帰りの飛行機からは富士山が見えた。
なんだか神秘的。

今回は目的があって松山に行ったわけだが、なかなか素敵な街だったと思う。
またいつか訪れてみたい。そのときは道後温泉本館の湯にも浸かってみたいと思った。

東京では見られなかった大竹伸朗展が観られて良かったです。次は富山で開催されるそうですので、ご興味おありの方は是非是非。

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