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野辺山&本栖湖・車中泊紀行

7月30日(日)の19時を回ってからキャンピングカーで家を出て、給油や買い物を済ませ、20時過ぎにコンビニの駐車場で弁当の夕食をかみさんと食べた。

高速に乗ったのは20時30分を過ぎた頃。新東名の連絡路から中部横断道に入る。この道はトンネルが多く対面通行なのであまり好きではないのだが、もう時間も遅いし、今夜中に野辺山に着きたいので背に腹は代えられない。

富沢ICからは無料区間になる。そのまま進行。強風時にはちょっと怖い富士川に架かる橋を渡り、六郷に達する。再び有料区間になるところの増穂PAでトイレ休憩。甲府盆地はまだ昼の火照りが残っている感じだ。

ジャンクションから中央道に入り、韮崎ICを通過、次の須玉ICで高速を降りる。レシートを見ると22時16分に通過だ。いまだに現金で払っているのであった。

ただでさえ重いキャンピングカーの燃費がますます悪くなりそうな長い坂を上って、清里を通過。ようやく平坦気味になったところで野辺山に到着。まずは駅前に立ち寄って、目星をつけておいた無料駐車場を見ると、街灯があってなかなか具合がよろしい。逆に駅のすぐ前の無料駐車場は真っ暗だ。

近傍のセブンイレブンでまた買い物をする。この時点で22時59分。23時には着くかなと思っていたらぴったりだった。

駅前に戻って、観光協会か何かの建物のある無料駐車場に入り、車中泊の準備を始める。これがけっこうやることが多いのだ。
●ATのパーキング位置とサイドブレーキを確認し、施錠する。
●車窓のカーテンを閉める。
●カーテンのないフロントウインドウ、運転席と助手席のサイドウインドウは、断熱材のついたカバーを取り付ける。
●人間の就寝準備。歯を磨き、トイレに行き、着替えたりする。
●2階の寝台で寝るかみさんはハシゴで2階に上り、寝袋を展開する。
●1階で寝る私は3列目シートを就寝仕様にし、キャンプマットと寝袋を広げる。
●夏なので、2階の窓を網戸にし、換気扇のカバーを開ける。
●室内照明を消し、サブバッテリーの電源をOFFにする。

外気温をチェックしておけば良かったが、寝床に着く頃には、網戸と換気扇から入ってくる風がかなり涼しくなっていたので、20度を切っていただろう。

夜中にトイレに二人で行くと、外はかなり涼しい。星空を期待したが、雲と月が出ていて、少ししか見えなかった。

翌7月31日(月)の朝は6時前に起床して、外に出てみる。野辺山の風物詩でもある外国製の大型トラクターが、荷台に大量のレタス箱を積んで出荷場のほうへ次々と向かっている。高原の朝は早いのだ。暗いうちから収穫作業が始まっていたのかもしれない。

駅前の交差点の西側にある無料駐車場で車中泊した。カーサイクリングのときにもここを使わせてもらうといいだろう。

気温は低いが、高原らしく日差しは強いので、無料駐車場にある建物の西側に車を移動する。ここで朝食の支度。

テールゲートを開け、荷台にカセットガスのストーブを出して、お湯を沸かし、昨晩のうちに買っておいたミネストローネのスープを作る。スライス済のバゲットを軽くトーストして、オイルサーディンを乗せて食す。

そんなことをしているうちに、無料駐車場に中学生らが数人集まってきたなと思っていたら、送迎のバスが入ってきた。通学に距離があるのだろう。

朝食を済ませてから、ちょいと辺りを散歩する。昔よく立ち寄った喫茶レストランの前まで行ってみると、まだ営業しているみたいでほっとした。

10時前近くなり、駅前の土産物店でかみさんがジャムを買う。それから給油。フュエルゲージを見ると、帰路の分は足りそうだが、余裕がないのは気になるし、現地でも少しはお金を落としたほうがいいので、無料駐車場の隣にあるJAのスタンドに入る。

距離129.5kmを走って、給油量は20.1ℓ。燃費は約6.44kmと悪いが、ほとんど標高数mのところから約1350mのところまでエアコンを効かせて登ってきたのでやむを得ない。ちなみに、5月の連休のときの岐阜長野山梨ツアーでは平均約9.8kmぐらいだった。

給油のときにスタンドのスタッフの人に聞いたら、「きょうは野辺山でも暑い日」と言っていた。「10数年前に自転車を積んでよく来たよ」と言ったら、「その頃に比べたら野辺山も暑くなったんです」とのことだった。

産直野菜を売っているところを教えてもらって、早速そっちへ移動。見るからに新鮮そうなレタスやキャベツ、ズッキーニ、トマト、トウモロコシ、イチゴを買い込んでも1000円と少々。申し訳ないくらいだ。

次に滝沢牧場へ行ってみる。ここも10年ぶりぐらいだ。目当てのソフトクリームを食べて、キャンプサイトを覗いたら、1パーティーだけいらしたのが撤収中だった。どうやら車は入れないようなので、日陰はあるがこれではデイキャンプも利用できない。

滝沢牧場から八ヶ岳方面を望む。

木立ちの中で鳥の鳴き声がするので梢を見上げたら、確かにスズメより少し大きい小鳥がいるのだが、種類が同定できず。

そのうちに日差しがかなりきつくなってきた。デイキャンプはできそうもないので、意を決して本栖湖に移動することにした。

重いキャンピングカーで登ってきたR141の坂を今度は軽々と下る。清里を通過する。以前より寂れた気配は薄れたが、往年の賑わいはもうないだろう。それは野辺山の駅前も同じだった。

須玉ICからまた中央道に入る。今度は甲府南ICまで乗るので、双葉SAを利用することができる。

混んでいるかと思ったら、それほどではなかったが、外気温はこのときすでに35℃。やはり甲府は暑い。SAの建物の中に入ったが、あまり涼しくない。変だなと思ったら、「猛暑の影響でエアコンの効きが悪くなっています」との断り書きがあった。やれやれである。

冷やしたぬきそばでも食べたかったのだが、券売機にはない。もりそばは750円と高いので、かみさんと二人で温かいかけそばを食べた。けっこう回りでも温かいメニューを食べている。

甲府南ICで中央道を離脱し、甲府精進湖道路を北上する。途中のコンビニでドレッシングなどを買った。野辺山野菜を食べるためのかみさんの提案であった。これが大正解だったのはあとで分かる。

甲府精進湖道路を登るにつけ、また外気温が下がり始める。精進湖畔に出たときは26℃になっていた。

目指すは本栖湖キャンプ場。月曜なので週末ほどの混雑はなかろうと期待したが、なんせ夏休み中であるからそれは分からない。近づくと、道路際にはけっこうな数のサイトが展開されている。

しかし受付と支払いを済ませ、奥のほうに入っていったら(こういうときに中古の小型キャンピングカーは楽だ。枝などが下がっていることが多いし、道が狭いので中型以上のキャンピングカーが奥に入ってくることはほとんどない)なんと、ガラガラじゃないか。

一番お気に入りの場所も空いていたので、早速そこに車を入れる。隣というには離れた場所だが、クラシックな高級ドイツ車でキャンプしているパーティがいたので、隣に失礼します、と挨拶に出向いた。本栖湖キャンプ場の奥のエリアで見るのがとても珍しい外車だった。

本栖湖キャンプ場のお気に入りの場所。前回のGWツアーのときもここで泊まった。

早速店開きをしてテーブルと椅子を出し、野辺山で買いこんできたレタスを半分食べることにする。昼食の続きだ。

ザクザクとかみさんがナイフで切り分け、ドレッシングをかけて食べたら、これが旨いのなんの。レタスがこれほど旨いとは呆れるくらいであった。

野辺山イチゴも買って来たので、キャンプ場の売店で美味しい瓶入りの牛乳を買い求め、これをかけてイチゴミルクにして食べた。これも美味しいことこの上なし。

野趣のある美味しいイチゴだった。

キャンプ場とくれば焚火であるが、今回は大きな薪を燃やすような焚火台は持ってきていない。ユニフレームの小型のネイチャーストーブを使って、そこいらに落ちている小枝や松ぼっくりを燃やす。それだけでも火があることは愉しい。しばらく雨が降っていないせいなのか、どの小枝類も良く燃えた。

2次燃焼しているんじゃないかと思うくらい、効率よく燃える。

そんなこんなで、雲が少し出ているせいか、17時を過ぎた頃は森の中がいっそう涼しくなり、また薄暗くなる。だいぶ早めだが、ランタンの準備を始めた。

いつもはカセットガス用のSOTOのランタンを使うのだが、今回は7年ぶりくらいにOD缶用の中華ランタンを使ってみることにした。マントルが破れてないかどうか点検したら、ガス噴出孔から少しずれているものの何とか使えそうだ。点火したら無事点いた。このほうが、発光位置がわずかに高いので、調理がしやすいのではないかと思ったのである。

現在は製造されているのかどうか分からない中華製のランタン。マントルは次回は交換しなくてはならないだろう。
ただのレタスがどうしようもなく旨い。野辺山産である。

夕食のメニューはレタス&トマトのサラダである。これはかみさんが担当。そのあいだにまずメシを炊く。1.5合を計ってビニール袋に入れてきてある。

メシが炊けて蒸らしているあいだに、メインのおかずであるランチョンミートを焼く。今回はアルミ製のスキレットを持参してきたのだ。これなら熱がムラなく伝わり、外はパリパリ、中はジューシーに仕上がる。

アルミスキレットを使って、ランチョンミートはうまく焼け、サラダも抜群だったのであるが……。

しかし、何ということか、いざ食べる段になったら、ミックスビーンズを後で混ぜたメシの炊き上がりが今ひとつなのだ。火はちゃんと通っているのだが、どことなく生煮えっぽい。

原因は明らかで、最近家の中でメスティン炊飯をしているときに最初から弱火でやるのに慣れてしまい、外でもそうしてしまったことに間違いがあった。

家の中ではそれでも美味しく炊けるが、外では風の影響で火が揺れるので、火力が足りなかったのであった。焦げを気にせずに最初はもう少し強火でやるべきであった。

ま、しかし、食えないことはないぐらいだったので、一皿に盛り切れない分のメシも一緒に食べてしまった。これを教訓に次回から気をつけよう。

そんなことをしているうちに次第に夜は更ける。キャンプ場内のどこか広場に近いほうで、大騒ぎをしているグループがあるが、車の中に入ってしまえばそれも気にならない。

22時くらいに就寝の準備を始めた。いつもと同じ手順である。コッヘル類や食器類、生ゴミ類は片付けて車内にしまう。テーブルと椅子とランタンとネイチャーストーブだけ外に残す。

本栖湖は地形的に、駿河湾から上がってきた湿った空気が朝霧高原で霧になり、その霧の端のほうに位置しているので、特に夏は、夜空が完全に晴れ渡ることはほとんどない。その晩も、星はほとんど見えなかった。

翌朝は6時くらいに起きて、まず火を起し、ガスストーブでコーヒーを沸かす。

朝食は、きのうの残りの野辺山野菜でサラダ。フリーズドライのミネストローネスープ。食パンのトーストとコンビーフ。どれも旨かった。

食後に少し一人で散歩したら、アカゲラを見かけた。最初シマシマが見えたのでコゲラかと思ったが、大きいのと頭に赤い色があったので、アカゲラと同定できた。

大騒ぎしていたパーティも翌日になったら静まり返っている。酒が抜けたのだろうか。あるいは回りから通報されたとか。派出所も近いし。

本栖湖キャンプ場のチェックアウト時間は12時頃で、前回は雨が降っていたこともあり早めに撤収したのだが、きょうは夕方までいたかったので、延長してデイキャンプ料金を払って来た。

昼食はパスタで簡単に済ませた。その分、デザート代わりに売店でアイスを買って、横のテーブルで食べさせてもらった。なんだか海水浴場の桟敷に入ったような気分であった。

14時頃からゆっくりと片付けを開始した。事務所のお達しでは、「16時半くらいを目途にお願いします」と言われている。15時を過ぎるあたりから、空が暗くなってきた。

霧雨のような小雨が降ることはしょっちゅうあるのであまり気にしないでいたのだが、16時頃からいよいよ本降りっぽくなり、雷鳴も激しくなってきた。Tシャツをだいぶ濡らしてしまったが、16時過ぎには片付けを終えて撤収した。

帰路の国道からは、ふもとっぱらのテントの群れが見えた。空は真っ暗で、時折稲妻が走るのがはっきりと見える。あっちこっちで落雷しているようだ。

途中夕食や買い物も済ませて、家に帰り着いたのは20時頃。キャンプ場の中でかなり歩いたせいか疲労困憊で、バタン・グーという具合で寝入ってしまった。そういうわけできょう8月2日になってから車から野菜以外の荷物も降ろし、車を車庫にしまって旅が成就したのであった。










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