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教室で撮るっ!2023


撮りました。
ということで、せっかくなので割と十八番になってきている感ある教室的スタジオでそこまで手間ぞかけずにいい感じに撮るのにはどうすりゃいいのかをまとめてみようと思います。

教室って意外と借りられないのよね

これ、結構ポイントでして…
廃校を転用しているようなスタジオ(というかなんらかの施設)もあるんですが、規模が大きすぎておいそれと借りられるような使用料でなかったり、とんでもない立地だったりして使うのが難しいことが多いです。

そういうところが使えるに越したことはないです

なので、都心部にあったりする使いやすいスタジオで、そういうセットが有るところにて代用することが多いのですが、もともと教室でないのをそういう雰囲気にこしらえた建物なので色々と成約があることが多く。
広さであったり、光の入り方だったり…学校の建物が建てる上で基準しっかり決まっているんだなあというのをこういうところで知ったりします。

そんなでも、それっぽく撮りたい!

厳しいポイントが有るなら、そこをうまく潰していけばモノホン教室に寄せられるわけでして、じゃあそれってどうやるの?という点について触れていこうと思います。

光の入る向きを考える

学校なんか行ってねえよ!!!てひとはなかなか居ないと信じていますが、一般的にいままでの学生生活を思い出してみていただいて。
席に座って黒板を見たとき、どっちに窓があってどっちに廊下がありましたか?おそらく9割位の人は左に窓があって、右に廊下があったと認識すると思います。

偶に例外はあるのですが、学校の建物は、一般的には右利きの人が筆記したときに、手の影が落ちない向きである「校舎は東西方向に伸び、黒板は西向き」「窓が黒板に向かって左側」であることがほとんどです。

そういう自分の高校なんかは廊下をはさみ両側に教室が配置されていたので逆向きの教室もあったのですが….まあそれは例外的なものとしてそれはそれ、という認識がいいんでしょう。気にしないことにします。

つまり何か、というと、窓から入る陽の光を自分で作って設定してやるとかなりそれっぽい雰囲気になります。

画像に表すとこういう感じ。
これをどうしてやるかというと

2021.12撮影

こうして窓ぎわや窓と思われる位置にストロボを配置して光を回してやります。このときはAD100を3発使っていましたが

2023.11撮影

最新の撮影ではAD300+185cm透過傘の1発に統合してシンプルにしました。
天井バウンスのストロボは直発光にしてたのですが、今回は100cmくらいの透過傘を使用してちょっと拡散気味に。(明るくするところを厳密に狙う手間が省けてちょっと楽になります/被写体に直に当たらないようには注意。)
それぞれを別チャンネルに指定してやって、発光量を適宜調整していくとやりやすいですね。

このときは最後の片付けのタイミングなので室内灯を全点灯させていますが、実際の撮影時はミックス光になるのが嫌だったので黒板側の蛍光灯は消して撮影しました。
つけっぱなしでも大きな差はないのですが、微妙に色が被ったり(蛍光灯は特に/LEDでもフリッカーの影響が出やすいです)うっすら蛍光灯の明かりによる影が出たりするので、ピント合わせたり色々、状況に応じて入切するのがいいでしょう。

そんでもって窓側(向かって左)からを強めに、室内は暗くなりすぎない程度にバランスを取ってストロボを光らせてやると

こうなるわけですねぇ~


見ての通り、広さはそこそこあって(実際の教室の3/4サイズって広さです)いいスタジオなのですが窓がまるでそういうのではないのでカーテンで隠されており、そこが難点。
日中でさえもあまり日が回ってくれないのですが、逆に言うと24時間セッティングによって欲しい時間を演出できるということでもあり、こうしてライティングに気をつけて窓を写さないように撮ってやると、フツーのちゃんとした教室に見えますよねえ。

この「教室の光の作り方」に関しては割とどこでも応用が効くので、

例えば別のスタジオ(名古屋の著名なあそこ。結構狭いので構図を考えるのが難しい…)にて深夜に撮影したとしても、こうして日中に撮ったっぽい感じにできます。覚えておいて損はないネ。

光の色と当て方で「撮影時間帯」を演出する

先程話した基本的な光の当て方はそのままに、できるだけ均等な光の回し方をするとこんなふうになります。

綺麗ではあるんですけど、明暗差というか陰影のコントラストがなくなちゃうと、スタジオで撮りました~~って感じが強くなっちゃいますね。なんかリアリティというか、生々しさというか….は薄れちゃった感じがしますね。
窓からっぽい光メインで、背景は自然に暗いほうが自然さは出るものかとおわかりいただけるものと思います。

ではここで、もっと極端に陰影をつけて、更に後から色温度を変えて時間を演出してやると….

だいぶ西日な夕方って感じになりましたね。
これは全体を整える天井バウンスのストロボを使わず、メインの左からのストロボをちょっと強めにして夕方の強い光の入り方/当たり方を再現してみたものです。現像段階で明るさのバランスや色温度調整もちょっとだけやってますね。

ここは窓はありましたが何しろ真夜中…というか明け方5時位でおよそ日の光はない状況。すべてストロボの光源で撮っているので、このあたりは調整次第でいくらでも変えられます。どういうテーマで、どういう写真がほしいのかによって変えていくと楽しいと思います。

ちなみにですが、撮影時にはオレンジフィルターとかは使わないで現像時に調整するほうが色々いじくりやすいのでおすすめです….

フラットな感じで柔らかく光を回して全体ふんわり感だしたり、陰影をつけなくちゃダメ!!!とは言わないですが コスプレ写真的なのがいいか、ちょっと写実的?な画がいいかみたいな好みの問題だと思うのでどっちが正解とかではないです。

これは結構フラットな光の回し方をした

ただ、選択肢はひとつで終わらせず、増やしておくことは間違いじゃないと思うので…

余計なものは写さない

この手のスタジオは何しろ偽物の教室であるので、いろいろと偽物とわかっちゃう要素が点在しています。

扉の外に廊下がなくてようわからん空間になっていたり

およそありえん天井だったり。

そういう要素はできるだけ排除してやるほうが「それっぽさ」が高まりますので、構図の組み方などで工夫してごまかすことがめっちゃ大切ですので、気をつけるようにしよう。

いつもながらざっくりとした解説になりましたが、要点ってこんなくらい。
撮影する機会があったら思い出して参考にしてもらえたら嬉しいです。


おまけ

今回の現像メモです。

どっちもそんなにいじってないですね。
現場で空気感を作って、あとはBlackmist No.5様の力です。

あとは勇者パースみたいなやつはSIGMA 12-24/4で撮ったのをめっちゃ歪み補正してトリミングするようなをしています

こんなですね。
レンズの解像度が良くて、カメラ本体も4500万画素とかあるとこういう開き直ったことができて、躊躇なく思った通りの表現ができるので楽しいです。

トキメイチャッタ!


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