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白背景で撮るッ!(3)

前回のナンタラ!!!!

前回は白背景で撮るときにいちばん重要な原則、「被写体の明るさ≦背景の明るさ」をつくってやることについて触れました。
では、どうやってそれを作ってやるのか、具体的な機材の設置位置などを解説していきます。

白背景撮影の機材配置(基本)

背景が紙だろうが布だろうがスタジオのガッチリした白ホリだろうが、基本的な配置はこのようにしてやるのが堅実です。

手前から透過傘1灯、背後に白傘2灯。
これらの照明の役割を解説してみるとこのようになります。

3灯使っていますが、手軽にキレイにやるにはこれが一番無難です。
手前のストロボを2灯にしてたこともありますが、顔やポーズの向きによって位置を変えて1灯でやるほうが簡単かと思います。

奥の傘に透過傘でなく白傘をつけていますが、個人的にはこのほうが被写体に背景照らす用ストロボの光が混じらない気がするためで、もしかしたら全部透過傘でも平気なのかもしれない。そのあたりの知見は色々聞いてみたい。

それぞれのストロボの役割を確認しよう!

手前のストロボと奥のストロボが実際にどんな感じの仕事をしているのかはこのようになります。

奥のストロボのみ発光
手前のストロボのみ発光

このようにしっかりと役割を分けて配置してやるのがポイントで、これによって背景の明るさや被写体の明るさを別に調整してやることができるようになります。

この状態ですべてのストロボを光らせると、よく見る白背景画像になるというわけですね。

…なるんですが。
皆さんお気づきになりましたか、最初の俯瞰図での部屋の広さ。
実はさっきの部屋は広さを12畳にしてあったのですが、スタジオでもない限りそんな広さの部屋を好き勝手使えるケースなんてまあありえないですよね。

6畳間でやってみよう

では、よくありがちな6畳間に置き換えてみたらどうなるでしょうか。
まずは機材の位置はそのままで部屋を6畳に設定してみました。

アァ、オワッタ!

カメラもストロボも全部部屋の外です。
背景布ですら部屋の幅(2.7m)に収まりません。ナンテコッタイ!

では室内に収まるように再配置してみましょう。

うーんこれはちょっと、だいぶ狭いですね…
そもそも機材を置いたらそれでいっぱいいっぱいで撮影なんて話でなくなってしまうレベル。

どうにかコンパクトに収まるようにしてみると、こんな感じに。

先程の画像中にも触れていますが、もし狭い環境で撮影するなら、無理やり全身を入れようとしないで腰から上、バストアップなどの構図で切り取るような撮り方をしたほうが遥かにいい結果になります。
それを逆手に使って、写らない足元に背景布の方を向けてストロボを床置きし、こいつに白飛ばしの役目を担っていただきました。
このとき、ストロボは照射角を一番広角側にして、ワイドパネルまで出してあげるのがポイントになるんじゃないかと思います。

それで撮った実写はこんな感じ。
まあまあ、なかなかいいんじゃないでしょうか。
足元においた関係で左頬にしたから差し込んだ光が入ってしまいましたが…この辺はうまく調整するか気にしないこととするか、個人の判断でひとつよろしくお願いします….

背景布だからできる裏技をご紹介

さてさて、お手軽だけども下準備してから使って、それでもしっかり白飛ばしさせたりしないとシワが出やすい背景布。これだけ聞くと少々厄介な感じがしますが、背景紙や建付けの白ホリでは絶対にできない撮り方をすると簡単に綺麗に白飛びしてきれいに撮れるんです。

普通に撮ったやつ

これは普通に前から光当てて撮ったやつ。光の回ってない部分にちょっとシワ感があります。
どうしても光のムラなどが出てしまうので綺麗に白飛びさせるのって難しいんですよね、どうしたらこれを解消できるのか… その答えはずばりコチラ

紙は光透けませんし、壁はどう考えても無理ですからね、これは布でしかできない撮り方です。背景布の後ろにストロボを置き、背景布自体を透過光で光らせてやります。

ストロボ直よりもなんらかのアイテム使って光を均等に回してやったほうが更に良くはあるので

自分はこういうやつを使ってやったりしていました。
残念ながら生産終了してしまったみたいなのですが、こいつとかそのコピー品とかです。

このとき、光の当たり方ができるだけ均等になるように向きなどは適宜現場合わせで調整してくださいね。
省スペース化も図れるので、どうしても狭い部屋で撮らないといけないときなんかは結構有効なやり方です。
そうして撮ってみたのがコチラ。

さすがにちょこっとレタッチしていますが、そこまで弄らないでもほぼ完成してる感じですよねえ。割といいんじゃないかと思います。

ちなみにこれはオタクハウスのワンルーム8畳間かなんかに背景布を設置して撮ったので、およそ先に上げた機材配置と同じ状態で撮影しています。今回触れたやり方で、要点を抑えて撮ればこんな感じにできるんだという例として捉えていただきたい。

ちなみにこれ、裏表で白黒リバーシブルになっているような背景布だと当然のごとく光を透過しませんのでできません。
白単色のもので、厚みによっても具合が変わってくるのでそのあたりは上手いこと調整してやってみてください…. 薄すぎてもムラになりやすいし、厚いと光を透過しないのでそれはそれでダメとかめんどくさかったりします。


背景の設置から始まって要点に触れ、今回は具体的な機材の配置などについて触れてみました。
次回は「なんかうまくいかねえぞ?」となったときの、よくあるミスや改善策について触れてみたい。


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