白背景で撮るッ!(1)
前にも書いた気がするけど、経験も増えてやり方考え方が変わってきたところも少なからずあるのでまとめ直してみます。
第一回の今回は撮影に入る前の場所の選定や設営についてなど。
白背景って何?
撮影をするときには色々なシチュエーションを選定するものと思いますが、あえてなんにもないまっさらな背景で撮ることがあります。
背景に何もない分、被写体だけがシンプルに浮き立って目立つのが特徴ですね。
白だけでなく黒だったり、その他お好みの色でなんでも、という感じですが、おそらく一番オーソドックスなのは白背景かと思います。
スタジオに行くと部屋中を真っ白にして、そういった撮影用の場所として用意されていることがありますが、特に1枚目のような床と壁との境界をアール(なだらかな曲線)で繋いだものを白ホリ(ホリゾント)と呼んだりします。
スタジオ以外ではどうするの?
スタジオ以外、一般の家やその他の場所でもこれをやろうとすると、まずこんな真っ白な壁や何もおいていないエリアなんかないので、背景からまずどうにかしてやる必要が出て来るのですが、こういったときに役に立つのが背景布や背景紙です。
バッググラウンドサポートなどと呼ばれる背景布/紙を立てる用のアイテムを使ってこのように設営してやります。
ちなみに自分が使ってるのはManfrottoの1314JB(https://www.yodobashi.com/product/100000001001148516/)。頑丈で安定しててすごくいいです。普段はライトスタンドとして使えるのも◯。
これに背景布/背景紙を合わせてやって、幅が2mくらい。1人を撮るにはまあまあなサイズ感。
まずはこの手の背景布/背景紙を使うとしたときに、どんなところに注意すべきかから触れていくとします。
背景布と背景紙の違いって何?
文字の通りで、素材が布であるか紙であるかの違いです。
一枚目が背景布で、二枚目が背景紙。
これらはそれぞれ長所と短所があるので、そこはまず把握して使い分けていく必要があると思います。
背景布
◯安価である
◯運搬しやすい(折り畳めて軽い)
◯傷や汚れに強い(洗濯・アイロン可能なものもある)
✕シワが目立ちやすい
✕キレイに設置するのに手間がかかる
✕白飛ばし以外のきれいに写す撮り方が極端に難しい
背景紙
◯シワが目立ちにくい
◯設置するのが簡単
◯撮り方の選択肢が多い(白飛ばし以外もお手軽)
✕高価である
✕運搬がしにくい(折り畳めず、重い)
✕傷や汚れに弱い(汚れたり破れやすい、汚損箇所は切り捨てる)
それぞれの長所短所はだいたいこんな感じ。
個人的には背景紙で撮るのが好きかな… 荷物量がすごいことになるので車が必須になることと、これに伴ってあまり遠くまで持って出れないので関東の範囲外でやるのが厳しい感じなのは考えもの。
背景布/紙でキレイに撮る最重要事項
布と紙の違いはなんとなくわかって頂けたでしょうか。
ここからはいずれの場合であっても絶対に気をつけたい設置する上での注意点に触れていきます。
ガタガタの基礎の上に家建てたら、どんな立派な御殿でも崩れちゃうでしょう。そういうものなので、ここはしっかり気をつけるに越したことはありません。
1.シワなく設置する
偶に見かけますが、背景布がそもそもぐっしゃりしているケース。
これじゃあなんのために設置しているのかわかりません。背景をシンプルにスッキリさせるためなのに….
できる限りまっすぐにピンと張って設置しましょう。
養生テープなどを使っ縁を床に固定してやるのも手です。あとは撮影中にシワに気づいたら背景・床のどちらもこまめに直してやることが大切です。
新品で届いた状態だと折り癖がついてることが多いので、コインランドリーにでも持って行ってでっかい洗濯乾燥機で一回洗って、アイロンを掛けてシワを伸ばしてやるといいかもしれません。それでも強固に折り癖がついていることもありますが….これは撮影段階で誤魔化すやり方があるので、そっちでカバーするのがいいかもしれません。(撮り方については次回以降で触れていきます。)
背景布の場合はシワになりやすいだけで終わりですが、背景紙の場合は踏んだ跡が、特にヒールのある靴だと一撃でダメージが入ってしまいます。タイルやフローリングなどの硬い床の上に展開するよう気をつけましょう。カーペットや絨毯の上はできるだけ避けるよう、設置箇所や会場を選定することも必要です。
2.十分な高さに設置する
後述する見切れにも繋がりますが、背景布/紙はできるだけ高くまで上げて設置することが大切です。
立ちポーズで頭の上に十分な余白が撮れるくらい、一般的な建物の屋内なら天井につくくらい、3m前後まで上げてやるのは必須。
お気づきかと思われますが、高さ方向に持っていかれて足りなくならないように、背景布/紙もある程度の大きさである必要が出てきます。長さは最低5mって感じでしょうかね。
3.撮影者の背後の空間は広く確保する
次の項目にも割と密接に関わってきますが、撮影者が被写体と十分に距離を取れる位置に設置するのを忘れないようにしましょう。
全身を入れて50mm、欲を言えば85mm縦位置で余裕を持って構図を撮れるくらいな距離が取れるといいですね。感覚的には7-8mくらいかなあと思うけど どうでしょう。
4.背景を見切れさせない
設置が終わったら撮影ですが、撮影の具体的内容に入る前に、まずこうした背景で撮るときの最重要事項というか、前提に触れておきます。
画面の中で背景が見切れていたり、被写体がはみ出して写っていることは避けましょう。せっかく背景を整えたのに、整えた範囲外を写してしまったら台無しなんですよね。
単純に、文字でも絵でも、半紙やキャンパスからはみ出して書くこと、ないですよね?
これと全く同じです。設置した背景の中に画(被写体)を納めることに努めましょう。
被写体ばっかり気にしてると背景まで気が回らなくなってやってしまいがちですが、気にすべきところを気にできるようになることも技術ですので、ここはしっかり配慮いただきたく。
避けるためのコツもあるんですが、これもまた具体的な撮影の方法になるので次回以降で触れることとします。
さてさて、今回はこのあたりまでの内容で終わりにしようと思います。
撮影やらない人でも、これらを頭の片隅に入れておいていただいて、セッティングするときとかにちょっと意識して指摘して頂けたりすると嬉しいかな~感。
撮影する上での機材の配置や撮り方の注意などは次回以降で細かく区切りながら紹介していきたい。
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