私は図書館で話しかけられなかった
「私は負けた。自分の弱いところに負けたのだ」
ぼくは今、もぉーれつに後悔している。それは「自分の直感に従えなかった」からだ。場所は図書館。「この人に話しかけたら何か人生変わりそう!」という直感に従えなかったからだ。
ぼくは15時に長い昼寝から目を覚ましました。
その時ぼくはなぜか「図書館に行こう、いや、何が何でも行きたい」気持ちになっていました。
今ぼくはいろんなものを見たいと考えています。自分の視野を広げ心の底から「好きな」ものを見つけたいからです。その思いもあり、図書館については調べており、空いていることは知っていました。
しかし現在、コロナウイルスの影響で、図書館に行くことは推奨されていません。そのため、図書館に行くかどうかは悩んでいました。
ですが、今日のぼくは違いました。「絶対に行く」という想いで胸がいっぱいでした。
図書館に行き、中をウロウロしました。そして、少しでもピンとくる本を集めていきました。
そして、集めた本を机に積み上げ、本を読んでいきました。本を読むと言ってもすべて読んだわけではありません。ページをパラパラめくり直感で「ここだ」と思うところを読んだり、最初から読み、飽きたらやめたりを繰り返していきました。
一つ心に刺さるお話がありました。「恋のトビラ」の中にある嶽本野ばらが書いた「Flying Guts」です。このお話は、何をしても不運が続き自分に自信が持てなかった主人公が先輩のアドバイス「ガムシャラに攻めること」や、テレビでみるのガッツ石村の姿をみて、勇気を振り絞って好きな人にアタックするお話です。
あなたはマイペースで自分が準備できるまで待っているから、もう遅くなるの。この人だって決めたら動かなきゃ。すぐ動かないと他の人に取られちゃうよ
(自分の記憶より抜粋→本文とは違います)
みたいな先輩のセリフが胸に刺さりました。
積み上がった本をすべて見終えた頃には17時を過ぎていました。帰ろうかな〜と思いながら本を返していくと、またピンとくる本が。じゃあもう一ラウンドするか〜!と思ったその時。
地域資料の棚の本をを一人の女性が見ていました。白髪に黒いジーンズ、灰色のセーターを身にまとい、リュックを前に背負った女性でした。
「若そうな女性が地域資料のコーナー?むむ、気になるぞ〜」と興味が湧き、その女性の隣に座りました。
よく見ると借りた本は写真と文章で書かれた昔のまちについての本でした。
「転入された方かな。地域の勉強をしているなんて…」
スマホで誰かと連絡を取っています。
「もしかしたら、観光客かなー?図書館で、その土地について調べてから観光する。素敵だな〜?」
あるページを熱心に見ています。
「もしかしたら、お母さんか誰かがこの写真に写っているのかな〜?」
よく見ると厚化粧で、手には小ジワがあり、若くはありませんでしたが、話したら人生が動き出す気がして話しかけたくて、話しかけたくて、話しかけたくてー仕方が、ありませんでした。
「話しかけよう!」そう思ったその時…
『ここ、図書室ですよ〜。話しかけるなんてキチガイですね。』
『隣の人に急に話しかけられたらびっくりしますよね?おかしいですよね?』
『隣の人に読む本も動作を見られたって思うと怖がられると思うよ。』
『常識から考えて、あなたバカでしょ。』
辛辣な言葉を悪魔が投げかけてきます。
「話しかけたい!」の声が大きくなるほど、辛辣な声も大きくなっていきました。
そして、私は「あきらめる」選択をしました。
話しかけたかった。話しかけたら人生変わると思った。でも、断られるのが怖くて、嫌がられるのが怖くて、『常識』とか『変』とかいう言葉で話しかけたい気持ちを殺した。
そして、今「後悔」してる。
ぼくは何よりも自分を殺してしまった、妥協してしまった自分が許せません。
あなたはマイペースで自分が準備できるまで待っているから、もう遅くなるの。この人だって決めたら動かなきゃ。すぐ動かないと他の人に取られちゃうよ
(自分の記憶より抜粋→本文とは違います)
「恋のトビラ」に教えられたはずなのに。
心に刺さったはずなのに。
自分は逃げた。
トテも悔しい。
また今日もダメでした
また今日も私、私に負けました
明日から、明日から本気出す
図書館の帰りに、関取花の「また今日もダメでした」を口ずさみながら帰りました。
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