『ドラがたり――10年代ドラえもん論』(稲田豊史)第10回 鋭い社会批評、説教臭いエコロジー【毎月第1水曜日配信】

本日は稲田豊史さんの連載『ドラがたり』をお届けします。初期の『ドラえもん』で既存の価値観へ疑問を投げかけるSFセンスを発揮していた藤子・F・不二雄ですが、80年代に入ると、当時流行のエコロジー思想へと急接近していきました。『ドラえもん』はいかにして環境保護の旗印となり、現在へと至ったのか、その変遷の歴史をたどります。


▼執筆者プロフィール
稲田豊史(いなだ・とよし)

編集者/ライター。キネマ旬報社でDVD業界誌編集長、書籍編集者を経て2013年にフリーランス。『セーラームーン世代の社会論』(単著)、『ヤンキーマンガガイドブック』(企画・編集)、『パリピ経済 パーティーピープルが市場を動かす』(構成/原田曜平・著)、『ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体』(構成/原田曜平・著)、評論誌『PLANETS』『あまちゃんメモリーズ』(共同編集)。その他の編集担当書籍は、『団地団~ベランダから見渡す映画論~』(大山顕、佐藤大、速水健朗・著)、『成熟という檻「魔法少女まどか☆マギカ」論』(山川賢一・著)、『全方位型お笑いマガジン「コメ旬」』など。「サイゾー」「アニメビジエンス」などで執筆中。http://inadatoyoshi.com

本メルマガで連載中の『ドラがたり――10年代ドラえもん論』過去記事一覧はこちらのリンクから。
前回:『ドラがたり――10年代ドラえもん論』(稲田豊史)第9回 大長編考・後編 リメイク問題とオリジナル問題


●落語とSFショートショート

 幼い頃に読んだ『ドラえもん』を、ふと大人になってから読み返すと、そのモチーフやセリフにドキッとすることはないだろうか。それは『ドラえもん』という作品が単に「夢いっぱい」なだけでなく、普遍性の高いアイロニーや警句を多く含み、社会批評的な側面も有していたからだ。

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