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働き方イノベーターは「選択肢」が広い ──(意識が高くない僕たちのための)ゼロからはじめる働き方改革 第14回〈リニューアル配信〉

(ほぼ)毎週月曜日は、大手文具メーカー・コクヨに勤めながら「働き方改革アドバイザー」として活躍する坂本崇博さんの好評連載「(意識が高くない僕たちのための)ゼロからはじめる働き方改革」を大幅に加筆再構成してリニューアル配信しています。
働き方改革に必要な、既存の枠にとらわれないアイデアを生むにはどうすればいいのか? アイデアの源泉となるさまざまな情報を咀嚼するためのセルフマネジメントの理論を紹介します。

(意識が高くない僕たちのための)ゼロからはじめる働き方改革〈リニューアル配信〉
第14回 働き方イノベーターは「選択肢」が広い

あらすじ

 私の働き方改革を自ら推進できる働き方イノベーターの性質として、「周囲の人が普通選ばない道を選び、進んでいく」という共通点があります。
 この王道ではない道を選ぶことができる人になるには、「やりたいことが明確にあって、何か新たな道を探ろうという強い動機づけがあるだけでは不十分です。
 すなわち、「今とは別の選択肢を知っている」もしくは「新たな選択肢が思いつく」というチカラが必要になってきます。
 今回からは、働き方イノベーターの一つの力である「選択肢の広さ」に着目し、それがどのような習慣によって培われるのかについて解説していきたいと思います。

働き方改革とは今とは異なる「選択肢」をとること

 これまで解説した通り、「私の働き方改革」とは、自分のやりたいことにもっと注力するために、やる事・やり方・やる力を見直し、周囲にも働きかけていくことです。この「(やる事・やり方・やる力を)見直す」という部分に着目して、別の表現に置き換えると「今とは異なる選択肢をとる」ということになります。
 たとえば、会いに行く営業スタイルから来てもらう営業スタイルへの改革とは、訪問営業という選択肢からセミナー型の集客営業という選択肢にシフトしたわけです。
 他にも、1回数時間かけて集計表を作成するというやり方から、エクセルのマクロ機能を駆使して集計処理を自動化するという改革も、集計作業方法の選択肢を従来から変えたというふうに表現ができます。
 さらに、テレワークが当たり前となった時代の管理職として、対面偏重型のマネジメントスタイルから脱却し、自身のICTスキルを高めようと思い立った人は、自らのスキルを自己評価する判断基準や自己研鑽テーマについて従来の判断基準とは異なる選択肢をとったのだと言えます。
 このように、働き方改革とは従来にはなかった選択肢を見出し、そちらに自らの判断基準や行動をシフトすることであると言えます。

働き方イノベーターは選択肢が広い

 前回までは、働き方イノベーターの性質として、「やりたいことが明確にある」ということを紹介し、それが「今のやる事・やり方・やる力を見直す」強い動機づけになっていると解説しました。
 ただし、動機だけ強くあっても、とるべきアクション(選択肢)がなければ改革は進みません。もしくは誤った道を選んでしまっては失敗してしまいます。
 つまり、私の働き方改革を自ら推進できる働き方イノベーターは、既存のやる事・やり方・やる力以外の「選択肢」をもっているということです。しかもそれは一つではなく、様々な選択肢が浮かび、もっともリスクが低くかつ成功確率が高い選択肢をチョイスしているのです。
 たとえば、「より短時間で高い営業成果を出せる働き方になろう」というときに、選択肢が浮かばない人は「わかりません」としか答えられません。また、従来の選択肢の中でしかアイデアが出せない人は、「とにかく訪問件数を増やすべき。そのためには、朝から晩まで会社の外に出て、顧客訪問に時間を充てるべき」という答えに固執してしまいます。これは選択肢を変えているのではなく、一つの選択肢の中で行動量を増やそうというもので、大きな生産性向上にはつながりにくいかもしれません。
 一方、働き方イノベーターは、自社以外の営業部門の働き方について知見を持っていたり、自分自身がセミナーに参加した経験もあるので、訪問営業という選択肢の枠を超えて、集客型営業というやり方があることを思いつき、他の選択肢と比較しながら提案することができます。

なぜ働き方イノベーターの選択肢は広いのか?

 このように働き方イノベーターは、一つの選択肢の中で行動量や質を見直してもがこうとするのではなく、まったく新しい選択肢をもってきて、より短時間で高い成果を実現してしまいます。
 ではなぜ働き方イノベーターは、他の人が浮かばないような選択肢をひらめくことができるのでしょうか?

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