静かな夜 #079
これ以上、夜は更けるだろうか
窓の外、ぼやけていく境界線を見てた
いつからか忘れてしまった美しさの感じ方
「置いていかないで」って声が
聞こえたような気がした
もっと夜は更けて もっと曖昧になって
自分のことさえ分からなくなってしまえば
星の降らないこの街にも居場所、
見つけられるかな
古い本のページをめくる
君に手を伸ばす
これ以上ないくらい辛いわけじゃない
誰かに話すほど悲しい訳じゃない
暮れゆく窓の外には生活の明かり
誰かを待っているみたいなアンテナ
もっと夜は更けて 君想う虚しさも相まって
探す指先 探す手のひら
雲を掴むように君を愛している
もっと夜は更けて
馬鹿みたいに怪我したことも忘れたら
星の降らないこの街にも居場所、
見つけられるかな
古い本のページに灯る、夜明け前
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