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日本橋川橋巡り5:新川橋から三崎橋(分流点)まで

前回の堀留橋からの続きです。見出し画像は目指していた東京ドームが見えてきた新三崎橋手前。ドーム側の熱狂ぶりはここでは見えません。

新川橋(しんかわばし)

西岸は千代田区飯田橋2丁目、東岸は神田三崎町3丁目と西神田3丁目の境界です。相変わらず首都高の高架橋の真下にあります。今の橋は昭和2年7月に架けられました。
一つ前の堀留橋に「堀留橋から神田川に至る区間も、明治になって再び掘削され、日本橋川と神田川が結ばれました」という説明があったように、江戸時代に一度埋立てられた三崎橋~堀留橋の区間は1903年に掘削され再び川となります。その新しい川に架けられた橋から名前がついているそうです。
この辺りの橋の説明はWebで調べても寂しいもので、親柱以外は簡素な作りという感じです。親柱に載っているアールデコ風のものはおそらく照明の役割を果たしているのでしょうね、ここを通ったのが夕方に入り始めた少し薄暗くなる時間帯で、橋の入口を明るく照らしていました。


あいあい橋(あいあいばし)

あいあい橋は歩行者専用橋です。西岸が千代田区飯田橋、東岸が千代田区神田三崎町です。現時点で日本橋川に架けられた(架け替えを除いた)橋の中で一番新しい橋です。

平成12年度から始まった旧JR飯田町貨物駅跡地の再開発に伴って、かつて新飯田橋が架かっていた日本橋川に新しい橋が架けられました。これがあいあい橋で、飯田橋三丁目10番と三崎町三丁目10番を結びます。平成14年2月5日に架橋され、長さ35.3m、幅3.0m(中央5.0m)の鋼橋です。

出典:千代田区観光協会のサイトより

飯田町駅という貨物駅があったことにいま気づきました。しかも廃止が1999年3月とわりと最近だったことに驚きました。旅客用の駅じゃなかったにしても十分気づけたはずなんだけど。(と、自宅にあるユニオンマップ1995年度版を見たら、確かに跡地付近に線路の引き上げ線を示す表示がありました。)汐留駅も貨物駅跡地の再開発でしたもんね、20世紀末~21世紀初頭にはこういう再開発がけっこうありましたね。秋葉原とかも。

ちょっと前置きが長くなったあいあい橋の姿はこちら。

由来を観てへぇって思っていたら下の方に落書きが・・・
こういうのは許せませんね

この橋は実は1月4日にすでに通っていました。ちょうど今回と似たようなコースを散歩していたんです。そしてちょっと新しめのこの橋は何だろうと調べると、これも日本橋川に架けられた橋でした。
その時しまった、と思いました。Google Mapでは川を示す青い部分が一旦途切れる錦橋以降も日本橋川は当然繋がっていたのですが、うっかり錦橋で中途半端に旅を中断していたのです。高速道路は便利かもしれないけれど、地図ですら下の川を隠してしまう。いろんな意味で街の景観の妨げになっていることを今回ほど思い知らされたことはありません。地図をレイヤーにして高速道路を隠せるようになったりすればいいのに。
地下化を切に願います。


新三崎橋(しんみさきばし)

西岸は飯田橋3丁目、東岸は三崎町3丁目です。この橋の上流(神田川との分流点)に三崎橋があり、その橋の後にできたのが橋の名前の由来です。この橋も大正15年(1926)11月24日に架けられた復興橋でしたが、さきほどのあいあい橋の説明にあった飯田町土地区画整理事業で整備された街区「アイガーデンエア」の再開発に伴い、新しい橋に架け替えられたのだそうです。


小石川橋通架道橋(こいしかわばしどおりかどうきょう)

飯田橋駅と水道橋駅の間に架けられた橋梁です。名前はこの鉄道線路の下にある小石川橋から続く道路に架けられた架道橋(道路や鉄道線路を立体交差で越えるために架けられた橋)という意味でしょう。

首都高の高架橋の下から東京ドームが見えたので撮影していました。日本橋川に2つの橋が映っているのがわかります。撮影時に中央線が走っていたのですがそちらが急行線の線路、隣の三崎橋側のトラス橋が緩行線(つまり総武線)の線路です。


三崎橋(みさきばし)

日本橋川の最も上流に架けられた橋です。

神田川と日本橋川の分流点にあって、日本橋川に架かる橋です。新三崎橋と同様に、飯田橋三丁目と三崎町三丁目の間を結んでいます。明治の日本橋川再掘削にともない架橋されましたが、現在の橋は昭和29年(1954)3月3日に改架されました。長さ27.0m、幅7.6mの鋼橋です。分流点の神田川には小石川橋が架かっています。

出典:千代田区観光協会のサイトより

橋の名前は歩道じゃなくて車道側にある親柱に書いてありました。この構造からわかるとおりに、もともとは車道のみの橋でした。大正15年(1926年)5月に震災復興事業により修復された橋は、昭和29年(1954年)3月に架替えられています。歩道は昭和62年(1987年)3月に架設されています。


そして、そのすぐ近くの小石川橋は、神田川に架けられている橋です。
つまり日本橋川の神田川との合流(分流)地点に到達しました。

小石川橋です。

散歩しながら日が暮れていったので、その景色の変化も楽しんでもらえたらと思います。散歩しているときは単に橋が見えたらその周辺の写真を撮り次の橋まで歩くという作業の繰り返しだったのですが、記事にする段階で橋や街並みのことを調べているうちに、建設された背景事情や周辺の街の変化について情報を知ることができて非常に勉強になりました。

日本橋川沿いを歩いての橋巡り、なかなか面白い体験でした。ひとまずこれにて終了です。

意外とどこを流れて通っているかを知らない神田川沿いの散歩も楽しそうですが、今回のように川の端から端までのチャレンジではなく、街を通るついでに近くの川を渡る感じで自然に繋げていきたいと思います。

水道橋~お茶の水間にある神田上水懸樋跡

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