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#207 接客技術について【第7回】

こんにちは、皆さん。今回の記事は、飲食業界で日々接客に励んでいる僕が、接客技術について考えるシリーズ第7回です。今回のテーマは「適切なクレーム対応とは?」というテーマについて書いていきたいと思います。飲食業界で働くみなさん、お客様からのクレームにどう向き合っていますか?日々現場でおこるクレームをお店に対しての貴重なご意見と捉え、問題解決に向けて前向きに取り組むことが秘訣です。さっそく、クレーム対応の鉄則を僕の実例を挙げて紹介していきたいと思います。
#シリーズ7回目

1. まずは、お客様に謝罪の意を伝える

クレームを受けたら、最初に大切なのはお客様に謝罪することです。お客様は怒りや不快な気持ちを抱いているかもしれません。たとえ店のミスでなくても、まずは謝罪の意を伝え、お客様との対話を始めましょう。感情的な対応は避け、お客様が冷静になるまで辛抱強く待ちます。

2. お客様の話を聞く

次に、お客様の話をよく聞きましょう。オウム返しで話を聞くことで、お客様は自分の意見が尊重されていると感じます。ここで大切なのは、感情的にならないこと。お客様の言い分を最後まで聞く姿勢が信頼を築きます。

3. 問題の解決策を提案する

事実関係とお客様の気持ちを理解したら、解決策を提案しましょう。

4. 再度謝罪し、ご意見に感謝する

最後に、再度謝罪しましょう。お客様のクレームは貴重なご意見です。感謝の気持ちを伝えることで、お客様との信頼関係を築きましょう。クレームをポジティブな経験に変え、お客様との信頼関係を築けるよう努力する姿勢が大事です。

飲食におけるクレーム事例


【具体例①:異物混入のクレーム】
異物混入のクレーム、例えば髪の毛や小さな虫などが入っていた場合、まずは丁重に謝罪を行い、異物が入っていた料理はすぐに下げて、代わりの料理を用意します。謝罪の前に、どこに入っていたのですか?と質問をしたり、お客様を疑ったりするような発言は厳禁です。代わりの料理を準備すると同時に、異物混入の原因を担当者に確認。野菜の下洗いが不十分だった、調理担当者の身だしなみが整っていなかったなど、原因説明を交えて謝罪し、今後の対策についてもお客様にきちんとご説明します。会計時にも改めて謝罪し、お客様をお見送りしましょう。

【具体例②:接客態度に対するクレーム】
スタッフの接客態度に対するクレームでは、お客様に不快な思いをさせたことに対してすぐに謝罪し、スタッフ教育を徹底することをお伝えします。その上でスタッフにも話を聞き、今後の対応・改善策を準備します。お客様からのクレームが100%正しいとは限らないため、対応したスタッフ側の意見をしっかりと聞くことも重要です。

【具体例③:提供時間に対するクレーム】
何十分待っても料理がこないという提供時間に対するクレームでは、まずお客様を長時間お待たせしていることに対して謝罪。キッチン担当へ最優先で調理してもらうよう依頼するとともに、提供まであと何分かかるかを確認し、お客様にお伝えします。調理に時間を要する場合には、料理ができあがるまでの間にドリンクをサービスするといった配慮も必要かと思います。時間の長さの感じ方は人によって異なりますが、特に空腹時には、食事が提供されるまでの時間に敏感になるものです。混雑時やスタッフが足りていない時には、料理の提供に時間を要する可能性がある旨を予め来店時・オーダー時にお伝えすることも重要となります。

【具体例④:料理の味に関するクレーム】
味の感じ方は人それぞれですので、料理の品質自体に問題がない場合には、お客様からの貴重なご意見だと受け止めて対応するのが好ましいです。「貴重なご意見をありがとうございます。今後のメニュー開発の参考にさせていただきます」とお伝えすることで、お客様の気分を害することを避けられます。しかし、味に対するクレームがあまりに多い場合、複数人が料理の味に違和感を感じているということになります。食中毒や異物の混入などはないか、自店で提供する料理の味に問題はないかをチェックし、必要に応じて味を見直す対応も求められます。

【具体例⑤:スタッフがお客様の洋服にドリンクや料理をこぼして汚してしまった】
まずは謝罪し「お怪我はありませんか?」と確認。怪我などがあった場合は応急処置をし、必要に応じて救急車を呼びます。濡れたり汚れたりした洋服を拭く時は、必ずお客様から同意を得ることが大切です。慌ててとっさにテーブルの台ふきんで拭いてしまいがちですが、お客様の気分をさらに損ねてしまうことに。必ず清潔なタオルやペーパー、おしぼりなどで拭き、できる範囲で汚れを取り除きましょう。汚れた服については、クリーニング代を支払うか弁償するか、お客様と話し合います。再来店の際に使える金券を差し上げることで、お詫びする方法もあります。

【具体例⑥:お客様が予約日を間違えた場合】
メモしてあるスケジュール表などで予約をチェックしたうえで「ご予約は●●日だと承っています。今はご案内できる席が空いていません」など、店舗の状況を伝えてください。お客様のミスではありますが、冷たい態度を取らないよう気をつけ、優しく話すことが大切です。席が空くまで待つかどうか、お客様の判断におまかせします。

クレーム対応時の注意点


クレーム対応時には最初にかける言葉に注意が必要です。お客様の怒りをかきたてないよう、以下のNGフレーズには気をつけましょう。
「私は担当じゃないので」
「そういう決まりなんです」
「だって」「でも」「ですから」
「じゃあ、どうすればいいんですか?」
相手の怒りをかきたてず、お客様の言葉を尊重しましょう。クレームはお客様の本音を聞ける良い機会です。前向きに捉え、問題解決に取り組む事でチームの強度があがります。
#NGワード

悪質なクレームを受けたら


飲食店にとって、お客様からのクレームは自店で提供する商品やサービスに対する苦情が大半で、耳の痛くなる話ばかりです。しかし、クレームを貴重なご意見、愛のあるお叱りだと前向きに捉えることで、商品やサービスの品質向上につなげることができます。しかしながら中には悪質なケースも多々あります。ですので悪質なケースでは、次のことに注意して対応する事が必要です。

1. 感情的にならず、お客様の話を常に冷静に聞く。

2. 挑発されても議論や反論をしたり、話を遮ったりせず「ご意見として承りました。上に報告します」と伝える。

3. お客様とやり取りした会話を録音する。録音できない場合は「誰が・いつ・どんな発言をした・どんな対応をした」などをメモしておく。

4. お客様からの苦情を受けてどう対応するか、その場では回答せず「後日お答えします」と伝えて冷却期間を設ける。

決定権を持つ経営陣には要求をエスカレートさせるお客様もいるため、店長やオーナーが対処する際は役職を名乗らず、カスタマー担当者としてやり取りすることをおすすめします。店舗側に落ち度がない場合は毅然とした態度で接し、クレームの状況次第では警察への相談も検討する必要がでてきます。
#修羅場経験

さいごに


自店の料理やサービスに対して、お客様が実際どう思っているかを知れる機会はなかなか少ないものです。クレームはお客様の本音を直接聞ける良い機会だと捉え、いざクレームが発生した際には、迅速丁寧に対応できるよう日頃から準備しておくことが大切です。飲食業界ではクレーム対応が日常業務の一部です。お客様との円滑なコミュニケーションを大切にし、問題解決に全力を尽くしましょう。成功への道は、お客様と共に歩むものです。どんな状況でもポジティブな姿勢を持ち、前向きに取り組んでいきましょう。
以上が、クレーム対応の鉄則と成功への道です。皆さんも是非活用してみてください。次回の【接客技術について】シリーズの記事もお楽しみに。
#書いてて楽しい

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