見出し画像

エルデンリングのデカさは場末のYoutubeにも恩恵を与え、おれはYoutubeの不思議に取り組む

■ 1200万タイトル、エルデンリングの巨大さを感じる

先日、エルデンリングの世界累計出荷数(ダウンロード含む)が、発売18日で1200万本(国内100万本)の記録的ヒットとなっていることが報じられた。

最近出た話題のタイトルとしては、『ホライゾン2フォービドゥンウエスト』などもあったのだが、体感っぽいところで言うと、エルデンリングの発売と同時に、ゲームの話題がすっかりエルデンリング一色になってしまったようにすら感じられる。

以前に述べたとおり、エルデンリングはかなり硬派なタイトルだ。実際のところ、どれだけの人が本気でハマっているのか、それは若干疑わしいところがある。当初は、素直に進めると最初に戦うこととなるボス「マルギット」の突破率が30%未満だということも話題となった。

ちなみに現在は70%近くまで向上している。

同じくフロムソフトウエアタイトルである『Bloodborne』の最初のストーリーボス「ガスコイン神父」の突破率が、50%未満であることを考えると、今回は、なんやかんやで色々工夫すれば「なんとかなる」難易度に調整されているのだろう。少なくともヤーナムキャンプファイヤーで憤死するようなことはない。

そんな危険性をはらんだ、ある程度ゲームに詳しい人間であれば、むしろ手を出すことをためらうようなタイトルが、発売1ヶ月を待たずして1200万本売れたというのは、驚くべきことだ。

■ 意外なところで体感するその巨大さ

エルデンリングというタイトルの大きさ、みたいなことを実感したエピソードがある。

ここでも、ときおりゲームの動画を載せたりしている。結構前から、自分はちょこちょこゲームプレイを録画したり、場合によっては身内用にYoutubeなどにアップしたりしていた。特にPS5を入手してからは、あとから録画が可能という非常に便利な機能が搭載されていることもあって、自分のプレイ動画を制作する機会もわりと増えたように思う。

今回も話題のタイトルという事もあって、いつものごとく、身内が5回ぐらい観ればいいやというつもりで、短い動画を作って何本かアップしていた。今の時代、発信も自分の好きなものを応援する方法のひとつだ。無数の、微小な発信者の集合が、ネットのムーブメントを作っていく。

すると、不思議なことが起こった。その数本の中でも、自分が特に興味を持っていなかった1本の動画が、1日で300回以上再生されたのである。これはいったい何が起こっているんだ。正直サムネイルなんか面倒で作っていなかったし、何がきっかけでクリックされているのかサッパリわからなかった。

再生数は、あれよあれよという間に伸びていき、1週間もすると1000回を超えていた。

ちなみに、これだ。

動画クオリティもプレイも今一つだと思うが、やり方さえ間違えなければ、下手でもなんとかなるというHow toとしては機能しないでもないのかも知れない。

その一方で、もう一つ興味がひかれることがあった。ほぼ同時期に投稿した、自分としては、まだ多少は動画映えしそうと思われる動画が、むしろ全然再生されなかったのだ。当時は、サムネなど作っていないので、見た目にはいずれも取るに足らない動画に見えたことだろう。そう、クオリティには大して差が無いように思われたのだ。

■ Youtubeを学びゼロから取り組む体験談

興味をそそられたのもあって、そのあとしばらくしてから、また何本か動画を投稿してみた。しかし、当初に上げた爆発力のあった1本ほどは回らない。再生数の伸びもトータルでは鈍化してきた。ただ、一応多少は観られている。そんな感じだった。

だんだん色々なツールの使い方を覚えてきたのもあって、もの自体は徐々に良くなっているはずだ。何よりゲーム自体のプレイングが向上しているのは間違いない。何が違うんだろう。だんだん、真剣に考え始めた。

再生数を「努力や工夫」で、もう少し伸ばしてみることはできないだろうか。

例えば、よく世間で言われることに「サムネイルは大事」みたいなことがある。そこで、動画から自動生成されるサムネをやめて、わざわざサムネ用に画像を作ってみた。しかし、それだけでは特に影響はない。プレイの内容的に面白いかどうかも、自分の感覚ではそれほど大きく影響しているように思わない。なぜなら、トップ回数の動画を自分はそれほど良いと思っていないからだ。

そんなことをぼんやり通勤途中などで考えているときに、ふと気づいた。

「レコメンドエンジンやサーチエンジンにアピールしてみるか」

誰もが知ってのとおり、インターネットには膨大な情報が溢れている。我々は、もはやそれを「いちから順番に」見ていくということはしていない。検索窓みたいなものにキーワードを入力すると、プログラムがそれに適したリストを自動的に出してきて、そこからピックアップするだけだ。

となると、まずは検索でヒットしないとダメだ。しかも上位に。しかし、自分のような超弱小チャンネルにそれが可能なんだろうか。

それは、現代のインターネットでは考えるまでもないことだ。まずは、やってみればよい。

というわけで、移動の隙間時間を有効活用すべく、動画管理ツールをスマホに導入し、超適当だった概要欄にユーザーが動画を探す時のことを意識した文章を追加し、タイトルのメンテナンスを実施した。そして、youtubeのマニュアルを読み、巷の怪しげな「攻略法」をひと通り読み、テキストをメンテナンスした。そう、「とりあえずなんでもいいから書く」はすぐにできる。ここんとこずっとやってきたことだからだ。

するとどうだろう。下がる一方だった再生数が、わずかだがまた伸び始めた。数十とかせいぜい数百再生規模のチャンネルでもどうやら違いは現れてくるようだ。

なにか、わかりかけてきたような気がした。

■ そしてアナリティクスにたどり着く

Youtubeには、クリエーター向けに「チャンネルアナリティクス」という統計を表示してくれる機能が搭載されている。わからないままに、暇があればグラフを閲覧し、動画のパフォーマンスを把握すると共に、施策が効果をあげているかどうかをチェックしていた。

不思議なもので、データというのは毎日眺めていると、色々なことが感じられるようになってくるものだ。

クリック率や視聴維持率(要は離脱率)は、ネットの情報と比べたところ、そんなに悪くないらしい。となると、動画の露出を表すインプレッション(つまりサムネイルがユーザーに表示された状態)をどうやって稼いでいくかが重要なフェーズになる。実質ゼロスタートであれば、それも当然であろう。そういう意味では、検索に最適化させていくという方策は、自分のステージにちゃんと見合ったものだったのだろう。

思いがけない発見もあった。他と比べて若干伸びが良い動画があった。アナリティクスは、ユーザーがどこからそこにたどり着いたかについての情報も教えてくれる、すると、その動画だけが外部サイトからの流入割合が大きかった。

Youtube動画ページにたどり着く外部サイトとはなんであるか。

答えは実に簡単で、なんのことはない。ほとんどはGoogle検索である。そう、その動画に関しては、特定のキーワードの組み合わせをすると、自分のものが、検索上位に表示されていたのだ。動画の内容について適切に言語化することによって、検索エンジンが(比喩的だが)内容を理解し、ユーザーに有益であると判断すれば検索結果に表示するという話が、確からしいことが実体験として確認できた。

ちなみに、該当する動画はこれだ。

プレイは正直結構マズいところが多々あるが。取り敢えず勝ってはいるし、きちんとHow toとしては用をなしていると自分では思っている。スーパープレイ的な鑑賞向けジャンルとしてはいま一つだろう。

少し話が脱線するが、誰もがわかる通り、きょうび動画を探そうと思ったらそもそもYoutubeで探すのが普通である。実は、テキストサイトでも過去にGoogle検索上位に載ったことがあるのだが、その影響はかなり大きく、何カ月もGoogle検索からの流入でその大したことない記事がひたすらPVを稼いでくる、という事があった。今回、実体験として理解したのは、やはり動画については、圧倒的にyoutube上で検索にヒットするかどうかのほうが影響として大きいという事だ。

話を戻すと、とはいえ、検索最適化だけでは、当然ながら爆発的に伸びるわけではない。ビッグワードについては、元々数字を持っているチャンネルが上位に来るため、こぼれてくるものを拾っているだけでは、そんなに大きくは広がらないのである。なにしろ、エルデンリングのプレイ動画みたいなものは、日々数えきれないぐらい量産されているのだから。

これを打開するにはどうすれば良いのだろうか。そんなことをぼんやり考えながら、ちょこちょこと既存の動画をメンテナンス(過去分にもサムネイル画像をつけるとか)しながら、新たな動画については、一応それなりに存在意義がありそうなものを考えて、投稿を続けることにした。これはこれで、ひとつのゲームみたいに思えてきた。

ただやはり、競合が当然多いわけで、そんなに右肩上がりに伸びていくという事もなかった。まあ、夜のコアタイムには、1時間当たり20回ちょいは回るかなといった感じで、それも翌日には同時間帯で20を下回るという感じだった。そう、1回視聴した動画というのは、ピンポイントで検索しない限り、あんまり上位には出てこないので、徐々にインプレッションが減少して行くのである。

■ 突然、次のフェーズへ

そんな中、昨日、統計に突然動きがあった。

昼間の時間帯は、当たり前だが多くの人が日中の用事をこなしている。なので、1時間に数回しか回らないというのもわりと普通であった。ところが、15時あたりから、突然視聴回数が伸び始め、アッと言う前にコアタイムの20回みたいな過去の数字を超えた。その後も勢いはなくならず、コアタイムには過去の4倍ぐらいの数字に達した。いったい何が起こったんだろう。直近48時間の統計を見てみると、明らかに数字が伸び始めたあたりから、数本の動画の再生数がグッと上がっていたのだ。

答えはアナリティクスにある。時系列のデータを見て、動画ごとの詳細データを比較したりしてみた。その結果、昨日急に動き出した動画については、トラフィックソースつまり、流入経路に顕著な変化が起こったことがわかった。

数字が動き出した時間を境に、「関連動画」からのインプレッションが発生しはじめ、動画によっては、わずか8時間で動画公開以来5日間コツコツと増やしてきた「Youtube検索」のインプレッション累計を抜いてしまっていた。その後も増え続けている。

この「関連動画」というトラフィックソースは、要するに、Youtubeで動画を観る際に、動画プレイヤーの横に並んでいる例の「おまえが次に観そうな動画」みたいなもののことだ。どうやら、Youtubeが、ある動画を「関連動画」として表示するかどうかには、一定の基準があるようだ。その基準をクリアし、動画のステータスが変更された瞬間が、どうやら再生数が伸び始めた瞬間であったらしい。単純に同じテーマを扱っていたり、キーワードが同じというだけでは、直ちに「関連動画」枠には入ることが出来ず、動画のクオリティをなんらかの指標で判断する仕組みになっているようだ。そういうことがリアルにわかった。

つまり、再生数を伸ばそうと思った場合、Youtubeがレコメンド可と判断する枠に入らないとどうしようもなくて、そのためには、動画がそこそこ視聴に耐えうるものであることが必要である。アルゴリズムがその判定を行う前段階として、一定の統計データを蓄積する必要がある、というような推測ができる。

クリック率は、当たり前だが、わざわざ動画を検索してたどり着いた人間のほうが高いので、関連動画からの流入が増加すると、全体のクリック率は下がる。もしかすると、クリックしたくなるサムネイルの重要性も、このフェーズから増してくるものなのかも知れない。

こういう体験をして思ったのは、Youtubeチャンネルを伸ばす上で大事なこと〇選、みたいな記事は、実はすごく大事な情報が足りないのかも知れないという事だ。つまり、時間軸や自分が置かれているステージによって、優先的に取り組むべきことは異なる可能性がある。そのことを、巷の量産記事はあまり伝えていないような気がする。

ちなみに、同時に検索流入も増加した動画がある。検索結果の表示順位も、同じように動画の質的なものを考慮して決めているというのは正しいようだ。そして、伸びているグループでも全ての動画が同じ動きになるわけではない。視聴データに基づいて、いくつかの選択肢の中からアルゴリズムが施策を決定しているように感じられる。たぶん、その結果もモニタリングされるのだろう。

該当する動画はこれ。需要が大きいかどうかは別として、中身はあまり他にはないものだと自分では思う。プレイも悪くない。

■ Youtubeをゼロからやっていくなら

Youtubeで再生数を伸ばすには、まずはアルゴリズムから「レコメンドに足る」という評価を獲得する必要がある。そのためには、動画が10回とかしか回らないとしても、内容をしっかり作り、検索で引っかかるようにタイトルや動画説明を充実させることから始めなければならない。目に見えた成果はすぐには上がらないだろう。それでも、くさらずに黙々と動画を制作し続けた者だけが、何かのきっかけでヒットを掴めるのだ。どうやらそういうものらしいという事が、今回体験できた。

今回は、エルデンリングという強大なヒット作に関連する動画であったために、ある程度変化が早く訪れたのだと思われる。仮に、ニッチな分野で動画コンテンツを配信していこうと思うなら、年単位の「鳴かず飛ばず」を覚悟しなければならない可能性もある。そういう意味では、そもそもトレンドを意識した企画を考える事は、精神衛生上も重要なことなのかもしれない。

アナリティクスを眺めてあとから気づいたのは、最初にヒットした1本は、たまたまタイミング敵に検索ボリュームがかなりあって、しかも、ニーズに応える動画の数が少ないという、かなりラッキーな状況であったようだ、ということだ。その初速を活かして、関連動画枠に入り込み、流入が維持されていたようだ。動画の初速がどれだけ違っても、最初はほとんど検索流入しかないという点は変わらなかった。

続けてみると色々知らなかったことが体験できそうなので、しばらく「狭間の地」の旅を続けながら、動画を制作してみようと思う。

ちなみに、最新の動画はこれである。この複数ボスは多くの人にとって鬼門となっていて、コアタイムにぶつけて出したのもあるが、やはり関心が高いのか滑り出しがかなり良い感じとなっている。どれだけ伸ばせるだろうか。

というわけで、

高評価、チャンネル登録よろしくお願いします!


この記事が参加している募集

全力で推したいゲーム

サポートまでは言いません!だって、スキ!みたいなやつなら、ただで喜ばせることが可能ですもの!