僕は君のHero
朝起きたときに、
「あ、今日はもう、無理だ」と分かったから、
職場に電話して仕事を休んだ。
時間が生まれたから、映画館に行った。
「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」が観たかったんだ。
チケットを買って、受付に行った。
ら、
受付に人がいなかった。
そりゃそうか、金曜の真昼間だ。
こんな時間からアニメ映画見る奴なんているわけない。
だから店員さんだってバックヤードで休憩でもしてるんだろう。
何をするともなくしばらく待っていたら、
「すみません!」と言いながら店員さんが走ってきたけど、
どちらかと言えば悪いのは僕のような気もした。
チケットに書いてあった第一スクリーンに行ったら、
僕以外誰もいなかった。
広い館内に、僕一人、O-13に座った。
画面の中では、スパイダーマンが飛び回っていて、
それは僕だけのために映写されていて、
たまには仕事サボるのもいいもんだと思った。
帰り道、駐輪場でおばあさんが倒れそうな自転車に悪戦苦闘していた。
手伝ったら「どうも」と一言言われた。
いえいえ、こちとらFriendly Neighborhoodだもの。
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