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思想をアートで広める|キースへリングアーティストトレース

ホモセクシャルで、エイズで亡くなったキースへリング。
ポップアート界でその名を知らない人はいないと思います。

彼のアーティストトレースを通して、
彼はアーティストでありながらアートや表現することが本命ではなく
アートを通して伝えたいことがあったのではないか?

というところが見えてきたので、早速ポイントをまとめていこうと思います。

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キースへリングざっくり説明

キースへリングはニューヨークのアーティストです。
元々はキリスト教徒家系に生まれているのですが、
10代の頃、キリスト教会の中におけるヒッピー的な要素
「ジーザス・ムーブメント」に賛同。

ベトナム戦争に対する反戦のムーブメントだったヒッピーに賛同していたという部分で彼の社会活動家としてのバックグラウンドができたのではないかと考えられます。

その後、彼の作風に影響を与える3つの出会いを経て、
キースへリング独自のスタイルを確立していきます。

①国際表現主義グループ「コブラ」アレンスキーの作品との出会い
→カリグラフィー作品の可能性を学び、
②クリストの講義を受ける
→芸術を通じて公衆を巻き込む力があることを学びます。
③ビル・ベックリーとの出会い
→記号学を学び、彼の多くの人に認知されやすいビジュアル言語的なスタイルの確立を促しました。
参照:キース・ヘリング / Keith Haring 80年代NYストリート・アートの代表

アートの大衆化

キース・へリング作品が認知されるようになったきっかけは
ニューヨークの地下鉄内で自発的に描いたグラフィティ作品、
つまりストリートアートから彼のアーティスト人生はスタートします。

ストリートアートは従来の富豪のためのアートというより
大衆向けのアートです。

そこからスタートしたへリングは
意欲的な個展やエキシビジョンへの参加を通して
バスキアやマドンナ(!)との交流をしていきます。

着実に知名度を上げていき、作品の価値を高めていったあと、
「ポップ・ショップ」という
自身の作品をリーズナブルな価格で購入できるお店を構えます。

スタートから大衆向けではあったものの
一度価値を高めてから
また、大衆向けに戻ってきたキースへリング。

ここに今までの限定的な富裕層のみに許されたアートの所持
庶民にも手の届く価格にしたことで
対象となる顧客の母数を増やすことに成功したのではないかと考えています。

実際、取引されているキースへリングの作品はほかの画家の作品と比べても安価なものが多く、ここで差別化を狙っていったのでは?
と仮定します。

メッセージ性の高い作品

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10代の頃のバックグラウンドに反戦といったものがあったり
自分がホモセクシャルとして苦しんだ経験があったりした背景から
彼はアクティブな社会活動家として有名です。

作品もそんな彼の活動を表現するようなものが多く残されており、
彼の作品は彼の伝えたい主張をより強く・明確に伝えるツールだったのではないかと
特に後期はその意味合いが多いのではないかと感じています。

そして、それこそが彼が反戦や不況が続く混とんとした
当時のアメリカ社会、特に大衆に刺さり、支持された理由なのではないかと仮定します。

まとめ

大衆に合わせた身近なアートという方向性と
大衆に刺さるメッセージ性の強い作品だった

という点が彼の経済的な成功の要因になったのではないかと仮定し、

今までの顧客じゃないところを狙う

顧客の心を動かす。
みたいなところで私たちも参考になる姿勢だと思っています。

ただ、
この、販売先を増やすということ自体が彼にとって
伝えたいことを伝えるためのツールだったのでは?
と感じています。

当時はまだ、ホモセクシャルへの偏見が強く
それに比例してエイズへの偏見や対策も社会に十分に浸透していませんでした。

どうすればこの2つの大きな問題、
知らないことから起こる悲劇を解決するかを考えた時、

わかりやすく、
ビビットでキャッチーで
かっこいいものという形で
大衆に自然と浸透させる方が有効だ。
と彼は考えたのかもしれません。

そんな本質的な彼の行動が
今なお彼が愛される理由なのかもと思いました。

では🐊

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