見出し画像

韓国フェミニズム#1

「韓国はフェミニズムが盛り上がっている」

そう感じたことのある人や、どこかでそんな記事に触れたことがある人もいるかもしれません。ここ最近では、日本でも映画「82年生まれ、キム・ジヨン」が公開されたり、韓国のフェミニズムに関する書籍が出版されたりしてその話題性を感じることができます。

私個人の話になりますが、こうしてフェミニズムに関わるようになったきっかけは韓国留学です。2019年、留学時に私が感じたことは、「韓国では良くも悪くもフェミニズムが日本よりも話題に上り、より多くの人がフェミニズムについて話をしているのではないか」ということでした。

このnoteから数回にわたって、「韓国でフェミニズムはどう盛り上がっているのか」「韓国国内でフェミニズムってどんな感じなんだろう」をシェアしながら、韓国のフェミニズムについて一緒に学んでいきたいと思います。

今回は、韓国の大学の学生生活の中で体験したことについて書きます。

「女性らしい」に反論したアルバイトの学生

私が初めて日常生活の中で、フェミニズムに触れた体験です。

韓国人の友人が、「今日、バイト先の学生Aさんが自分はフェミニストだって言ってた」と何気なく私に話しました。

そんな感じでフェミニストという言葉に触れたことがなかったので、どんな場面でそういう話が出たのかとても不思議だったのですが、その友人の話によると、

Aさんはその日、普段と少し違う髪形やメイクのためか、雰囲気が少し違ったそうです。そんなAさんを見た店長(女性)が、「Aさん、今日はなんか女性らしくて綺麗だね」のような感じでAさんを褒めました。

それに対して、Aさんは「女性らしい」「女性らしくて綺麗」と褒められることに対してあまり嬉しくはない、と店長に伝えたそうです。そして、そのことについていろいろ会話するうちに「自身はフェミニストだ」という話になったみたいです。(詳しい内容は忘れてしまいました....😅)その会話の中で店長は、Aさんがそんな気持ちになると知らずに褒めたことを謝りながらも、綺麗ということを伝えたかったと話した、というように聞きました。

友人もびっくりしたとは言っていましたが、私はもっとびっくりしました。Aさんの考えや思想についてもちろん私は知らないままですが、「表現」

や「フェミニズム」についてアルバイト先で、真剣な話ができることが驚きでした。Aさんの発言に対し、店長が「何言ってるんだ」とならずに、会話したということは、社会にフェミニズムの話題や問題意識が浸透・共有されているということなのかな、とその時感じました。

フェミニズムと大学生

もう1つの印象的な出来事は大学の授業でレポート課題が出された際にありました。

その授業は世界の様々な対立(戦争・宗教・民族など)について元記者の教授が行う講義で、レポート課題は「韓国国内にある社会的葛藤(社会問題・議論の対立)について自由に書きなさい」というものでした。

私は、韓国の男女間の葛藤とフェミニズムについて書いたのですが、講義を受講していた80人の学生(ほぼ韓国人)の最も多くが取り上げたテーマが「フェミニズム」に関連するものでした。性別とわず、学生の半分以上がフェミニズムに関連する内容だったと記憶しています。その課題で最も優秀な成績をとったのも、韓国の男女対立とフェミニズムについて書いた男子学生でした。

その時期に韓国で「82年生まれ、キム・ジヨン」が公開されたこともあり、それに絡めてレポートを書いた学生も多くいました。「キム・ジヨン」への関心や影響力の高さも感じました。

文系理系問わず様々な学部生が集まる授業であったことと、ジェンダーに関する授業ではなかったにも関わらず、私の予想を上回り、多くの学生がフェミニズムに対し考え、レポートを書いたことは驚きでした。

フェミニズムに関して大学生の間での関心や問題意識の高さを感じました。

一方で、韓国社会では男女間での議論の対立や性別間の溝が生まれていることも学生たちの課題を通して知ることができました。これは、韓国ではただフェミニズムがいい方向にだけ進んでいるわけではないように見えました。

おわりに

「盛り上がっている」=「いい方向に進んでいる」「いいムーブメントが起こっている」だけではなさそうです。

そんな課題も探りながら、実際に韓国のフェミニズムは何を問題提起し、どんなムーブメントが起こり、社会にそんな影響をもたらしたのか、、次回以降も書いていきたいと思います。(次回1ヶ月後に出します😊)

では、皆さんも体調管理には気を付けて、2020年ラスト1ヶ月頑張りましょう!





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?