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就活とルッキズムとわたし

私ごとですが、先日新卒としての就職活動を終えました。

毎週夜行バスに乗って東京に行き、安いゲストハウスや首都圏内に住む
友人の家に宿泊しながら、週末に面接やインターンに参加する。
週が明けたら大学に戻って授業を受け、単位を取りつつ○月までに就活を終える。

留学中からすでに就活を行なっている(!)友人たちを尻目に、「今は留学に集中して好きなことをして、帰国してから存分に就活に励もう!」とぼんやり考えていた私は、そんな就活の定説を思い浮かべ、憂鬱さを感じていました。

しかし、思いもよらず、思い描いていた世界とはまったく真逆のアフターコロナの世界で私は就職活動を終えることになりました。

同じように、就活には残念ながらこんな定説もあります。

・容姿が整っている人(黒髪、短髪、一つ結び、前髪は横流し)が好まれる
・スーツは無地の黒色、男性は革靴、女性はヒールのパンプス

他にも様々あるかもしれませんが、個人的にその代表だと思われるふたつを挙げました。

わたしはこれらに「あまりにもイケてない...従いたくない!」ととても反抗的で、就活メイク講座なんて誰が参加するんだろう?と思っていたし、真っ黒の就活用のスーツを新調することも絶対にしたくない、と思っていました。

そんな日本の就活に疑問を感じていたわたしが、コロナ禍での就活をどう乗り越えたのか、就活の定説は本当だったのかを、今日はお話しさせてください。


就活をする前にわたしが考えたこと

前述の通り、わたしは就活に対して革新的な考えを持っていました。

就活のために自分の元々の髪を黒染めすることはしたくない。
(高校で地毛申請するほどではないけれど、地毛がもともと真っ黒ではないので、それをわざわざ黒く染める意味がわからなかった。そもそも地毛申請とは?)
(家にいるのにわざわざ)化粧したくない。化粧をすることは個人の選択であって、他者がそれを「礼儀がない」と判断するための材料ではない。
(化粧は推奨されるのに、ピアスやカラコン、ネイルは許されない就活の世界。そもそも就活メイクってなんだろう?高校までは化粧することが違反だったのに、大学に入ってからそれが礼儀に変わった。)
(就活のためにわざわざ)真っ黒のイケてないスーツを買いたくない。
(目上の人の前で然るべき格好をすること、それは礼儀だと思うけれど、それが真っ黒のスーツである意味とは...?そのお金があったら別のことに使いたい。美味しいものとか、大切な人との時間とか。)

きっとある一定数の方から見たら、若い学生のワガママとうつるのかもしれませんが、安心してください、一個人の考えです。これは学生の総意ではありません。

というわけで、わたしは就活のために「自分を偽りたくない」一心で、就活を始めました。


「保守的」であることの生きやすさ

では、「自分を偽らない」と決めたわたしが面接を受けて、どうなったのか?

それはもう、たくさんの会社にお祈りされました。

就活は受験と違って、不合格である理由(それぞれの獲得点数、面接の印象など)は全く開示されないので、わたしが「ありのままの自分」でいたことが不合格の直接的な理由とは言えませんが、

フェミ的な質問をすると嫌な顔をされ、ノーメイクで、好きなものを身につけて、茶髪のわたしでは、その場所には受け入れられない。そんな現実があることを実感しました。

服装自由と書かれていても、「無難にスーツ」を選ぶこと。それは加点にはならないけれど、自分の好きな服を着ることは減点対象になること。
髪の色を暗くして、クリアコンタクトレンズをつけて、ピアスを外して、ワイシャツを着て、髪の毛をひとつに結ぶ。
そうすると、選考に進む確率が目に見えて高くなりました。

そしてわたしは、オンラインの面接の前には必ず、マイミーティングルームで自分の身なりが整っているかを確認していました。
そこに映っていたのはいつものワクワクしたわたしではなく、駅前でよくみるように典型的な、「就活生のわたし」でした。


では、就活において自分は偽るべきなのか?

そこからは、順調に選考を進むようになりました。

本当の自分ではなかったけれど、「その会社で働いている自分」を憑依させながら受ける性格適性検査で落ちることはなくなりました。
友人の言う「今だけ我慢しなよ!」に従って、保守的な自分でいることは、くるしかったけれど「生きやすい」と感じました。

でも、伝えさせてください。
就活において、自分は偽らなくていいです。

自分を偽らないと言うことは、わたしのように、好きなものを身につけて面接を受け、黒染めはしないし真っ黒のスーツは着ないという選択をすることだけありません。
むしろ、黒髪で、ビシッとスーツを着て、TPOに合わせた化粧をすること、それがありのままのわたしを伝えるために必要なステップだと考える人もいるでしょう。

人によって「ありのまま」は様々です。

ただ、どうか嘘はつかないでください。
「着飾ったわたし」でその会社に迎え入れられたとしても、後々「ほんとうのわたし」が苦しくなるからです。

しかし、嘘をつかず、ありのままでいられる会社を探すことは簡単ではありません。保守的でいることが受け入れられてきた、ここは日本なのです。
わたしもたくさんの会社とお話をして、「あなたはいらない」と連絡をもらうたびに、わたしの居場所はあるのか、必要とされるわたしになるために自分を殺さないといけないのか、本当に悩みました。

それでも、こんなわたしのちっぽけなアドバイスですが、わたしと同じように「就活は自分を偽らないといけないのか?」と悩む誰かがいたときは、
「ありのまま、は難しいかもしれない、けど嘘だけはつくな!会社なんて星の数ほどある!(合う会社は絶対ある!)一緒に頑張ろう!!!」と声をかけてあげたいのです。


おわりに

スニ活」を行うジョンソン・エンド・ジョンソン社、「#令和の就活ヘアをもっと自由に」を掲げるP&G社など、就活に対して革新的な姿勢を見せる企業は数多くあります。

しかし、就活におけるルッキズムが比較的寛容になってきているとはいえ、就活を終えた今、「就活におけるルッキズムは全くありません!」とわたしは断言することがどうしてもできません。

ただ、あなたの「ありのまま」を受け入れる企業は必ずあります。
そんな企業を見つけるためにも、まずはあなたの「ありのまま」とはなんなのか、そこから一緒にワナビーと考えてみませんか?

皆さんの就活のお話もぜひ聞かせてください🤭!

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