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ボディシェイミングとボディポジティブ

はじめに

東京オリンピック・パラリンピックの開閉会式における演出を統括するクリエーティブディレクターが、「オリンピック」と「ピッグ(豚)」をかけて、渡辺直美さんに豚の仮装をさせ「オリンピッグ」とするという演出を演出メンバーに提案していた、という話題…。

ふくよかな女性を豚として表現しようとしたこの出来事は、人を容姿で侮辱していると批判を浴びていますよね。

ボディシェイミング

このように人を容姿で批判したり、侮辱したり、意見を言ったりすることボディシェイミングと言います。

ボディシェイミングによって、相手のコンプレックスを増大させたり、自尊心を傷つけたりしてしまうことや、それが相手の過度な整形やダイエットにつながってしまうことが考えられます。

私は特に小学生のころ、身近な人たちから「小さい時より太ったね」とか「お尻が大きい」と言われ、とても気にしていました。

体育の授業で着ていた体操服はサイズが小さめで、身体のラインが分かりやすくて恥ずかしかったため、目立たないようにいつもあまり動かず端のほうでじっとしていました。水泳の授業は水着を着るため、太ももの太さやお尻の大きさが分かりやすいので特に憂鬱でした。

当時は太っていることは非難されることなのだと感じていたため、痩せたいと強く思い、朝ご飯はほとんど食べず、給食も、残すと数が余って食べていない人がいることがバレる牛乳とおかず以外は、すべて減らしていました。

高校生になって、私が制服の上に着ていたカーディガンについて、ある友人が「なんでそんなにダボダボのカーディガンを着ているの?」と訊いてきたことがありました。

私はその時、身近な人に、あなたは太っているから体型が分かりにくい服の方が良いと言われてそれを着ていたので、そのことを伝えると、「そんなことを言われてるなんて…。あなたは別に太ってないし、もし今の自分の体型を気にしているとしても、もっと自分の着たい服を着てもいいんじゃない?」と言われました。

初めて自分の体型について否定的ではない表現をしてくれた彼女の言葉に、私は救われました。今では、自分で着たい服を選んだり、好きなものを食べに行ったりすることが好きになりました。

ボディポジティブ

ボディシェイミングに対して、従来の美の基準から解放され、自分のありのままの容姿や体型を受け入れて愛す、というムーブメントを、ボディポジティブと言います。

渡辺直美さんは、先に述べた出来事を受け、事務所のホームページを通して以下のようなコメントを発表しています。

『表に出る立場の渡辺直美として、体が大きいと言われる事も事実ですし、見た目を揶揄されることも重々理解した上でお仕事をさせていただいております。実際、私自身はこの体型で幸せです。なので今まで通り、太っている事だけにこだわらず「渡辺直美」として表現していきたい所存でございます。しかし、ひとりの人間として思うのは、それぞれの個性や考え方を尊重し、認め合える、楽しく豊かな世界になれる事を心より願っております。』

悪気はなくても、褒めているつもりでも、相手の容姿や体型について意見を言って傷つけてしまうことはあります。

自分に対しても相手に対しても、どのような体型でも容姿でも素敵だと思い合える社会が実現したら本当に素敵だと私も思います。

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