見出し画像

「盗撮にご注意下さい」?

トイレできょろきょろ

12月のどしゃぶりの雨のなか、
とある図書館に駆け込んだ。

緊急事態宣言下では入館できなかったが、
今は感染症に気を付ければ入れるようになった。

本は未知の世界に連れて行ってくれる。
だから、図書館に入るたびワクワクする。

けれど、冬の寒さに凍えながらトイレに向かった矢先、とある文字のせいでワクワクは冷めた。

「盗撮にご注意下さい」

女子トイレのドアに貼ってあった注意書きだ。

盗撮?ご注意?たった9文字の注意書きから、モヤモヤが溢れてきた。

そしてすぐ脇にある男子トイレに視線を向けると、そのドアにはなんの注意書きもないことに気が付く。

でもよく見ると、「館内は禁煙です」の張り紙も女子トイレのドアにしかないから、張り紙は女子トイレだけに貼るとか、そんな決まりがあるのかな?

いや、そんなことあるか?????

あったとしても、「盗撮にご注意下さい」の注意書きが女子トイレにしかないというのは女子トイレ利用者の不安を煽っている。

少なくとも、私はトイレに腰を掛けながらカメラがないか周囲を見渡しながら座る羽目になった。

盗撮の実態

「盗撮」って・・・?そう疑問に思った私は

法務省 盗撮事犯の検挙状況をもとに実態を見ることにした。

どうやら、令和元年における盗撮事犯の検挙件数は、3,953件、検挙人員は3,166人であるようだ。

なんと、平成22年度の検挙件数1,741件から令和元年度では倍以上の数値となっている。

画像1


文書の中には、犯行で使われる媒体も書かれている。

なんと、平成26年から変わらずスマートフォンを利用した盗撮件数が圧倒的である。

要は、誰でも持ってる、みんなが気軽に使えるスマホで盗撮がなされているのだ。

恐ろしいのは、日本では国会議事堂内でさえも盗撮が起きていることだ。

画像2

2021年4月、経済産業省の政府職員が女性用トイレでの犯行を認めたのこと。

衆議院は「今後、その職員の国会内への立ち入りは認めない」そうだ。

この件に関して、4月に経産省がコメントを差し控えて以来、事件のニュースは見当たらない。

「国会 トイレ 盗撮」と検索をかけるも、該当するサイトはエラーにより閲覧できない状況だ。(これはなんでだかわからないが・・・)

また、佐賀新聞では「盗撮の闇」と題して全6本の記事の特集を組んでいる。

盗撮の実態を調査してきた全国盗撮犯罪防止ネットワーク代表の平松直哉さんによると、盗撮に関する規制はゆるく「やらせではなく本物の盗撮映像」が1本数千円~1万円代で売られているようだ。

盗撮は人権を侵害する性犯罪であり、「一度映像が流出すると、回収したくてもできない」と言われている。しかし、規制は緩いとのことで、謎でしかない。

被害者から悲痛な声があり、「『映像が流出するかもしれない』という特有の恐怖が付きまとう。ケースによってトイレや自宅など安全と思っていた場所が安全でなくなり、おびえながら生きていくことになる」と語られる。

盗撮は軽視されているようだが、実態は厳重に受け止める必要があるようだ。

「盗撮にご注意できるのか?」

ここまでで大まかな実態は分かったものの、「盗撮」に「ご注意」できるのか??

「盗撮 対策」と検索すると、「小型カメラに気を付けよう」とか「スカートをはくときは警戒するように」などの記事を見かける。

は?と怒りしか出てこない。

やはり、何故、盗撮をさせられる側が注意をする必要があるのか?疑問でしかない。

注意しろなんて、「こちらは警戒するように促すからあとは自己責任です」とでも言っているのか?そうはいってなくても、私はそう感じてしまった。

しかし、良い記事も見かけた。

女性をめぐる警察活動では

福岡県では、盗撮事案が多発したことを受けて、(平成)22年から、広報啓発活動、防犯ミラーの設置等の総合対策を実施したところ、同地区内において被害が特に多発していた大型書店における発生件数が大きく減少した。(一部訂正、一部編集)


という実態があるようだ。この事例は、他の場に広まるべきであろう。

盗撮は我々が「ご注意」したとことで、解決されるようなことではない。

少なくとも、私が盗撮をされていると気が付いたとしても…こんなに加害者が罪深いと分かっていても…何かできる自信があまりない。

なにより、ネットに写真が上げられていたら完全な対応ができるかなんて、分からない。

本文の投稿日からだいぶ前になるが、

11月25日~12月1日まで「犯罪被害者習慣」であった。

盗撮のように、事件は今すぐ変わるわけではない。

しかし、被害者の声に耳を傾けることで、寄り添うことこそが社会をよりよくしていくきっかけになるだろう。

私はこのnoteを投稿したら、例の図書館にこの話を持ち掛けてみようと思う。

長い話となってしまったが、皆さんの「スキ」が、この図書館を始めとする悪しき実態を変えるかもしれない。

今すぐ、「スキ」を押してほしい。

盗撮のない社会を目指して!

WannaBeMeメンバー スズカ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?