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遠足に行かないという”新発想”

 子ども向けの施設(オルタナティブスクール)に居たころ、校外学習、いわゆる遠足があった。参加ですか不参加ですか、は聞いていません。私たちスタッフは全員参加するものと思っていた。しかし、50人中3人が「行かない」の回答。これはカルチャーショックというか、ジェネレーションギャップップというか、とにかく驚いた。私が子どもの頃、「遠足に行かない」というチョイスはなかったと思う。当然、もちろん、全員参加を疑わなかった。ところが、最近の子たちには「遠足に行かない」「修学旅行に行かない」というチョイがあるようだ。それも体調がどうのこうのではない、「行きたくない」「つまらない」「一人で勉強してたほうがいい」というストレートな理由。そんなはっきり言われたら、説得する気も失せる。
 何でしょうね? いつから子どもはこんな風になってしまったのか。大学生の子にもこの話をしたら、驚いていたので、ほんとうに最近の子どもの変化なのであろう。保護者はというと、「行ったらと勧めてはみたんですが、行きたくないと言うので」と、子ども任せ。せいぜい「行ったら」止まり。総じて、最近の親は子ども任せです。「突然ですいません、うちの子が、今日の〇〇のクラス受けたいって言うんですが入れますか?」と、子どもがやりたいならやらせる、やりたくないならやらせない、親のスクリーニングというものがない。子どもが変わったというより、最近の親が変わったんですかね。まあ、だいたい過保護。危険なことが周りに増えているから防衛反応が強いのかもしれない。それが進化したのがモンスターペアレント。特に、小学校の先生は大変。口うるさい親の言うことは聞く。言って通るなら私も言わせてもらう、と学校は過剰要望とクレームの嵐。先生たちは配慮と遠慮のクラス運営。子どもだけが無風で無菌状態。最近の子が優れている部分はもちろんたくさんあります。しかし、欠落してるもの、失っているものも多い。これが、この子たちの将来にとってどう出るか。その頃私は、生きいるか死んでいるか分からんので、知りません。


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