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泡沫のユークロニア 帷√感想(真相√までネタバレあり)

前置き:乙女ゲームはオタク人生の中でもほとんどやらず、薄桜鬼とピオフィだけやったことがあります。今年ピオフィに出会って沼落ちして(ちなみにピオフィの推しはニコラ・フランチェスカ)、ピオフィ製作陣を信じてユークロ買いました。総じて、買って良かったです。

【総評】


花街の顔役ってことで悪い男がくんのかな?と思ったら…

お前お前お前~~~~~~~~~~凍玻璃で一番のイイ男きたじゃねえか!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


だからこそ、ねえ何でこんな良いヤツがこんな目に遭わなきゃいけないの!?!?!?ってのが後半畳みかけてくるの本当に…本当につらかった……帷が何したってんだよ……ねえ……何でこんなに良い男がこんな辛い目に遭わなきゃいけないのさ……
凍玻璃という世界が彼を苦しめるなら、そんな世界焼き払ってやろうじゃないか……と私が不知火になりそうでした(?)

雛菊ならきっと帷を幸せにしてくれるし、帷なら雛菊を幸せにしてくれる。

そう確信できる2人の物語でした。お話としては一番好きかもしれない。

【BESTの話】


一貫して悪い男ムーブしてるのが逆に彼の善性というか、姫さんに対して「俺には近づくんじゃねーぞ」という、線引きをちゃんとしているのがもう好感の塊って感じでした。
対する雛菊ちゃんが帷のぶっきらぼうな言葉の中にある本心とか本音を感じて、ちゃんとリアクションしているのが箱入りだけど純粋で優しい女の子なんだなーとなって、非常に温かい気持ちになりました。凍玻璃のベストカップルかもしれん…こいつら…良いぞ…となった。人を疑わないとかじゃなくて、ちゃんと知って本質を見たいというのが素晴らしい。

色々好きなセリフはあるけど、「悪い男にひっかかる年頃か?」(うろ覚え)っていうセリフが何かこう、彼の人となりを表してる感じがして大好きでした。自分のこと悪い男って呼称するのカワイイ。ほんとに悪い男って、自分のこと悪い男って言わないのよ。(横目で黒鶴のあの男を見る)

てかアンタ雛菊ちゃんとそんなに変わんないでしょ、年上ぶらないの。背伸びしたいお年頃か。カワイイな。


生まれた環境への違和感や不満をそのままにせず世界を変えようとする帷が若くて眩しくて、若さゆえの青さもあって、それが彼の人間らしい部分というか、こんなやつ好きにならん人間いる!?いねェよなァ!?って凍玻璃リベンジャーズになりかけました。
いやこれはマジで姫さんじゃなくても好きになる。光に焦がれるっていうのかな。無自覚のうちに人を魅了してしまう光を、帷は持っている気がしますね。彼、なんかよくおモテになるとか言うてはりましたけれども(突然の京都弁)、本気で涙したオンナも多いんちゃいますのん?帷さん、罪なオトコ…。

ピオフィの時も思っていましたけど、この製作陣が作る物語は心を通わせていく過程がすごく丁寧で、帷ルートは特にそういう2人の心の揺れとか、惹かれ合う様子とかがよく分かって大変良きでしたね。見た目とか立場じゃなくて、お互いを知って、もっと知りたいと思って、男とか女とかいう前にちゃんと人間として相手を見ているのがすごくいい。
凍玻璃でいうとなおさらですよね。貴族とか平民とか、現実世界よりも更に隔たりがある中で、社会的立場の違う相手をちゃんと一個人の人間として見ることって、言葉でいうよりとても難しいことなわけで。しかも淡雪みたいに幼い頃から知っている存在じゃなくて、まったくの赤の他人だった帷にもちゃんと人間として向き合える雛菊ちゃんは、本当にすごい女の子だよ。
だからこそ、凍玻璃では異常と捉えられてしまうのは悲しいですけどね…。

雛菊ちゃんは自分の想いにいっぱいいっぱいだったけど、帷は自分の想いにも彼女の想いのも気づいていて、だからこそ受け入れるわけにはいかないって思っているのが終始辛かったな…。
でもそれはそれとして、自覚してんのかしてないのか分かんないけど

簪を付け直すのに正面からいく必要はないと思います!!ピピーーーーッッッ!!モテ男警察の取り締まり対象です!!純真な姫さんを弄ぶんじゃありません!!!有罪!!有罪だよ!!


ていうか、私乙女ゲームあんまり詳しくないですけど、なんか乙女ゲームの教科書みたいなこと全部してなかったかこの男!!!
ほっぺたついてるぞってやって(米粒じゃなくて煤だけど)、簪直してあげて(これはホント有罪)、転びそうになったヒロインちゃんを抱きかかえて一緒に倒れて(これはもうホントにダメ、有罪以上)、主人公がピンチになった時に助けに来てくれて(少女漫画でも少年漫画でも一番胸熱になるやつ)もうこれ以上盛るな!!お出しするな!!死人が出る!!ってなっちゃった。
矢代が、性格的にはいわゆる王道ではなかった気がするので、帷がメインヒーローというか王道ヒーローのような男なのかなって思いました。皆が好きな王道をすべてやってくれる有能な男…。いやマジで、何回も言いますけどこんな男好きにならないわけがないんですよ。もはや一周回ってダメです。存在が有罪。

長生きして雛菊ちゃんを末永く幸せにする刑に処します。一生幸せにしてやれ。そしてお前も幸せになれ。


そんな中でも、雛菊ちゃんが芸妓に変装して2人でお祭りにいくというあの名シーンは、凍玻璃で最も純真な恋模様が浮かび上がった場面じゃないだろうか。花街の男なのに、酸いも甘いも嚙み分けたみたいな顔しているくせに、何もせずに祭りの間だけ手をつなぐ。ただそれだけ、でもそれをすることさえ命懸けの世界。それ以上は望んじゃいけないと知っているけれど、誰よりピュアに純粋に一人の女に恋をしていく姿がとっても素敵でした。
ウウゥゥゥゥゥゥ~~~~~~~~~~~~幸せになれ……幸せになれよぉ……

中盤の花街大火はもうめちゃくちゃ辛かったんですけど、助けに来てくれると信じて選択肢を選んで火に飛び込んで正解でしたな!!!!!!!!!!!お前は裏切らないって信じてた!!!!!!!!!!ありがとう!!!!!!!!!!!!!!
しかし、助けに来てくれるのは王道で分かっていたような気がするとはいえ、めちゃくちゃ嬉しかったな…すげえ男だよオメーは…ありがとうな…

その後の夕暮れの告白シーンも美しいやら切ないやらで感情の大洪水でした。
お祭りの時とは違って、手すら繋げないのがもう、ね…。
帷のセリフ、姫さんに言い聞かせると見せかけて実は自分に言い聞かせてるところもあったんじゃないかな。
雛菊ちゃんは恋に恋しているだけで、錯覚しているだけで、その想いはいつか薄れていくはず。だから夢中になってはいけない。それは、そのまま帷が自分自身にブーメランで返ってくる言葉だったような気がします。言い聞かせてないと、雛菊への気持ちが溢れて止まらなくなりそうだったのかもしれない。ウウゥゥゥゥゥゥ……オマエッテヤツハヨ……ウウゥゥゥゥゥ……(怪物憑きではありません)

帷に諭されても「私の気持ちを否定しないで」とか「困っている人を助けるのは当然、帷が嫌がっても花街に関わることはやめない」って言える雛菊、やっぱり箱入りお姫様にしては気概があって好きすぎる。気骨があるともいうか。そりゃ花街の顔役だって惚れますわよ!!

ちょっと前後しますけど、このシーンを経てからの「惚れてるよ。身分が同じならとっくに口説いてる」ってサラッと言うのマジでズルい男です、帷さん。大げさに言うでもなく、照れるでもなく、ただ事実として「自分は雛菊に惚れてる」と表現できるの、本当にズルくていい男。改まって格好つけて言わない辺りが、本当に好き。死ぬほど好き。凍玻璃ナンバーワンのいい男ですよ、ほんとに。

そしてそこからの!!!!!!!!!!!兄貴分の裏切りと玻璃病と!!!!!!!!!!!!なあ!!!!!!!!!!!帷が何したってんだ!!!!!!!!!何したってんだよ!!!!!!!!!!!!何でだよ!!!!!!!!!!!!!うわああああああああ!!!!!!!!!!!!(血涙)

ねえ何でこんな良い奴がこんな目に遭うの!?!?!?!?ホントに!!!!!!!ほんとに帷が何したってんだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!お願いだから誰か彼を幸せにしてやってくれよ!!!!!!!!!!!!!!
あッッッッッッ雛菊がいた!!!!!!!!!姫さん帷を頼んだぞ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

げふんげふん……すみません、取り乱しました。
いやでもほんと、こんなに属性てんこ盛りにしなくてよくない??何で??何で彼だけこんな目に遭うんですか??ってくらいしんどくて部屋の中転がり回りそうになりました。
ていうか兄貴分が弟を裏切るのホントよくない、よくないよ!!もれなく弟泣いちゃうんだからね!しょぼーんってなっちゃうんだからね!!こらッ!!聞いてるかどっかのフランチェスカ!!
しかも今回の裏切りは、勝手に帷を祀り上げて期待して、自分の思い通りに事が運ばないからって勝手に失望しているあたり、裏切り側の身勝手さがより顕著に出ていますね。反大樹を掲げてるというのに、結局お前たちも誰かに縋って生きているだけやないかい、という。

自分にはできそうにない夢を掲げている帷を見て眩しく思ったんでしょうし、彼なら何かやってくれそうと思っていたんでしょうけど。それは、実は大樹信仰と何も変わらないんですよね。

対象が大樹じゃなくて帷になっただけ。自分の力でどうにかする事すらできないくせに。
ただ、真相√でこのあたりの理由とかも描かれていたので、本当に深い物語だな…と、フルコンしたあとは感嘆しきりでしたね!帷の夢は、夢物語でしかなかったというのが切ないところ…露草√で判明しましたけど、潮路にも潮路なりの理由があったし、ただの暴走でなかったというのはまたさらに切なさを重ねていきますね…。
いやでもきっと、それでも帷は真実さえ乗り越えてどうにかしてくれそうな気がする。そう思わせる何かを、彼には感じてしまいます。それが彼の魅力なんだろうな。

あと玻璃病については、何か万病に効く薬とかないんですかね。どっかに落ちてないですか?そんなものがあるとしたら雛菊ちゃんは駆けずり回って這いまわって探してくれそうですけども。
辛いよ~~~~~~~~ホントに…治れ…治れよ…痛いの痛いのとんでいけで治ればいいのに……

この中に!!この中にお医者様はいませんか!?玻璃病を治せるお医者様はいらっしゃいませんか!?!?できれば一発で、ちちんぷいぷいくらいの勢いで治せるお医者様はいらっしゃらないですか!?!?!?


ウウゥゥゥゥゥゥウウゥゥゥゥゥゥ……辛すぎて怪物憑きになりそう……てかもう半分くらいなってる……

恋の物語としてみるなら、このBESTエンドはもうヨシ!何も言うことはない!!帷なら全部大丈夫!!ってなるくらい綺麗に素敵に終わりましたけど、世界観全体のお話でいうと松柏先生と賢木宰相死んでるのってこの後の未来詰んでません??松柏先生、ガチのマッドサイエンティストではあったんですけど、彼の研究が玻璃病を治すヒントになるのは絶対にそうなので…。帷を唯一治せる人だったかもしれないのに…。
たぶん、帷は生まれながらに玻璃病の抗体をもってたんだろうな。だから人為的に発病させられなければ、ああはならなかった。予防がどうのって言ってたので、松柏はワクチンを作ろうとしていたんでしょうね。だからってほんとにクソ。マジでクソ。クッソ……死ね松柏……あッ、死んでたわ。

ていうか、真相√まで全部見ちゃうと、枸橘が残って賢木が死んでるの一番ヤバな気がするんですけど!!他のルートってどうだったっけ…宰相殿が死んで枸橘元帥生き残ってる√ありましたっけ…。もし続編あるならこのあたりかなりヤバい気が…。当たり前に続編の話してますけど、え?ありますよね?ないとは言わないですよね??帷がしわしわのおじいちゃんになって、同じくしわしわのおばあちゃんになった雛菊と縁側で日向ぼっこしているスチルを見るまで死にませんからね。

それはそれとして、早く手出してほしい雛菊ちゃん、やっぱり跳ねっ返りのじゃじゃ馬姫って感じで、後日談まですべて大変健康に良いエンドでした。
時間が有限だからこそ、永久を望んでしまう。そんなもの存在しないと帷が一番分かっているのに、永久を望みたくなるほど、雛菊を愛している。彼らしい真っすぐで純な愛ですよね。
いざ手出されたらそれはそれで溶けちゃいそうなくらい照れて死んじゃいそうですけど、雛菊ちゃん大丈夫かな。いやダメかもしんない。数々のモテ男ムーブに全部照れまくってたんだし、溶けちゃうかもしんない。だってあの帷が、愛した女をぐずぐずに甘やかさないわけはないので…。ふふ、楽しみだなあ。ふふふふふふふ。
手を出すことに決めた帷はきっと覚悟ガン決まりなので、もう二度と逃げ場はないでしょうね。雛菊ちゃんも逃げる気はないでしょうけど。こういう真っすぐな男の覚悟、誰よりも強固なので…。えらいこっちゃ。

【BADの話】


ホントに辛すぎて怪物憑きみたいな唸り声あげながらストーリー進めました。
裏切られて、自分の体は思うようにならなくて、すべてが悪い方向に進んでいく様がもう…辛い…帷が何したってんだ…(それしか言わない)
まさか帷が心中エンドだとは思わなくて、アアァァァァァァ~~~~~~~ってなっちゃった…。

「もうここで俺にできることはない」って帷が言うの、マジで辛い…辛すぎる…。


幸せなシーンで「いつかお前を外に連れてってやる」なら良かったんですけど、この場合は完全に逃避というか、もうそれができない状態って分かっている、且つ外に逃げるくらいしかもう思いつけないって、あの帷が限界を感じているという事実がひたすら辛くて…。
こんな世界燃やしちまおうぜ……。
あと、途中から帷が一人でしゃべっててそれに返事をしようとしてもできていない雛菊ちゃんというがまた切なかったですね。モノローグでは返事をしていたけど、実際には帷に聞こえていなかっただろうし。
帷が最期に思うことが、不知火の野望が潰えた事に対するショックや悲しみでもなく、自分の夢が叶わなかったことでもなく「好きってもっと早く言ってやりゃよかった」なのが、もうほんとにダメでしたね…。最後の最後に思うことが、愛した女への後悔なのが…
ウウゥゥゥゥゥゥ……

総じて、帷好きにならんやついなくない???という感想でした!

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