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倒産した不動産屋から130万円回収した話_1

・住宅メーカー現る

今から20数年前の話……
結婚してワンルームマンションから2DKのアパートへ引っ越しました。
当時嫁さんは医療事務の仕事をしていて土曜日は出勤、私は休みでした。
月に何度か仲人のSさんが来て、軒先で陶芸に勤しんでいました。


Sさんとは足繁く通っていた陶芸教室で知り合い、毎日のように仕事終わりに先生も交えて夜遅くまでよくしゃべっていました。
当時まだ建具屋をやっていたので、先生に頼まれて教室の棚を作ったり、端材で作品を乗せる甕板(かめいた)を作ったりしていました。
その棚を作るにあたって一人だと厳しい、先生は手伝わない(!)となった時にSさんが手伝ってくれたことがきっかけで、仲良くさせて頂くようになりました。
そこの陶芸教室も先生が窯焚きしている時に火事を出して、焼け跡の片付けもしないままでいなくなってしまいました。

そんな宙ぶらりんになっていたところにSさんから連絡があり、
「L型鋼で作った足が余っているけどいる?」と。
陶芸の作業台は粘土の空気を抜くための土練りを行うので、中途半端な作業台だと壊れてしまいます。なので3寸角の木材でしっかりした作業台を作ろうかと、思案していたところでした。
そもそも「L型鋼で作った足」なんて余っている訳ないんですよね。
よくよく聞いてみると、陶芸教室用に2つ作っていたそうでそれが余っているとのことでした。

いまは庭に置いてあります。さび止め塗ろうかな……

その週の土曜日にトラックで持ってきてくれました。
天板を乗せないといけないので、そのままトラックでDIYショップへ行きコンパネを3枚購入して、900✕900にカットしてもらいアパートへ戻ってきました。それをボンドで貼り合わせます。中央は何本かネジを打って周囲はシャコ万力とはたがねで締めます。


上:ロブスターだけどシャコ万力  下:はたがね

乾くまで2時間ぐらい。しばし休憩です。
乾いたら軽くコンパネの角を面取りして完成です。
Sさんの分も作成してお渡しました。
でもなぜか「ひとりでやってるとつまらない」ということで、月に何度か来て一緒に作陶していました。

作陶しているところにパンツスーツ姿の女性がふらっと来ました。
何の躊躇もなくアパートの敷地内に入ってきて、ニコニコ笑っています。
(どう見ても怪しい・・・)

「陶芸やってるんですかぁ?」

なんかフニャっとした声だ・・・
Yさんの第一印象はそんな感じでした。


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