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エンドロールで別れを決意したセフレの話

誰にも気づかれないような変化を起こしてひとり浮かれるものの、誰にも気づかれないことがそれを凌駕する悲しみに変わってしまう皆様、ごきげんよう。

あけましておめでとうございます。
どこかに居るです。
前回の更新からぐっと冷え込んで、気づけば年を超えていましたね。今年も危うく生き抜くわたしとわたしのnote、何卒ご贔屓よろしくお願いします。

『誰かを真っ直ぐに愛する』ことについて、コンプレックスがめちゃくちゃあると思う、特に、わたしを含めた裏垢界隈に存在する人は。偏見…じゃないな、きっと。
本来、『誰かを真っ直ぐに愛する』ことが駆けていく時、雪だるまのように丸く豊かに膨らんでいけばいいのに、わたしたちは石や木の幹のような障害物があって、歪な雪だるま、と言うのにも戸惑う固体になっている。
それでも、欲望の雪が降り注ぐ中で思い出すのは、とある友人のこと。その話を今回はしたいと思う。

彼との出会いは夏頃。勿論きっかけは、セックス。わたしは出会い厨…というか遊びたい盛りで、でもいろんな経験をして少し食傷気味になっていた頃だった。
当時ヘビーユーザーだったサイトで知り合い、程なくホテルへ行き、事を済ませた後、世間話に花が咲いた。
カラオケが好きなんだよね、と話したところで、「どこかさん、この後暇ですか?カラオケ行きません?」と、提案してきた。普通、順序が逆だろう、と思ったけれど、面白いことが好きなので、そのまま3時間ほど楽しんだ。
それが相手にもとても新鮮な出会いだったのか、近い内にリピートの連絡が来た。
『気持ちよかったテクニック』とか、『絶頂に達した回数』とか、普段重視することをすっ飛ばして、『楽しかった思い出』が妙に離れなかった。
わたしは喜んで、「いいよ、会おう」と伝えた。
それから彼とは、1年半ほどの付き合いになった。

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