【ぶんぶくちゃいな】風雲渦巻く、中国配車&シェアバイク業界

先週の中国のネットに流れたニュースで最も注目されたのは、中国NewsClipでも何件か取り上げたように、オンライン生活サービス「美団店評 Meituan」(以下、美団)によるシェアバイクサービス「摩拝 Mobike」(以下、モバイク)の完全子会社化の話題だった。

週明けに、「買収? ありえな〜い」というコラム記事が流れていて、「ふむふむ、そんな噂があるのか」と斜め読みしていたら、翌朝のタイムラインには「モバイク買収!」という記事がびっしり…(「ありえな〜い」は一体なんだったのだろう)。

当初はタイトルに美団美団、と並ぶのを見て、てっきり先月から話題に上がっている、オンライン配車予約サービス「滴滴出行」と同サービスに新規参入した「美団」の競争話だと思った。しかし、それから連日、ニュースサイトのトップ話題はモバイクの買収話一色に。

おかげで、先月末にアリババが中国スタートアップ界最高の95億米ドルでケータリング配送サービス「餓了麼」(うーらま、「腹減った?」の意味)を買収したというニュースは完全にかすんでしまった。これはこれで業界にとっては大ニュースなのだが。

ついでに言えば、アリババが買収した「餓了麼」はレストランの出前の代理注文・配送サービスで、「美団」のライバルである。ある意味、「餓了麼」の大ニュースを「美団」が奪ってしまったことになる。

一方で、「モバイク」とほぼ、シェアバイク界を二分しているライバル「ofo」も、先月担保付きの融資をアリババから受けたばかり。明らかにものすごいスピードで中国人気オンラインサービスの再編が進んでいることが理解できる。

●誰もが危ぶみつつ激戦が続くシェアバイク業界

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