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質問のレパートリーについて考える

コーチングがある程度板についてきたけど、質問は相手の思考をなぞるだけで、まわりくどい、そんな壁を感じたことはないでしょうか。

少し前の私は、コーチングを提供することが目的となってしまってました。ぶっちゃけ、自分が格好つけたいがための質問になってしまっていました。そういう時に限って、自分のレベル感を正確に認識できていない且つ自分のコーチングセッションを振り返って深く内省できていません。

今回は、そんな壁を解消するために、質問のレパートリーの型を持つことで、どっしりとした相手の思考の枠を超えたセッションになるヒントをお届けします。

コーチング実績166時間、70名以上、コーチング会社で働き組織へコーチングを普及する活動を通じて現場目線で、クライアントやステークホルダー、そしてコーチの声をきいてきた経験からお伝えしていきます。


そもそもコーチングにおける質問力とは

質問を用意する際は、ただの思いつきではなく目的を持って準備することが必要です。コーチングにおける質問の定義とは、相手を不安な状態にさせ、このままではいけないと気づかせ、行動を起こす機会を与えることです。
ですので、むやみやたらに質問すればいいのではなく、何かしら狙いがあって質問を行うことが前提となります。

しかし、コーチングセッション中において、その場で質問を考えている暇は十分にあるかと言われれば、そんな時間はありません。ですので、事前に質問のストックを準備しておくことが重要なのです。
そうすることで、あたふたせずにどっしりとした相手の思考の枠を超えたセッションに変わっていくのです。


シーン別質問のレパートリー

ここからは各ステップでよくある8つのシーンを切り口に質問レパートリーを紹介していきます。

シーン1:セッション前にマインドセットしたいとき
・前回のセッションから何か変化はありましたか?
・前回話してから何か新しいことはありましたか?
・最近の状況はどうですか?

シーン2:テーマを確認したいとき
・今日は何について話したいですか?
・なぜそのテーマについて選んだのですか?
・そのテーマはあなたにとってどれくらい重要ですか?

シーン3:ゴールを具体的にしたいとき
・セッション終了後にどんな状態になっているとよいですか?
・また、どんな気持ちなっているとよいですか?
・この時間で、何が手に入っているとよいですか?
・どうすれば手に入っている状態だとわかりますか?

シーン4:現状の具体性を明らかにしたいとき
・最近、そのテーマで特にそう感じたことでどんな事がありましたか?
・例えば、どんなことがおきていますか?
・もう少し具体的にきかせていただけますか?
・今、その状態をあなたはどのように感じているのですか?

シーン5:目指したい先を明らかにしたいとき
・本当はどうしたいのですか?
・更に、その先はどうしたいのですか?
・本当にそうしたいと思っていますか?
・一切の制約がなければどうしたいですか?

シーン6:視点を変えて考えたいとき
・もしあなたが社長だとしたら、どのように考えますか?
・あなたの組織の競合だとしたら、どのように考えますか?
・5年後の自分から、今の自分にどのようなメッセージを送りますか?

シーン7:何が壁となっているのか明らかにしたいとき
・あなたにとって最大の壁とは何ですか?
・本質的な課題とは何ですか?
・何がなくなれば前に進めますか?
・それがなくなれば進めますか?

シーン8:何をやるか明確にしたいとき
・まだ手がつけられていなくて、やってみようと思うことは何ですか?
・まず半径3メートル以内で取り組めることは何ですか?
・いつまでに取り組みたいですか?
・それに取り組むことで、周りにどんな影響(変化)がありそうですか?

おわりに

準備に時間はかかるかもしれません、そしてセッション本番では使わないかもしれません、でも事前に準備をしておく、それがプロのコーチとしての心構えとして必要ではないでしょうか。


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