転がるヘヤピン、君に朝が降る
こんな夢を見た。
その夢の中で私は京大文学部志望浪人生だった。私はただひたすらに暗闇の中を歩いていた。道程(京大文学部志望浪人生は童貞であるが、ここでは意味通り道程とする)は懐かしいものであった。顔の横を流れる景色は闇に紛れてもなお私を感傷的な気持ちにさせ、足先を岩が転がった。
感傷──何故だろうか、以前ここを訪れたことが?どこか思い出深い場所へ向かっているのか?──稚拙な推測が脳内を蛇のように駆け巡る間も、決して私の足は止まることは無かった。
長いながい暗夜行路であったが中