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老けてしまった君に、友情を捧ぐ

SNSのお陰で、もう滅多に会うこともない古い友人の近況が見れたりする。それがありがたいような、ありがたくないような。

自分の顔は毎日見ているので、そんなに変化に衝撃を受けることはない。たまに写真に写った自分の姿を見て「げっ!」と吐き気と眩暈を催すことはあるが、まあ毎日少しずつ老けているのであまり加齢の自覚がない。

ところが滅多に会わない他人だと話は別だ。うっかりSNSで見かけた姿に愕然とする。目に入ったシワシワのおっさんは、私の頭の中ではずっと艶々の可愛らしい男子校生だったのである。ああ、時の流れは残酷だ。5年ほど前に会った時は、まだ結構なイケおじ風味だったはずだ。先輩(女性)にこの話をすると、
「男の人のイケおじ期間は短いのよ〜。」
だそうだ。

いやはや、最近こんなことが何度か重なった。自分のことよりショックだ。しかし悪いのはこの私。過去のイメージをずっと脳内にキープしているのが罪なのだ。ちゃんとアップデートして、「素敵なおっさんになったね」と笑顔を送るのが友情ではないか!ごめん。老けたなんて思って心からごめん!

でもね、何だか悔しいのだ。若い女の子たちが彼らを見て、「うわ〜、ジジイきもっ」なんて思っていたら嫌なのだ。「ちょっと前までは、ほんとに可愛くてカッコよくて、あんた達なんか相手にされないぐらい素敵だったんだぞ!」って言ってやりたいのだ。そんな姿をしっかり憶えていてやりたい。これも友情なのだ。

遥か昔に父に、
「美人の同級生が老けたのを見るとガッカリするが、それなりだった娘は歳をとってもそれなりなので安心しろ。」
と大変に失礼な方向から慰められたが、そうだったらいいのにな〜と今は本気で思っている。

昔の印象そのまんまの感じで老けられたらいいんだけどな。



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