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和レゲエ数珠繋ぎ-第33回- 金村章次

東京都 金村章次
アーティスト名 HARAHELLS feat.春はあけぼの
曲名 もう呑まんぞツラい
発売年 2022年



年代の縛りがないという事で沖縄の現行バンドハラヘルズです
この曲はボブマーレーノーウーマンノークライの替え歌なのですが、詩の内容が最高です


♨︎
金村さん、ありがとうございました!

原曲の「NO WOMAN NO CRY」は、「BOB MARLEY & THE WAILERS」が1974年に発表した楽曲。ベストアルバム等によく収録されていて聴きなじみがあるのは、75年のLIVEバージョン。

今回は該当曲にちなんで「NO WOMAN NO CRY」の日本語カバー曲を紹介します。

まずは、HARAHELLSと同じ沖縄の音楽グループ「ネーネーズ」が歌う「ノーウーマン・ノークライ」※カタカナ表記。

ネーネーズは、沖縄を代表する歌手「知名定男」のプロデュースにより90年に結成。途中、何度かメンバーの入れ替えを挟み、現在も活動中です。

ノーウーマン・ノークライ」は、第1期メンバーによる93年のアルバム「あしび」に収録。知名定男による沖縄方言での訳詞が印象的で、女性から男性への想いが描かれた名作。

また、同アルバムに収録の「バイバイ沖縄」は、知名定男名義で78年にリリースされたヒット曲のカバー。和レゲエ。


続いて紹介するカバーは、そんな知名定男の訳詞をしっかりと受け継いだ2021年作。「CHOUJI feat. ネーネーズ」の「NO WOMAN NO CRY」です。

沖縄を拠点に活動するストリートブランド「BLAQ FLAVOR」の企画による楽曲。ネーネーズの原曲を丁寧に下敷きし、ラガヒップホップとしても密度が高いキラーチューンです。ラガマフィン香るCHOUJIのラップ。7インチレコードも存在します。

続いては2020年リリースの「KOJOE & Olive Oil」による「NWNC

こちらはまた新たな構成。原曲を忠実にカバーした後の3バース目及びアウトロの部分で、日本語詞が登場します。

KOJOEの心地良い歌声に加え、バックトラックも完璧。ピアニストでビートメーカーの「Aaron Choulai」とビートメーカー「Olive Oil」の共作です。

別バージョンはKOJOEの12inchに収録されていますが、このバージョンのレコード化はまだありません。

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次も同じく2020年。日本の作曲家「東儀秀樹」による「NO WOMAN NO CRY

流行病禍での想いを温かく訳詞。最初にオリジナルパート、その後に原曲の歌詞と続きます。演奏も全て一人でこなす時代を象徴した1曲。

それぞれの訳詞に個性が光りますが、共通するのは前向きな想いです。


もう1曲だけ!

BAHO」の「NO WOMAN NO CRY
ライブバージョン。
※「石田長生」と「CHAR」2人のギタリストによるユニット。

こちらは原曲の歌詞を、よりはっきりとした日本語でカバー。

さらにBAHOのライブ音源「大馬呆展」には93年大阪・梅田にて「憂歌団」のボーカル「木村充揮」との「NO WOMAN NO CRY」が収録されています。

「洗濯物は、おれがするから。なんにも気にしやんとゆっくりして〜」と、木村充揮のラフな訳詞……というよりシャウトがたまりません。

余談ですが、石田長生は1984年「上田正樹」と「sly & robbie」の大阪公演にも参加しています。

上田正樹のライブアルバム・ジャケット

最後に今回の楽曲、HARAHELLSの「もう呑まんぞつらい」について。

ここまで紹介したどのカバーとも違うテーマ。多くの人が共感できるであろう「二日酔い」をコミカルに歌います。

ダジャレ的なタイトルではありますが「NO WOMAN NO CRY」の前向きな精神はしっかりと受け継がれており、前半では「もう呑まんぞツラい」と後悔しているのにも関わらず曲の終盤では「今日も飲もう乾杯」と迎え酒。

歌詞カードの質感も良い

説得力のある歌詞と、ビンテージ機材で録音した質感がマッチした唯一無二の作品。思い当たる経験が多数で共感がとまらない。

今週もありがとうございました!

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