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羅臼で幻の白いシャチを見たレポ

2023年6月初旬に羅臼に野生のシャチを見に行き、幻の白いシャチを見ることができて本当に感動したのでレポしたい。

私はシャチがものすごく好きだ。なんでこんなに好きなのか自分でもわからないが、強くて賢くて、そのくせちょっとお茶目な行動をするところが大好きだ。
日本でシャチが飼育されている水族館は2つで、名古屋水族館と鴨川シーワールドなのだが、その両方にシャチ目当てで行ったことがある。

ところで水族館のシャチは、背びれが曲がってへにゃんとしてしまっている個体が多い。
背びれが曲がる理由は運動不足だとか、水面に出ている時間が長いからだとか諸説あるらしい。もちろん飼育員さんも最大限のケアをしているのだろうが、どうしても水族館で飼育されていると背びれが曲がってしまう。
私はシャチの背びれがいちばん好きなので、いつか背びれがピンと立った野生のシャチを見てみたいと思っていた。

国後島の写真、縦に100km以上ある大きな島だ

羅臼は、日本で唯一毎年野生のシャチを見ることのできる場所である。
北海道の知床半島の東側にあり、すぐ向かいには国後島がある。

毎年春から夏にかけて、なぜかはわかっていないらしいのだが、この羅臼と国後島の間の海域にシャチが多く訪れるのだ。

そして春から夏にかけて、羅臼ではシャチ・ホエールクルーズが盛んに行われている。
3つほどメジャーな会社があるのだが、どこの会社も料金・時間は同じで、鯨の発見状況を共有しあっているのでどの会社の船に乗っても大体同じものが観れるらしい。
私は「知床ネイチャークルーズ」という会社を選んで、朝の9時から約3時間のホエールウォッチングツアーに参加することにした。

当日、8時過ぎくらいに知床ネイチャークルーズの受付でチェックインを済ませ、ホエールウォッチングの船に向かった。

駐車場にシャチのマークがあってかわいかった

6月の平日だったが、40人くらいの人が乗っていたと思う。
この人たちもみんなシャチが好きなんだ!と思うとワクワクした気持ちになった。
乗客が全員集まったようで、8:45くらいには出港した。

良い天気だった!!

よく晴れていて出港してしばらくは知床半島の景色がよく見えた。
沖合に出るまでの間に、乗組員の方がいろいろな種類のイルカや鯨、シャチの見分け方を写真付きで解説してくれた。
一応事前に調べては来ていたが、船の上で解説してくれるとよりワクワク感が増して楽しい。

出港して30分、1時間…何も見えない。
天気が良くて向かいの国後島ははっきりと綺麗に見えるのだが、少しの海鳥がいたくらいで鯨やシャチの気配はない。

何も見えないこともあるとは覚悟していたので、がっかりしないように努めながら何かヒレが見えたりしないか?と一生懸命に探す。

出港して1時間半くらい経った時だろうか、他の船からシャチの発見情報があったらしく、船長さんがそちらの方向に向かって船を走らせ始めた。

「シャチの情報があったのでそっちに行きますね!もしかしたら白いのがいるかも…」

白いシャチ!!!

それは私がシャチに興味を持つようになったきっかけで、ずっと憧れていた存在だった。
初めはSNSで偶然白いシャチの画像を見つけて、その時は偽画像だと思っていた。
だって白いシャチなんてかっこ良すぎるじゃないか。

しかし気になって調べてみると、羅臼沖では近年2年に1度の周期で白いシャチが確認されているという情報を発見!
白いシャチが実在する生き物だということがわかった。
2023年に入ってからは、6月の私が乗ったクルーズまでに2度確認されており、「無理だろうけど、見れたらいいな…!」と密かに期待していた。

船を走らせしばらく進むと乗組員さんからのアナウンスが。
「船首に向かって10時の方向にシャチがいますよ〜」

10時の方向!?どこ!?背びれ、背びれ!!…いた!!!

船から30mほどの場所で、10頭くらいのシャチが群れになって泳いでいた。

「すごい……泳いでる!!!かっこいい!!!」

馬鹿みたいな感想だが、野生のシャチが海にいて自由に泳いでいること、それだけなのに涙が出るくらい感動した。
念願の野生のシャチはどの個体も背びれがピンと立っていて、波をかき分けて進む姿は言葉にできないくらいかっこよかった。

1分ほどその群れを見ていると、だんだん頭数が増えてきた。
そして増えたシャチの中に、白いシャチの姿が!!!

初めは光の反射かな?と思ったのだが、同じ群れの他のシャチに比べると明らかに背びれが白い。
成熟したオスのようで、2mはあるであろう立派な背びれと白い体を波間に光らせながら泳ぐ様子は神々しさすら感じた。

そうして5分ほどシャチの群れを観察することができ、群れはその後国後島の方面へ去っていった。

シャチを肉眼で見ることに夢中になってしまい、写真はほとんど撮れなかったのでここに載せることができないのがとても残念だ。

その後は風が強くなって船が揺れるようになり、他のイルカや鯨も見れなかったので友達と船室に入って外を眺めていた。

3時間のクルーズを終えて陸に戻ると、白いシャチを見れたという感動がじわじわと身体中に染み渡ってくるようだった。
船を降りたところで、地元のおじさんに「白いシャチを見れたんだって?よかったな〜一生に一度だよ!」と声をかけてもらい嬉しさが倍増した。

そのあとは羅臼神社でシャチ守をゲットし、はなますクルーズのお店で白シャチのぬいぐるみやシャチグッズをゲットした。

羅臼神社でしか手に入らないシャチ守。可愛い!!
裏側には白いシャチもいる
はなますクルーズのお店で白シャチを見たと言ったら手作りの白シャチ紙袋を頂いた

羅臼は北海道の最果てみたいな場所にあると思っていたが、実際は女満別空港から車で2時間くらいで来れるし、海産物も本当に美味しいしでシャチ以外の魅力にも溢れた場所だった。

この記事を読んで少しでも野生のシャチに興味を持った方がいたら、ぜひ羅臼に行ってみていただきたいです。素晴らしい思い出になると思います。

また来年もシャチを見にこれたらいいな。
最後に私の趣味全開の旅行に付き合ってくれた友人には感謝しかない。ありがとう!!




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