『アミ 小さな宇宙人』シリーズで日本でも有名な作家エンリケ・バリオスについては過去記事でも度々取り上げてきたが、彼の公式HPに新作小説の一部がアップロードされていた。
彼は『アミ』シリーズを含む過去の作品をすべて絶版にしていて、現在彼の作品を扱ってくれる文芸エージェントを探しているという。
絶版に至る経緯についてはこの記事で述べられている。
この新作の出版流通も契約してくれるエージェントに任せたいとのことで、興味を持ってくれそうなターゲットに向けての冒頭部分公開のようだ。
無料公開されているものではあるが、原文はスペイン語であり、勝手に翻訳してここに上げることには問題があると思うので、この記事の最後に、著者の序文のみをスペイン語から英語に翻訳し、さらにそれを日本語に直したものを載せておく。機械翻訳でしかもスペイン語→英語→日本語へ翻訳しているため、伝言ゲームのように文意とは離れてしまっている箇所もあるだろうし、そもそも日本語としてメチャクチャだが、敢えて修正もせずそのままにしておく。
この序文を読む限り、今回の作品で彼が書こうとしているのは、『アミ』シリーズで書いたような「愛の宇宙哲学」みたいなことではなく、具体的にETと「コンタクト」するためにわれわれが準備しなければならない心の状態を達成するための精神的修練に関することのようだ。
そしてそれは以前紹介した「オンかオフか」という文章からもうかがわれる通り、その「修練」は基本的には「自己観察」「自己想起」をベースにしている。要するに古くから伝えられる「汝自身を知れ」というやつである。
そしてそれは、今回アップされたファイルの図説を見る限りでは、人間の頭脳を「知性センター、感情センター、本能センター」に分類していることなど、以前にホイットリー・ストリーバーとの関係で紹介したグルジェフのシステムに近いもののように思われる。
この作品のタイトル「In Search of “Contact”(”コンタクト〈接触〉”を求めて)」も、グルジェフの弟子だった作家ウスペンスキーの古典的文献「In Search of Miraculous(奇跡を求めて)」に倣ったものと考えられる。
本編では、普通の学校に通う十代の若者たちが、謎の老人(?)に誘われてレッスンを受けるという物語形式で描かれていて、そこは『アミ』と共通する。ただし今回はレッスンを受ける人たちが複数で、そこで教えられる内容も前述のようにかなりエソテリックで実践的なものになっているという違いがある。
興味のある方は彼の公式ページで公開されているテキストに直接あたってほしい。
日本でこの作品や過去シリーズを含めた書籍の出版を考えてもいいという出版関係者の方がいたら、著者に直接コンタクトするのもいいと思う(ちなみに『アミ』シリーズが世界で一番売れたのは日本らしい)。