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大切な人がいることは

2023年12月24日。
僕は、好きな人と恋人どうしになった。

その日はクリスマスイブの日曜日ということもあって、街は人で賑わっていた。
街と僕らを照らすイルミネーションも、その日だけは心なしか明るく輝いて見えた。

彼女と初めて会った時のことは、鮮明に覚えている。
彼女は、とても愛おしかった。
ぱっちりした大きな目、高めの声、笑顔、笑う声、髪、雰囲気、仕草、僕を見つめる瞳、そして彼女の存在そのものまでも、愛おしいと感じた。
彼女と過ごす時間は、とにかく楽しかった。

次に会ったときには、彼女のことをもっとたくさん知ることができた。
家電量販店のおもちゃコーナーを見るのが好きとか、服の趣味が同じとか、ゲームをするのが好きとか、共通点が多くて嬉しかった。

3回目に会った時の感情は、かなり違っていた。
1回目や2回目は、楽しい、嬉しいが大きかった感情も、3回目は寂しいが大きかった。
帰りのバスの中で泣きそうになったのも、僕にとって彼女の存在や彼女と過ごす時間が本当に大切なものになっていることの証明だった。

そして4回目、12月24日、僕たちは恋人になった。
恋人ができるのも久しぶりで、ましてやクリスマスに恋人と過ごしたことがなかった僕にはとても新鮮な時間で、世界は鮮やかに色づいていた。

会うたびに彼女のことを好きになっていく。
彼女はこれ以上ないくらい愛おしくて、そんな彼女の愛おしい横顔を見つめていると、自然と笑みがこぼれてたまらなくなる。

「僕はもう、一生きみのことを忘れられないのか。きみが変えた僕の一部は、“僕”として確かに残り続りて、この先も眩く輝き続けるのか。僕が過ごしていく残りの時間は、きみと過ごしていく時間と重なって、少しづつ、少しづつ、さざ波が砂浜の砂を奪い去っていくみたいに淡く消えていくのか。」
そんなことを考えると、幸せの中に鈍く光る絶望が見え隠れして、泣き出さずにはいられなかった。

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ミシルさんやミシリスナーのみんなに出会って、発信を見たり聴いたりして、僕の考えや見方はかなり変わったように思う。

もともと持っていた、誰かを全力で愛する熱量。
そこに相手の思考や価値観をまるっと受け止める愛情がプラスされて、僕は無敵になれた気がする。
そんな過去最強になった僕が、好きなった人。

大切な人がいることは、僕の当たり前を吹き飛ばしてくれる。
きみの存在が、きみと会えることが、きみと話せることが当たり前ではないこと。
きみとの毎日は永遠には続かないこと。

大切な人は、いつまでも自分の隣にいてくれるわけではない。

だからこそ全身全霊で届けるんだ。
抱えている想い。感じる哀楽や痛み。
ちゃんと届ける。届けなきゃいけない。

自分の価値観や生活を一変させてくれるような人に、一変させてもいいと思えるような人に、出会えたんだから。

いま大切な人が、これから先も大切でい続けられるよう、一生懸命届ける、伝えると誓った。

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