【全文】文大統領、ホワイトリスト除外を受けての発言

日本政府は8月2日、韓国をホワイト国から除外することを発表した。
それを受けて、文大統領は5日、青瓦台で開かれた首席補佐官会議で発言した。
日本語として読みづらい部分はあるが、できるだけ「直訳」を心がけて約している。以下はこの日の発言の全文である。丸括弧の中は全て訳注。

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日本の貿易報復について政府と企業と国民が心を一つにして対応していることに感謝いたします。
われわれは今回のことを、冷静にわれわれ自身を振り返り、大韓民国を新たに跳躍させる契機としなければなりません。日本の貿易報復を克服することだけに留まらず、日本経済を追い抜くさらに大きな眼目と非常なる覚悟が必要です。部品原料産業の経済力を画期的に高めるのと共に、経済全般の活力を蘇らせる幅広い経済政策を並行していくべきです。直ちに、今回の修正予算に続き、来年度の予算編成にこのような政府の政策意志を十分に反映させるよう願います。

またわれわれの経済の最も大きな長所であるダイナミズムを蘇らせ、さらに育てなければなりません。既にわが国は世界水準の最高情報通信技術を備えたIT強国であり、革新力量においても世界的に高い評価を受けています。
第二ベンチャーブームにより革新創業が加速度を増しており、世界初の5G常用化を達成しました。われわれが今後の重要な事業だと考えているシステム半導体、電気車と水素車、バイオヘルスなど新産業分野も刮目すべき成長を見せています。

一方で、新南方政策と新北方政策を通じて輸出入を多辺化するなど、われわれの経済領域も速いスピードで広がっています。このように革新成長に拍車を掛け、われわれの経済の外縁を広げることが根本的な解決策だと信じます。
日本は決してわれわれの経済の跳躍を妨げることは出来ません。むしろ、経済強国に向かうためのわれわれの意志をさらに強くしてくれる刺激剤となるでしょう。

今回の出来事を経てわれわれは、平和経済の切実さを今一度確認することが出来ました。日本経済がわれわれの経済より優位にあるのは、経済規模と内需市場です。南北間の経済協力によって平和経済が実現されれば、われわれは一気に日本経済の優位に追いつくことができます。
平和経済は、南北関係と北・米関係に曲折があるからといってすぐに悲観したり、放棄したりするものではありません。永い歳月の対立と不信があったため、それだけ粘り強い意志を持って互いに信頼の回復に努めてこそ可能なものです。平和経済こそどの国も持つことのできないわれわれだけの未来だ、という確信をもって南と北が共に努力した時、非核化と共に韓半島(朝鮮半島)の平和とその土台の上に共同繁栄を達成することができるでしょう。

日本政府は、これまでの辛い過去を乗り越え、互恵協力的な韓日関係を発展させてきた両国民に大きな傷を与えています。過去を記憶しない国・日本という批判も日本政府が自らつくり出しています。日本が自由貿易秩序を毀損することに対する国際社会の批判も極めて大きいです。日本は経済力だけで世界の指導的位置に立つことはできないという点を悟るべきです。

われわれは経済強国へと進むための誓いを新たにしつつも、民主・人権の価値を最も重要なものとみなし、自由で公正な経済、平和と協力の秩序を一貫して追求していきます。韓半島の平和秩序を主導的に開拓し、国際舞台で共存、共栄と相互協力を精神を正しく実践していきます。国際社会の責任ある一員として、人類普遍の価値と国際規範を守っていきます。大韓民国は道徳的優位を基礎にして、成熟した民主主義の上に平和国家と文化強国としての位相を高め、経済強国として新たな未来を切り開いていきます。

わが政府は大胆な目標と歴史的な召命意識(課せられた命令を必ず遂行するという責任ある意識)を持って臨みます。国民の皆さんも自負心と自信感を持って、勝利する大韓民国の未来を共に開いてくださるよう願います。

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