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【北朝鮮料理】牛カルビと豆腐のスープ

1964年には皆が瓦葺きの家で白米に肉のスープを食べ、絹の服を着て暮らす豊かな生活を享受することになる。――1962年金日成主席の発言

3月もそろそろ半ば・・・
暖かい日があるかと思えば、まだまだ寒いこの頃、温かくてしっかり食べ応えのある「牛カルビと豆腐のスープ」をご紹介。

材料

・牛カルビ 250g
・豆腐 100g(木綿豆腐がおすすめ)
・塩 2g※
・醤油 2g
・ネギ 5g
・ニンニク1g
・唐辛子 2g
・コチュカル(唐辛子粉) 1g
・パクチー 適量
・胡椒 少々

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この分量で約2人分ができる。パクチーが苦手ならば省略してもOK。

作り方(公式)

1.牛カルビを茹で、骨を抜いた後、食べやすいサイズに切り、ネギ、ニンニク、コチュカル、醤油、塩、胡椒を揉み込む。
2.牛カルビを茹でたスープに厚めに切った豆腐、唐辛子、塩、醬油を入れて煮込む。
3.豆腐が浮き上がってきたら肉を入れて少々煮込み、お皿に盛ってみじん切りのパクチーを散らす。

上記の「作り方」は北朝鮮公式のものだが、お分かりいただけるだろうか・・・
塩と醤油が2回登場するのだ・・・!

このように北朝鮮のレシピは不可解なことも多いので、臨機応変に対応していくことにしよう。

作り方(私が実際に作った方法)

北朝鮮の公式レシピには何故か常に「水の分量」が書かれていない。スープの濃さを決める大切な要素なのだが・・・。
今回、2人分というところから、水は600mlほどとした。

1.牛カルビを食べやすいサイズに切り、ネギ、ニンニク、コチュカル、醤油、塩、胡椒を揉み込む。
2.600mlの水で牛カルビを茹でてスープを取り、厚めに切った豆腐、唐辛子を入れて煮込む。
3.豆腐が浮き上がってきたらお皿に盛ってみじん切りのパクチーを散らす。

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スーパーでは骨なしのカルビしか手に入らなかったので、公式の「作り方」とは少々違うが、生の肉に下味をつけてスープを取った。

完成

完成したスープはかなり優しい(薄い)味に仕上がる。
そのため、味を見ながら塩を適量追加して欲しい。
ご飯と、そしてキムチを添えて食べるのがおすすめである。

お肉がたくさん入っていて満足感がありつつも、優しい味で意外と朝からスルスルと食べられてしまうスープに仕上がった。これは、なかなかうまい。

また、伝統的な料理に「パクチー」が入るのは実はとても「北朝鮮的」。
韓国ではタイやベトナムの料理でしか見かけないパクチーだが、北朝鮮の地方料理ではちょくちょく見かける(例えば黄海道地方のパクチーキムチ)。
北朝鮮料理におけるパクチーについては今後、別の記事にまとめたいところだ。

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さて、冒頭の金日成主席の言葉だが、現在、北朝鮮ではこのような「白米に肉のスープ」が食べられるのだろうか。
次の言葉は2019年3月の金正恩の発言である。

全ての人民が白米に肉のスープを食べ、絹の服を着て良い家で暮らすようにしようというのが首領様(金日成主席を指す)と将軍様(金正日総書記を指す)の生涯の念願であり、これは社会主義を建設する朝鮮革命家らの理想であり、闘争目標です。今日わが党にとって経済発展と人民生活の向上よりも切迫した革命任務はありません。

2019年に至っても、白米に肉のスープがいまだ「理想」「闘争目標」であるという現実が透けて見える。

北朝鮮公式のレシピだが、北朝鮮国内では「一般的」に食べられている料理ではないという点にジレンマを感じるが、この「北朝鮮料理」のシリーズでは、日本で用意に手に入る食材を使っての再現を行っていく。北朝鮮人民が、こうした料理を日常的に食べられるようになることを祈りつつ。



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