『所属なき部隊(소속없는 부대)』

舞台は朝鮮戦争中の1951年夏。
所属もバラバラな負傷兵らが後方の病院へと向かっている。
主人公の「チェ・イルボム中隊長」もその一人で、48時間以内に手術を受けなければならないという重傷を負っていた。
そんな道の途中で敵のスパイを偶然捕獲した彼らは、12時間後に敵が落下傘などでその地に大量に侵入してくるという情報を掴む。近くの部隊に連絡をしても、部隊到着までには時間がかかる。中隊長は負傷兵はもとより、たまたま道を通りかかった兵士や商人をかき集めて塹壕を掘るよう命じる。

戦闘に参加するのはたまたま集められた兵士や商人、近隣の住民そして負傷兵らであり、十分な武器もなく皆の顔は暗い。
そんな中、休暇に向かう途中だったという海軍偵察兵は中隊長に「きれいな妹がいるらしいが、私の夢はそんな美人と結婚することだ。戦争が終わったら結婚させてくれ」などと持ちかけて笑いを巻き起こす。中隊長は「胸に英雄(北朝鮮で一番高い称号)メダルでも付けてきたら考えてやる」と返す。

敵が侵入を開始する。
彼らは戦闘を通じて初対面だった人々の真の人柄を知り、絆を深めていく。
ムードメーカーで戦闘中も楽観的だった偵察兵だが、敵の武器を収集する途中で銃弾に当たってしまう。
偵察兵は「中隊長にすまないと伝えてくれ」との言葉を残し、対戦車用爆弾を両手に持って敵の戦車に体当たりし戦死。
偵察兵が残していった荷物をあらためた中隊長らは、彼がすでに軍功を立てて「英雄メダル」を所持する英雄であったということをこのとき初めて知るのだった。

その後中隊長は、爆弾の導火線を手で繋いで爆死。
彼らの戦闘のおかげでその高地は敵の侵攻から守られたのであった。

戦闘が終わった後、駆けつけた将官は兵士に尋ねる。
「ここで戦った区分隊の所属はどこだ?」
「特に所属はありません、あちこちから集まって・・・」
そう答える兵士の言葉を遮って、一人が立ち上がる。
「いいえ、所属はあります。我々は敬愛する最高司令官同志の所属部隊です」

姜仲槙監督。1994年制作。

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