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一球勝負と日焼け止め

※7月は編集部メンバーによる『夏の思い出』をテーマにしたリレーエッセイをお届けしています

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文:ミキオサナイ

夏は、日差しが強い。この季節、テレビや雑誌で決まって喚起される「紫外線対策」。2018年の夏、神奈川県厚木にあるグラウンドの木陰に座っていた私も御多分に洩れず、パッケージに「SPF50+」とプリントされた日焼け止めを塗っていた。

「ミキさんって、不思議な日焼け止めの塗り方をしますね」

声をかけてきたのは、同じ女子野球チームのチームメイト。私よりも早く入部している2個歳下の彼女は、私のことをミキさんと呼ぶ。これから練習が始まるアップ前、木陰で日焼け止めを塗る私の手つきを見た彼女は「不思議」と言った。その言葉に私は「昔からなの」と返す。

──夏の思い出を紹介するこの企画、私は少女時代の「一球勝負」と「日焼け止め」について書こうと思う。

夏の思い出は、固いグラウンド、土埃、白のゴムプレート、13.11メートル先のキャッチャーミット、それから「日焼け止め」を思い出す。少女時代はソフトボール選手で、ピッチャーだった。

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