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野晒しブルペン不定期観測①新加入選手紹介

去年書いたか書いてないか忘れたので、2年分のあけましておめでとうございますといったところでしょうか。ご無沙汰しております。ここ数年晩秋までハラハラしていた私たちですが、昨年のスワローズは3月までしか面白くないという21年22年に比べるとつまらなさすぎるシーズンでした。
そんな久方ぶりの悪い年が終わり、新しい年が始まりました。どうしても野手にスターが集まりがちなスワローズの投手陣、その中でも特に梅野雄吾がいなくなったブルペン陣を不定期に応援するNoteを今年は書こうかと思っているところです。

第一回となる今回は投手陣全体の入れ替わりについて書いていこうかと思います。

陣容

赤字は新加入選手、細字は育成選手

2023→2024の陣容の移り変わりは上図の通り。11人が抜け、9人(うち髙橋翔聖は夏以降の加入)が加入することとなりました。

退団選手

昨オフに獲得した外国籍選手は全員が退団という結果になりました。特に昨季100イニングを投げ6勝を挙げた油そば大好きディロン・ピーターズの抜けた穴は大きそうです。謎の逆立ちで話題になったライネル・エスピナルとタクシーを待たせてサイン書き続けてくれるくらいにはファンサが良かったキオーニ・ケラも神宮では活躍を見せることができずに退団となりました。日本籍選手もかなり放出されました。一時期の神宮ブルペン陣を支えた大下佑馬(引退)、ファームでイニングを消化していた吉田大喜(→東邦ガス)と市川悠太(→不明)といったメンバーに加えて、鈴木裕太(→不明)杉山晃基(→引退)も構想外となりました。また、左キラーの役割が期待された久保拓眞(→オリックス打撃投手)と成田翔(→全川崎クラブ)も構想外、そして現役ドラフトでは金閣寺を「ばりばり金でした。」と表現するなど独特の感性をもつ、2年目から一軍で活躍して通算ホールド数日本歴代73位梅野雄吾も他球団へ移籍となり、日本籍投手8人が放出されるという厳しいオフとなりました。

ブルペンを長く支えた梅野雄吾も退団

新加入選手

昨季開幕と比較した時の新加入選手は9名。外国籍選手が3名(エルビン・ロドリゲス含む)。他球団からの移籍選手が2名。そしてドラフトでの指名が4名という内訳です。

外国籍選手

昨季途中加入のエルビン・ロドリゲスに加え、先発候補とされるミゲル・ヤフーレと中継ぎ、抑え候補とも目されるホセ・エスパーダぱだちゃんが加入しました。オスナ・サンタナ・サイスニード偉人たちが今まで通りの活躍を見せれば、新加入の2人はエルビンと共に残り2枠の外国籍選手の枠を争うことになりそうです。エルビンも昨季通りなら一軍には帯同することが見込まれるため、実質ヤフーレかエスパーダどちらかが最後のひと枠で活躍してほしいといった想定でしょうか。ヤフーレとエスパーダは2人ともキャンプ初日からブルペン入り、期待がかかります。3選手については(もう読まれた方ばかりかと思いますが)フェグリーさんとシュバルべさんのNoteに詳しいのでそちらもどうぞ。


移籍選手

福岡ソフトバンクで左キラーとして長らく活躍していた嘉弥真真也を戦力外から、埼玉西武で先発でも中継ぎでも活躍していた宮川哲を元山とのトレードで獲得しました。現役ドラフトとトレードで、梅野元山という98年世代の選手を放出して北村と宮川という歳上の同じポジションの選手を獲得したのは、球団の来季に賭ける思いの現れにも思えます。嘉弥真には、改良したスライダーを武器に、昨年人材不足となった左キラーとして大きな期待がかかります。宮川には髙津監督も誉めていた独特なカーブを生かして先発(場合によっては中継ぎ?)で「哲のおかげです」と言われるような活躍が今シーズン期待されます。

宮川哲投手(西武時代、2021年夏撮影)

ドラフト

ドラフトでは4人の投手を獲得しました。育成1位で夏に来日する台湾の髙橋翔聖を除き、松本健吾は即戦力、西舘昂汰・石原勇輝の大卒2人も早い段階から一軍で投げてほしいという想定での指名ではないでしょうか。

1位 西舘昂汰 専修大学

新人合同自主トレより

齋藤正直監督が率いて東都大学リーグ2部を戦う専修大学からは、昨年の菊地吏玖投手に続き2年連続ドラフト1位指名。それでも1部に上がれないところが戦国東都プレミアムユニバーシティーズ22と呼ばれる所以でしょう。
「一番は馬力。真っすぐに力があり、ある程度コントロールができて投げ分けができている」(小川GM)というように150キロを超える力のある真っ直ぐと、昨秋12試合中9試合に登板したタフさが魅力であり、先発としてのスタートが予想されます。
大学ジャパンで正捕手を勤め、北海道日本ハムに2位で指名された進藤勇也(上武大)は高校時代の同級生でともに神宮大会や春夏の甲子園でバッテリーを組んでおり、交流戦やオールスターでの再開・対戦に期待が集まります。上半身のコンディション不良でノースロー調整が続きますが、2月中旬にはキャッチボールが再開できるとのことなので、まずは焦らずじっくり治してもらいたいところです。

2位 松本健吾 トヨタ自動車(レッドクルーザーズ)

都市対抗ENEOS戦より


昨年の黒獅子旗獲得チーム(都市対抗優勝チーム)からの新加入選手。
高校時代は東海大菅生高校で、1つ下の戸田懐生(巨人)や田中幹也(亜細亜大学→中日)とともに夏の甲子園ベスト4まで勝ち上がりました。フォークやスライダーを武器に甲子園では背番号1をつけるなど主戦投手として活躍しました。西東京大会では、桜井周斗(横浜DeNA→東北楽天)を擁した日大三高や、橘内俊治(早稲田大学→明治安田生命)や清宮幸太郎(北海道日本ハム)、野村大樹(福岡ソフトバンク)がいた早稲田実業というセンバツ出場校を連破して西東京を制した際の早実との決勝で完投したのがこの松本です。

亜細亜大学では1年秋のリーグ戦から登板するなど、早い段階から活躍したものの、優勝した3年秋のシーズンでは登板はありましんでした。(理由は調べてください)4年の春は活躍したものの、秋のラストシーズンでは成績を伸ばせずにプロ志望届を出すものの指名漏れとなりトヨタ自動車に進みました。

トヨタ自動車では球速が大学時代より4km/hアップして150キロ台を計測するようになり完成度がアップ、2022年秋の日本選手権ではパナソニックを1安打完封して優勝に貢献しました。

150キロを超えるようになったストレートにスライダーやカットボール、フォークなど多彩な球種を操る完成度の高さが魅力。今年の都市対抗では○曜でも嘉陽こと橋戸賞(MVP)投手嘉陽宗一郎や、ホンダ鈴鹿からの補強選手の森田駿哉(読売2位指名)の2枚看板がいたためリリーフ起用となりましたが、ENEOS戦では度会隆輝(横浜1位指名)を抑えるなど活躍しました。秋の日本選手権では先発として起用されており、「先発で勝負したいというのが、僕自身の気持ち」(2/6付 サンケイスポーツ)と本人が述べている通り、最初は先発で最初は起用されると思われます。

東海大菅生高校では、1学年下に戸田懐生(通信制に転校→徳島インディゴソックス→読売)と大学でも後輩になる田中幹也(亜細亜大→中日)が、亜細亜大学では3学年上に頓宮裕真(オリックス)中村稔弥(千葉ロッテ)、1学年上に平内龍太(巨人)内間拓馬(楽天)矢野雅哉(広島)が、同級生に岡留英貴(阪神)加藤竜馬(東邦ガス→中日6位指名)が、1学年下に青山美夏人(西武)重松凱人、松本晴(福岡ソフトバンク)が、2学年下に草加勝(中日)が在籍していました。トヨタ自動車では1つ上に吉野光樹(横浜)と長谷部銀次(広島)と先輩後輩同級生関係でもこれだけのプロ選手がおり、彼らとの対決にも期待が掛かります。

また松本は中学高校大学と3カテゴリーで神宮で登板しています。社会人時代は惜しくも登板がなかった(昨年のスポニチ大会でトヨタは神宮で試合しているが松本の登板はなし)ものの、プロでは久しぶりに戻ってくることになりました。

新人合同自主トレでも新人唯一の一軍帯同となった浦添キャンプでもブルペンにも入っており、早くも即戦力としての期待が膨らんでいます。早ければ21日の楽天戦でのデビューとの報道もあるなど、順調なら浦添で実戦デビューが見込まれており、アピールに期待したいところです。

3位 石原勇輝 明治大学

春のリーグ戦、法政戦を締めて吠える

嘉弥真同様、昨年苦しんだ左のリリーフ枠として目される投手。広陵高校時代は、同級生の河野佳(大阪ガス→広島東洋)や高太一(大阪商業大学→広島東洋2位指名)、今年のドラ1候補の私が激推しする渡部聖弥(大阪商業大)や宗山塁(明治大)とともに明治神宮大会やセンバツに出場しました。明治神宮大会では初戦で先発投手奥川恭伸、四番ショート内山壮真の星稜高校と対戦しました。(星稜9ー0広陵、奥川7回3安打完封&2安打1打点、内山2安打2打点、石原は4回に4番内山、5番奥川の連打から崩れ3回2/3を7失点)
センバツで広陵高校は武岡龍世擁する八戸学院光星と対決していますが、河野が完封しているため、対戦はありません。
大学では1年から神宮のマウンドを踏んだ。3年秋からは村田賢一ナセル(福岡ソフトバンク4位指名)や蒔田稔(明治大→JFE東日本)らとともに明治の投手陣を支え、先述の2人や宗山、そして上田希由翔カイリュー(千葉ロッテ1位指名)、堀内祐我(明治大→ホンダ鈴鹿)らともに明治大学のリーグ戦3連覇、2022年の明治神宮大会優勝、2023年の大学野球選手権準優勝に貢献しました。
スワローズのユニフォームで神宮のマウンドに帰ってくれば、高校大学プロと3カテゴリーで神宮のマウンドを踏むことになります。

ちなみに石原は吉田大成(佼成学園→明治大学→明治安田生命→東京ヤクルト)スカウトの初担当選手でもあり、ドラフト直前の法政大戦でも彼が視察に訪れていたのが印象に残っています。

足を大きく上げるフォームから、最速149キロで常時140キロ中盤のストレートに、110キロ台の大きなカーブ、さらにスライダーやチェンジアップも投げます。

初夏には坊主だった髪型もすっかり伸びて入寮。体調不良がありキャンプは2軍スタートとなりましたが、すでに新人合同自主トレでもキャンプでもブルペンに入っているのは好材料と言えるでしょう。キャッチボールでは一つ一つの仕草を丁寧に確認するなど、自分の中でしっかり考えてプレーしているのではという印象を受けたので、彼も焦らずに調子を上げてほしいところです。


以上が新加入選手の紹介でした(育成の髙橋投手は来日して見たらまた書ければ…)。新加入メンバーの多くが早い段階からの神宮での登板が見込まれます。彼らが期待通りの活躍をすれば、ペナント奪還、そして打倒中嶋オリックスの大きな力になってくれるはずです。

参考文献

写真は全て筆者撮影


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