今朝3-K

×月×日

覚えてるよ覚えてる。
夕食のときあなたがいなくて寂しかったよ。
ほんとに寂しかった。
小学校のときに親友が風邪で休んだ日を思い出したよ。
わたし登校から下校までのあいだたった一言だけしか喋らなかったからね。
「余ったプリン食べていいですか」の一言しかね。

わたしはやっぱり地方出身だからさ。
それも電車が2時間に1本くらいのど田舎だよ。
そんなに頻繁に両親になんて会えないよ。
久しぶりに会うごとに、びっくりするくらい加速度的に老けてくんだ。
地元で結婚した姉もどんどん太ってくの。
わたし一人だけが見た目も頭の中身も取り残されていく気分になる。
すぐそばにいて、ご両親が少しずつ変わっていくのを見届けられるって素敵なことだよ。
ご両親大事にしてね。
うちの両親なんて、孫自慢写真をわたしじゃなくてまずあなたのところに届けたりするしね。
早く見せてよ姪っ子の写真。
あと、今度実家から救援物資届くんだけどその日わたし用事だから代わりに受け取ってね。
ローソンの新商品だって。
うちの両親コンビニの新商品マニアでさ、
美味しいの見つかったら山ほど買い込んでこっちにも布教しようとしてくるんだよね。
うん、ローソン。実家から徒歩2分。

LAWSONへSEIYUそして武富士へだんだん青くなり死ぬだろう

                                            松木秀『5メートルほどの果てしなさ』

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