今朝1-S

◯月◯日

そのとき君が見てたかったのは僕の顔じゃなくって、
目の前の果実と果実のあいだの、
枝と葉と支柱の隙間の、
もうそれが空かどうかもわからない細かな、
何角形かの空気のかさなりたち

そういうことを僕は、丁寧に覚えてゆく。

ふぁっとこっち向いて笑ったとき、
横顔からはみだしそうに目が、
目が。

ははは。

二人ゐて少し離れて袋掛  深見けん二

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