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「線スケッチ」の立場で本を読んでみた

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この読書感想シリーズは、通常の書評形式ではなく、以下のような方針で取り上げています。 <方針> 1.書籍全体の書評ではなく、「線スケッチ」の制作に役立つ部分を取り上げ紹介する。 … もっと読む
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記事一覧

「ドラッカー・コレクション 珠玉の水墨画」千葉市美術館 美術出版(2015):西洋の知…

 記事(その4)からの続きです。今回が最終回です(長文になります)。  展覧会の訪問記を…

「ドラッカー・コレクション 珠玉の水墨画」千葉市美術館 美術出版(2015):西洋の知…

(その3)より続く(長文になります)  前回の記事その3では、講演記録「ガイジンの見た日…

「ドラッカー・コレクション 珠玉の水墨画」千葉市美術館 美術出版(2015):西洋の知…

(その2)より続く。  前回の記事、(その2)では、ドラッカーが日本美術の収集を始めた初…

「ドラッカー・コレクション 珠玉の水墨画」千葉市美術館 美術出版(2015):西洋の知…

(その1)から続く。 ドラッカーが語る日本の水墨画の独自性日本美術へのラブレター  20…

「ドラッカー・コレクション 珠玉の水墨画」千葉市美術館 美術出版(2015):西洋の知…

 この記事は、前回の記事、『島尾新著「水墨画入門」岩波新書(2019):身体・五感で見る水墨…

島尾新著「水墨画入門」岩波新書(2019):身体・五感で見る水墨。日本の独自性が分か…

前回の記事、その3から続きます。 この記事が最終回となります(長文になります)。 「水墨…

島尾新著「水墨画入門」岩波新書(2019):身体・五感で見る水墨。日本の独自性が分かった(気がする?)。その3

 前回の記事、その2から続きます。 イリュージョニズムの山水画 記事、その2の最後に述べたように、ようやく第4章「イリュージョニズムの山水画」で初めて中国水墨画の解説が入ります。  ここでは各「節」の名称と使われたキーワードを示すだけにとどめます。 ■郭煕の「早春図」 ■臥遊 ■風景を組み合わせる  西洋画の「正遠近法」、山水の「複数の視点」 ■山水を窮める  「山のさまざまを窮めて」一般化され、普遍化された風景、「胸中丘壑」が山水画の理念 ■イリュージョニズム ■范 寛

島尾新著「水墨画入門」岩波新書(2019):身体・五感で見る水墨。日本の独自性が分か…

 前回の記事、その1から続きます。 水墨画の存在様式 著者は、第2章「水墨の発見」で、「…

島尾新著「水墨画入門」岩波新書(2019):身体・五感で見る水墨。日本の独自性が分か…

はじめに 現在私は「線スケッチ」による作品を描いています。 「線スケッチ」は「ペン画」の…

知ってましたか? 驚きの最近の美術教科書

 以前投稿した下記の記事の最後に最近の高校生用美術の教科書について言及し、いずれ別の記事…

ゴッホは白い雨を見逃さなかった!(訂正とお詫び)

過去記事の誤りについて 本年9月22日付で投稿した下記の記事で、ゴッホの素描に浮世絵と同じ…

<ゴッホの手紙 上中下、硲 伊之助訳、岩波文庫>(補遺)日本絵画の影響はここにも!…

前回の記事から続く  ゴッホの手紙感想文の(補遺)として、(1)「平原(畑)への愛」、(…

<ゴッホの手紙 上中下、硲 伊之助訳、岩波文庫>(補遺)日本絵画の影響はここにも!…

前回の記事から続く (3)西洋絵画では描かれない雨の風景にチャレンジしている。素描および…

<ゴッホの手紙 上中下、硲 伊之助訳、岩波文庫>(補遺)日本絵画の影響はここにも! 平原(畑)への愛、すだれ効果、雨、余白について。

前回の(補遺)記事から続く (2)ゴッホの樹木描写に日本の「すだれ効果」を見る  「ゴッホの手紙」を読みその素描に興味を抱いてゴッホの全作品を見直したときに、「線スケッチ」の立場で気になったのは彼の樹木表現です。  前回の(補遺)の記事で、絵の初心者がつまづくのは、中景、近景の樹木表現だということをお話ししました。  ここでは、そういう意味ではなく、樹木の日本式構図をゴッホが取り入れているかどうかという観点です。果たして構図への影響があったのか。  前回の記事の冒頭で