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世界を変えろ

こんばんわ。あるいはおはよう。もしくはこんにちわ。

pepepeです。

W杯サムライブルー残念でしたね。歴史を変えることはできませんでした。

それでも格上の相手に対し強い気持ちで立ち向かっていた姿はとても感動しました。

かっこよかった!また四年後!楽しみです!

今まで成し遂げれてないことを成し遂げるってやっぱり難しい。世界を変えるってそんなに簡単ではありませんね。

ただ私、実は一度「世界を変えた」ことがあるんです。

それは2年前の職場での出来事。
(なんの仕事かはご想像にお任せします)

パートスタッフから「更衣室付近で怪しい動きをしている2人組がいる」とインカムを通じ僕宛に連絡が入ります。

簡単にいえば万引き犯です。万引きって行為は色々と厄介であります。店を出てから声をかけなくてはいけないとか現行犯じゃなければとか。。

なので統一的な対応方法って実はなくて密着して「させない事」がイニシアチブで「捕まえろ」はリスクが多いのであくまでも「防げ」というのがウチの方針なんです。

そんなうんこみたいな方針なので私は決まって「はい皆でさせないように気をつけてくださいね」と常套句を放ちその近辺に行ってみると鮮やかで薄い青色レンズが光る鋭利に尖ったメガネをし首元に偽物とすぐ分かるファーのついたグレーの作業着を着た長身の男と小豆色のカーディガンを着た如何にも子分感満載の小柄の男が更衣室を出入りしていたのです。簡単にいえばクソヤンキー供です。

抽象的な勘と経験に頼った直感で「やってる」のはすぐ解りました。

それでもうんこみたいな方針がある為、様子を伺う程度で適度な距離をとり何人かのスタッフで巡回していました。

決定的な場面はなく他のスタッフもいるし、おしっこしたいしで私は無責任にもトイレに向かったのです。

綺麗な放物線を描いた黄色く少しクリアな液をジョボジョボと放射しながら昨日妻が買ってくれたアサヒスーパードライのロング缶がキンキンに冷えているのを知っている私は今日の晩御飯を妄想していました。

手を洗い乾燥機に入れた手を小さなハンカチでパンパンと軽く拭いながら「チキン南蛮がいいな」と思い、妻にLINEをしておこうと店内に戻ろうとしたその時でした。

入り口兼出口から盗難物を入れたと思われるバックをぐるんぐるん廻しながら(恐らくセンサーに反応しないようにする為)先程マークしていた長身の男が出てきたんです。

なんというバッドタイミングなんでしょうか。だってうんこみたいな方針が通じない状態ですし、ヤンキー近くで見たら怖えーし!しかも防犯タグに反応しセンサーの赤いランプが点滅しているし!

反応してんじゃねーか!と思わずツッコミたくなったが条件は一応整ったので
「すいません。センサーが反応しましたので中身を見せて頂いてもよろしいでしょうかぁ?」と怖さを隠しマニュアル通りの低姿勢で尋ねました。

すると長身の男は無言で私を睨み体ごと押しながら店外へ出ようとしてきたので私はそれに反し男を店内へ押し戻そうとし時、突然暴れだしたのです。

私を乱暴に掴み逃げようとしてきたので
「正当防衛成立!」と心で叫び男を力づくで押さえ込みました。(一応柔道初段です)

それでも男は激しく暴れ続けます。
徐々に周りも騒がしさに気付き始めてくる頃、自分の異変にも気付き始めます。

「やばい!疲れてる!」
そりゃそーです。慣れない緊張感と恐怖感で思った以上に力を使っているし相手も全然怯まない。32歳(当時)こりゃヤベーと近くにいたパートさんに「だれか男性スタッフ呼んできて!」と夜叉猿みたいな顔で懇願。

するとパートさんは「ヒィーー夜叉猿!」といった表情でインカムで要請。その日の男性スタッフは私と学生アルバイトで現代風の男の子1人…居ないよりマシかと取り敢えず「乗っかれ」と指示。その子も夜叉猿の…いや慣れない恐怖からかしどろもどろ。

弱そうな奴を見つけ万引き犯がここでヤンキー魂炸裂!立ち上がり、アルバイトの髪をガシッと掴む。「俺の大切な仲間を!」とは言っていないが呼び寄せた手前、罪悪感満載…そんな気持ちで離させようとした時、髪を掴んでいた腕の肘が私の顎に炸裂。

プッツン。

万引き犯の胸ぐら掴んで引きずりもつれながら大外刈りではないがそんな感じで相手を倒してヘッドロック。長い戦いに終止符というか私のHPが終止符!

怒りで倒せたが「なんだか眠いんだ…」ネロ状態。。それでも逃げようとする万引き犯(てかしつこいぞこいつ)

周りに大勢のお客様が居たが最後のひと振り大声で「オラァーいい加減にせんかいこらぁぁーー」と関東人のくせに西系の巻舌口撃。もう無理だ。こんなんで観念するわけねぇ。。と思ったら万引き犯「ごめんもう無理」とまさかの即降参。巻舌効くなと新たな活路を見いだしたわけではなくようやく諦念した万引き犯を事務所に連れていき警察に連絡し御用。上長に連絡後後私も警察に行き事情聴取。同じ事を何回も聞かれるも悪い事はしていないので正直に答える。また会社に戻る時、思った。

「やべー俺万引き犯捕まえたよ。みんなから崇拝されるんじゃねーの」とまた「警察から表彰されちゃったりして!そしたら本部にもアピールになって昇進なんてことも!」と「世界が変わるかも」と本気で思った。

ただ実際は違った。
会社に戻れば私が抜けた分忙しかった旨を言われ上長には労いはなく事故発生報告書をすぐ書けと言われ、「もうしないでね、お前が危ないから」と本当は思っていないのがすぐ分かるトーンで言われた。

次の日はその話題で盛り上がったが数日経ったら何ごとも無かったような日常に戻っていった。現場検証にきた警察からも相手は凶器などを持っている可能性があるから争わないでくださいと言われ、私の行為自体は否定された。

なるほど。行動自体では自分の立ち位置、能力、権限を考慮してじゃんけんで勝ち指で方向を指すぐらいでしか人を動かすことはできない。つまり「世界を変えることができない」

と悟った。そりゃそーである。年収そこそこのサラリーマンにそんな権力があるわけないのだ。

私は大いなる勘違いをしていた。世界を変えるには相手方を変えなくてないけないと思っていたがそれは違う。自分が変わり見える世界が変わることを指すのだと気付いた。他人は思ったほど自分に興味がなくそれに応える人生に馬鹿らしさを感じ自分が変わり自分を高めようと意識が変わった。

それまで身体を鍛えれば強いみたいな筋肉バカ的発想が脳内を占めていた私ではあるが、ほぼ使用していなかった脳を再起動させることに注力を置こう、賢いが1番強いという発想で(その考えは馬鹿w)まず本を読み始めた。

これは効いた。わからない言葉がバンバン出てくる。自分の無力さに愕然としたが逆に「空き容量半端ねぇ」と伸びしろも感じた。

気付いたら1カ月で多い時は10冊以上の本を貪った。分からないことを理解し享受される喜びを身体を鍛える以上の喜びに感じた。

そう世界を変えたのだ。

恐ろしく単純思考で生きてきた自分を悔やんではいるがこの事件がきっかけで色々と気付かされた現状を考えると万引き犯に感謝である。
(いや万引きはダメ、絶対よ)

余談ではあるが万引き犯は16歳だった…当時の私の半分である…そりゃ元気な筈w今は更生していることを願うばかりである。

そーいや小豆色のカーディガンはどこいった!?w

さっ世界を変えよう。明日から。

#エッセイ #コラム #日記 #スケートボードを活字で #世界を変えろ


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